6.はじめての勝利
――ひばりちゃんとクロウさんが「
『オラァッ! クソ猫!
巨大なハクビシンのバケモノ「
見れば、その体はあちこちが
『クソッ! こうなったら
言いながら、鳥居の前で「
雷獣は、人間がずっと家の中に引きこもる生き物ではないことを知っていた。
だから、
けれども――。
『いいや、待つ
その声は、雷獣の頭上――鳥居の上から聞こえて来た。
何事かと雷獣が空を
『ほう……少しは
すっかり傷が
しかし、そんな雷獣の
『それはどうかな? ――お嬢、ここからは
「わかったわ、クロウさん! わたしは、ぜったいにまけない!」
ひばりちゃんの掛け声を
雷獣はそれを、余裕をもって迎え
『な、なななななな、なにぃ!?』
そして――。
『フゥゥゥー!!』
雷獣はたまらず、押しつぶされるように倒れる。クロウさんの力はすさまじく、全く
更にクロウさんは、雷獣を押さえつけたまま、その
『グ、グワァァァァァッ!?』
雷獣が
見れば、クロウさんが
雷獣が
『ガァァァ!? 我の、我の霊力が
雷獣の体が、どんどんとしぼんでいく。
クロウさんと同じく、雷獣の体も霊力で巨大化したものだったらしい。
やがて――。
「……これが、ライジュウのほんとうのおおきさ?」
ひばりちゃんが思わず、驚きの声をあげる。
すっかりしぼんでしまった雷獣は、クロウさんの元の姿と同じくらいの大きさしかなかったのだ。
おまけに、霊力がすっかり抜けてしまったからか、先ほどから「ガー! ガー!」と鳴き声を上げるだけで、人間の言葉を話さない。どうやら、霊力が無くなったので話せなくなってしまったらしい。
『ここまで霊力を溜めるには、
「それって、コロスってこと?」
『まあ、そうなるな。逃がした
クロウさんの言葉に、ひばりちゃんはほんの少しだけ
「たおして……しまって、クロウさん」
『いいのか?』
「うん。ここでにがしても、きっとまたミライのだれかが、わたしとおなじめにあうとおもうから」
『……分かった』
クロウさんが、
――音はしなかった。ただ、まるで初めからそこには何もなかったかのように、雷獣は
「……とりあえず、おわった、のね」
『ああ。そしてこれが始まりでもある』
クロウさんが元の大きさにシュルシュルと戻っていき、ひばりちゃんは自分の二本の足で地面に立つ。
霊力とやらを使い過ぎたせいか、ややフラフラするが、必死に踏みとどまる。
何故ならば――。
「おお~い、ひばり~! そこにいたのか~! いきなりいなくなるから、びっくりしたよ~!」
本殿の方から、孔雀くんが
クロウさんと「主従の契り」を結んだ時の光は孔雀くんにも視えていて、少しだけ目がくらんでしまい、ひばりちゃんの姿を見失っていたのだ。
『お嬢……孔雀の
「だめよ。そんなことしたら、きっと……くじゃくは、わたしをあまやかすもの。よわいところなんか、みせてあげないんだから」
それだけ言うと、ひばりちゃんは幼稚園児らしからぬ
クロウさんは、そんな彼女のことをずっと守っていこうと
自分の命を
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