第5話端正な曇りガラス

端正な曇りガラスに塗り付けられたレクイエム

真鍮の棺桶に古びたトイピアノは寄せる


叩きつける強引な雨に崩れ落ち

さめざめと泣き叫ぶ破れた利き手から

残薔薇パラダイスの廃墟に到る過程は

轟音の剣の舞


昂りから零れる到達点のひとつにすぎない。


異次元の渦は吐き出される今宵も。

目覚まし時計は勝手に列をなし

けたたましく徘徊する胸の内


指先から光がもれだすと

濡れた枕の獏がヌタリと架墨を喰らう


果たして羊の群れは

朝露に怒れる皐月の蜜に

皮肉と魅せれるか

ありつけるのだろうか。


アンバランスな調律は狂い咲くときに

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