放課後
@AZUPOE
1話
放課後になると、いつもの場所へ向かう。階段を上がり、左に曲がり少し歩くとその場所に着く。
ここは理科室。
いつも何故か鍵が開いている。
本当は入っては行けないと思うのだが。まぁ、バレなければ大丈夫だ。
私は誰もいないか確認してそっと教室に足を踏み入れた。授業で使ったのか薬品の匂いがほんのりした。
奥の方に進み窓を開けた。
眩しすぎるくらいに太陽が照りながらも、柔らかい春の風が吹き込んできた。
私はこの心地よい風を浴びながらグラウンドを見渡し、ある人をさがした。
サッカー部の大好きな先輩を。
理科室に来る理由は、先輩を見るためだ。人見知りな性格で、先輩に話しかける勇気もない。だから毎日こうやってここに来て、先輩を眺めている。
毎日探しているせいか、数秒で見つけ出す事が出来た。
先輩は、周りにいる同級生の男子とは比べられないほどに輝いて見える。かっこいいし、大人っぽいし、優しいし、全てが魅力的だ。
そんな先輩を好きになったのはちょうど1年前。
放課後 @AZUPOE
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