20.すっかり見慣れた天井

 窓から気持ちの良い朝日が射し込む。

 柔らかな陽の光が朝が訪れたことを告げていた。

 うーん、と伸びをしながら目覚めるとすっかり見慣れた天井がそこにはあった。


 少し体が重い。


 昨日の疲れが抜け切ってないんだと思う。

 何せ昨日は短い人生とはいえ今まで経験したことないことがあったのだ。


 ···まぁ普通に生きてればまず経験することないとは思うんだけど。


 もうこちらに来て4日目。

 隼人や家族も心配してるだろうなと思うと尚更体が重く感じる。

 そんな重い体でなんとか着替えをすませ、いつも通り朝食をとりに食堂へと向かう。

 食堂に近付くにつれ、美味しそうな香りが漂ってくる。

 それだけでもう食欲がこれでもかと湧いてくる。

 食堂につくと側近は既に食べ終わっていた。

 僕が入ってきたのを見るとすぐに立ち上がり、僕の方へとやってくる。

 一見いつも通りに見えるけどやっぱりどこか動きが重たそうに見えるのは多分気のせいじゃないと思う。


「おはようございます。」

「おはよう。」

「今日のご予定ですが朝は今後の方針を決める会議を予定通り開きます。午後は昨日の疲れもあるでしょうから自由時間となっております。」

「うん。わかった。」


 そして僕は誰にも聞こえないように側近の耳元まで寄った。


「昨日言ってた門番の件よろしくね。」

「かしこまりました。」


 そして朝食をとった。

 今日はパンと葉野菜のサラダだった。

 ここの枯れた大地ではなかなか野菜が育ちにくく、こういう葉野菜が出回るのは珍しいことだそうだ。

 それを口に運ぶ。

 いつもの如く、ほんとに美味しかった。

 ここの料理人はとにかく腕がいい。

 何が出てきても美味しいのだ。

 疲れているから尚更だ。

 手早く朝食を済ませると側近とともに会議室へと向かった。


 会議室につくとほとんどの隊長たちは揃っていた。

 僕がついてから5分も経たないうちに全員が揃った。

 みんな時間厳守ですごいなぁと思う。

 とは言えみんなやっぱり疲れた顔をしている。

 命のやり取りをしてきたんだからそう簡単に抜けるほど手緩いものでもない。

 そんな隊長たちが揃ったところで側近が話を始めた。


「では今後の方針についての会議を行います。昨日の戦いの勝利を機に、人間軍の攻撃はより強烈なものになることが考えられます。そこで皆さんには今後我々がどんな風にそれに対応していくべきか意見を出していただきたい。」


 そんな側近の司会で会議は始まった。

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