第三話「校庭の隅っこには火の玉が出るらしい」
1.火の玉事件
「鎌倉西小学校ミステリー
「夜中に
「毎日向きが変わる
いずれの事件も、うわさ話から生まれた「本当はいないもの」達の
けれども、孔雀くんの「
孔雀くんたち三人以外は、誰も事件の「本当の
今回は、そのいくつかの事件の中から、少し「変わり
その名も、「火の玉」事件――。
***
『校庭の
ちょうど、
鎌倉西小学校の
この雑木林は、西小学校が
中々に
その雑木林の中で「火の玉」がうごめているのを、何人もの児童たちが
けれども、何人かの児童はその
「火の玉」を目撃したのは、その児童たちだったらしい。
なんでも、雑木林の
「――でさ~、それを先生たちに言ったのに、誰も
そう話すのは、孔雀くんのクラスメイトである
今は放課後。ミステリー倶楽部の部室の中である。
坂城くんは、放課後に校庭へ忍び込んだグループのリーダー的存在で、先生たちの間では「悪ガキ」と
野球をやっているわけでもないのに頭は「スポーツ刈り」で、冬以外の
いつもいたずらばかりしているし
そんな坂城くんが「火の玉を見た!」と
けれども、少し気になる点もある。
「それで、先生たちは見回りとかもしてくれなかったのかい?」
「えっ? え~と……オレたちを校門から追い出して……どうかな? 誰かが見回りに行く、みたいな話はしてなかった……かな?」
しどろもどろに答える坂城くん。おそらく、そこまで細かいことは
――けれども、孔雀くんにとってはそれだけで十分だった。
いくら坂城くんのような
雑木林の中に「火の玉」のような光が見えた――つまり、そこには
それなのに、先生たちには見回りに行くような
いくら坂城くんに信用がないからと言っても、その動きは少し
「なるほど、確かにそれは少し気になるね」
「だろっ!? なあ、頼むよ孔雀ぅ! 『火の玉』の謎、解いてくれよ。いつもみたいにさ~。じゃないともう、怖くて夜の校庭で遊べねぇよ~!」
「そもそも夜の校庭に忍び込んで遊ぶのを止めてみては?」と思いつつも、孔雀くんはあえて口には出さなかった。
正直、そこまで坂城くんの行動に
それよりも孔雀くんは、「火の玉」とやらの正体に興味があった。
いつもの
「それで坂城くん。その火の玉というのは、どれくらいの大きさなんだい?」
「ん~分かんねぇ! 見たっつっても
「小さな光……じゃあ、
「ん~……オレンジ色、かな? それもよく分かんねぇや。あ、でもでも! 動いてたのは
もう少し情報を引き出してみようと思った孔雀くんだったが、どうにも坂城くんの話はおおざっぱで
目新しい情報と言えば「火の玉はオレンジ色だった」くらいだが、それすらもあやふやなようだった。
孔雀くんは、坂城くんはからはこれ以上の情報は得られないと
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