主人公カトレア・バルトは見目麗しい公爵と結婚式をあげ、その新婚初夜に何者かに襲われ非業の死を遂げた、はずだった。だが、その時を何度も繰り返されるループに落ち込んでしまう。そう書くと悲劇の主人公の苦悩や悲惨さが描かれる様に感じるかもしれない。だが、主人公のカトレアはそんな事では怯まない。武術の心得はないがバーバリアンなバルト家の血は伊達ではない!!脳筋令嬢は果敢に立ち向かっていく。そのループの中で歴史の目指す“真実”を求めて突き進む、明るい明日を目指して。
カトレアの選択肢を楽しんでみたり、時にはチョット赤面したり、彼女らしい選択に笑ったりと、カトレアと一緒に考えながら楽しめる。たった一晩、でもカトレアにとっては先の見えない繰り返しの中、あっけらかんと力技で立ち向かう彼女はステキだ(笑)。悲劇という言葉を彼女は辞書から抹消しているに違いない。
果たして明日はやって来るのか。歴史からもぎ取った彼女の明日はどうなったのか。それは読んでのお楽しみ。