第126話断りなく 理に泪

断りなく 理に泪

閉じられた柩に伝わる熱は無く

もう ま見えることは無い


今宵も又 櫻の苑 地で

宴は催される

誰そ彼 翳日向 舞い狂うはひとひら


長い永い午睡である

夢と見まごう事哭き天秤は糸も容易く

朱に堕ちた桜桃で揺らぐ


嗚呼 今宵も御戯れ囁く風 ふたり


あいも変わらず あい厭わずに。

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