第81話 エピローグ
「自分のためにが一番だけど、私、あなたに
彼女の目に涙はない。
強い光があるだけ――。
戻ってこなくていいよ。 追いかけていけるから。
立ち止まらなくていいよ。 一緒に走れるから。
探さなくていいよ。 いつもそばにいるから。
悩まなくていいよ。 僕にはわかっているから。
僕がずっと愛していけるのは君だけ。
僕のパートナーは君。 君のパートナーは僕。
振り向かなくていいよ。 君は前だけ見ていて――。
「これ、あきらからもらいたいって思ったことあったけど、あげる方になったわ。」
友香は僕に手に握っていたものを渡してきた。
「これ、もしかして……。」
「うん、私の下宿先の合鍵。」
彼女はにこっと笑うと、新幹線の改札へと歩いて行った。
三十分後、友香からのライン
『ごっめーん、あれ、下宿の鍵じゃなくて実家の鍵だったわ。ゴールデンウイークにでも一回帰るから、その時に交換するわ。』
『いいよ、取り換えてもらいに行くから。』
『じゃあお泊りセット、持ってきてよ♡タオルはたくさんあるからいいよ。』
『……了解だよ♡』
そういうこと、さらっと伝えてくるところが友香のいいところなんだよな。
どうせ荷ほどき出来てないだろうから早めに行こう。
おわり。
愛すべき姑息な人々 2 姑息な恋人たち 清泉 四季 @ackjm
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