愛の挨拶

@blanetnoir

多分別れの挨拶とは、たくさんの愛の言葉で、



別れが迫るごとに恥ずかしさなどかなぐり捨てて、最後の瞬間は抱き合うなどして、涙も流すだろう。



そんな愛の挨拶を別れの言葉として相手に伝えられるから、お互い先に進んでいける。

その1歩を踏み出せる。



それは“約束された旅立ちの日”



あなたに、

伝えたかった愛を、抱擁を

あなたに伝える時間があると思い込んで、

いつか、そう思っていたら

一瞬にして引き剥がされた。



本当に、一瞬のできごと。

誰も知ることのできなかった、あなたさえも知らずに。



この世から引き剥がされてしまったことに気づいた時には

全てが終えられてしまった。



挨拶もできないまま、

言葉の行き先が、この腕が、あなたを求めて今夜も彷徨う。



この足は、

その先へ進めないまま



未来に飛び立てないでいる。




あなたがその瞬間まで何を思っていたのか

何を望んでいたのか

何を夢見ていたのか



あなたの、言葉の続きをききたかった。



あなたが見せる世界の続きを知りたかった。



あなたが、この世界に残した欠片を集めても、それは残されたもので、



あなたの、言葉の続きではないから。



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