あとがき
初めましての方は初めまして! 他の『メソロジア』シリーズである『ブラック・ストーム』や『At the begining of Mythology』を読んでいただいている方はお久しぶりです。
本編を読んでいただいただけではなく、こうして趣味全開の後書きまで読んでいただいて本当にありがとうございます!
さて、おそらく多くの方が初めて『メソロジア』シリーズに触れてくださった事と思いますので、まずはシリーズ全体の説明から始めます。その後に『第1幕 ブルー・アンハッピー』の解説をして、最後に今後の展開を発表していこうと考えています。是非とも最後まで読んでくださいね!(ネタバレを含みますので、本編の後に読んでください)
では早速、『メソロジア』シリーズについて説明していきます。
本シリーズは『
今すぐ書き始めればいいじゃんと思うかもしれませんが、設定や舞台、キャラクターや世界観など色々と決めることがあり、なかなかプロットすら完成しない状況が続きました。ならば実際に物語を書いてみるしかないと思って始まったのが現在投稿されている『メソロジア』シリーズという訳です。
現在公開中のシリーズは全部で三つ。
一つ目は『At the Beginning of Mythology』です。
本編である無印『メソロジア』の正統な前日譚に当たります。元々は電撃大賞に投稿しようと思って書き始めたのですが、当時のレベルでは物語を応募要項内に収めることができず、ネット小説として投稿を始めましたという経緯があります。
執筆時期が最も早いため、設定の一部が現在とは違ったりしています。完結済みであり、更新する予定はありません。
二つ目は『ブラック・ストーム』です。
『At the Beginning of Mythology』と同じ時期にラクニルではどのような事件が巻き起こっていたのかを書き記す物語になります。無印『メソロジア』の舞台となる予定のラクニルのイメージを明確な物にしたいと思って書き始めたシリーズですね。オーバー・スカイと同時期の物語であり、舞台は第一校区になります。
現在も連載中であり、第三章まで完結済み(約55万字)になります。今の段階では第六章まで書く予定であり、その後、無印『メソロジア』の執筆を始めます。『メソロジア』シリーズに興味が湧いた方は是非こちらを読んでみてください!
メソロジア~ブラック・ストーム~
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885327012
そして、三つ目が『オーバー・スカイ』です。
当初のシリーズ構成において、本作は存在すらしていませんでした。ブラック・ストーム第三章が完成した段階では第四章のプロット作成に入っていたくらいです。ですが、突如として一人のキャラクターが脳内に舞い降りてきて状況は一変しました。
境目空、と、ソラ。
彼女達こそ、本作誕生のキッカケです。
彼女達を形にしたい。実際に動かしてみたい。そんな感情に衝き動かされた結果、元々の予定にはなかった物語を書く事になりました。
私はプロットを書いてから本文の執筆に取り掛かりますが、途中でキャラクターが勝手に動き出せば、プロットを無視してでも流れに身を任せるようにしています。その方が作者の恣意を感じさせない自然で生きた物語になると考えているからです。
そんなキャラクターに振り回される私ですが、境目空とソラはかつてない程に暴れ回るキャラクターでした。
最も驚いたのが、『09 ニセモノの飛び方』のシーンです。
プロットの段階では絵野静菜を倒した後に、そのまま石瀧圭一に笑顔で振り返り「空から話は聞いている。自分は神様の死に損ないで人間じゃないけどオマエには興味が湧いた。宿主を頼むよ」くらいの軽い会話で終わらせる予定でした。
ですが、いざこのシーンの執筆を始めてみると猛烈な違和感に襲われました。何がおかしいのかと考えていると、急にソラが「納得できない」と言って石瀧に襲いかかったのです。
何が納得できないのかと考えている内に色々と変更が入り、今の形へと落ち着きました。変化の中で最も大きかったのは、間違いなくテーマの変更でしょう。
今作のテーマは『憧れ』ですが、プロット段階では別のテーマを軸にしていました。今となってはテーマを変更して良かったと思っています。
「憧れとは、そんなに強い感情なのか?」
死に損ないの神様であるソラには、憧れという感情が理解できません。何者にも囚われずに、超然と、空から世界を俯瞰する彼女には、上を目指したいという人間特有の薄汚い欲望はないからです。どうして身の丈に合わない高みを目指すのか。苦しい想いをして無駄な事をするくらいなら今のままの方がいいのに……きっとこんな風に感じている事でしょう。
絵野静菜は背伸びをして、無理をして、様々なモノを失ってでも、上を目指そうとし続けました。その結果、身の丈に合わない高みへ中途半端な覚悟で足を踏み入れます。世界を俯瞰しかしてこなかったソラには、意味もなく足掻いて自分に近づこうとするその姿が、醜悪に思えて我慢ならなかったのです。資格がないのならば、大人しく地面で這い蹲っておけという訳ですね。
ですが、石瀧は土壇場で許してもらえました。
『本物』に出会って憧れて、『偽物』である事に耐えられなくなった石瀧圭一。心のどこかで諦めながら何となく手を伸ばしていたならば、ソラは容赦なく記憶を消して、自身との繋がりを絶っていたはずです。
最終的に石瀧は「憧れとの差に絶望して諦めるのではなく、自分の能力をシビアに受け入れて、一歩ずつでも前に進んでいく事が大切だ」という結論に至りました。『
何故ならば、絵野静菜と同じく中途半端な覚悟で空を目指していたのに、自らで翼を要らないと言い放った彼の変化を認めたからです。『特別』であることを受け入れながらも『普通』に憧れる境目空と同じモノを見出したのでしょう。
ところで。
皆さんは何かに憧れた事がありますか?
私は小説家になりたくて、それでも実力不足に絶望してしまい、もう長い間、出版社の新人賞に応募していません。目標とする作品や作家は遠くて、届きそうにはなくて、それでも夢を捨てきれずに文章を書き続ける毎日。そんな日々が石瀧圭一に投影されている気がします。
自分の現在地を素直に認めるのは難しいし、悔しいです。努力しているのにどうして結果が伴わないんだ。成功してる人は何人もいるのに、自分とは何が違うんだ。そんな事をずっと考えてしまうのですから。
だからこそ、積み重ねてきたモノはなくならないという小林真彩の言葉は、あるいは、もう少し自分を高く見積もってもいいというキャットの言葉は、行き詰った現実に
自分の現在地を知って、憧れとの距離を理解して、それでも本気で進んでいこうと決意した石瀧圭一。これから彼がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。
また、本シリーズ目玉の一つである『
ちなみに、ソラの能力である『
作中でソラも言っていますが、想像力次第では何でもアリな能力です。パワーバランスを維持するために
では、本作の解説はこの辺りにして今後の展開を発表していきます!
突発的に書き始めたオーバー・スカイですが、第1幕とナンバリングされている通り今後も続けていく予定です。
第2幕については未定ですが、書きたい内容や登場させたいキャラクターは頭の中で固まっています。お時間はいただきますが、何らかの形で続編は発表するつもりです。最近情報はツイッターで告知していますので、興味がある方はフォローをお願いします。(@YumesinaHituzi)
次の更新はブラック・ストームになります。『凝った設定と深い世界観から生み出される面白さ』を主題に起き、オーバー・スカイと同じく『青春×異能バトル』をコンセプトに物語を作っています。学園異能バトルが好きな方は是非読んでみてください!
では、最後に謝辞を。
無名作家である私の作品を見つけてくださっただけではなく、後書きを最後まで読んでいただき本当にありがとうございます!
今後も『メソロジア』シリーズは続いていくので、関連作品やオーバー・スカイも引き続きよろしくお願いします!
それでは、次の物語も読んでいただける事を願いつつ。
今回はこの辺りで筆を置きたいと思います。
規格外の怪物とソラのバトルを書きたくてうずうずしてます
2019年8月17日
夢科 緋辻
メソロジア~オーバー・スカイ~ 夢科緋辻 @Yumesina
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