幸せの表現
日々人
幸せの表現
「
そんな思いを
本気でそう思い、そう
「その人に
とかいうあれは
ー ー ー ー
少し離れたところから花火の音が聞こえた。
それから少しして、火薬の匂いが鼻をついた。
ちょうど一年前くらいになるだろうか。家族の元を離れ、この公園をねぐらとし始めたのは。
仕事はそれ以前に、もう何年もしていなかった。
「昔のアナタに戻って、お願い…」
と、妻に涙ながらに言われ、しかし仕事は長続きせず、自ら進んでという記憶はないのだから、やはりいつの間にか家を追い出されたことになる。
妻や息子たちとの最後の会話とはどのようなものだったか。
思い出ばかりを
そんなことを
もう私には過去も未来もないようなものだ。
急に振り出した雨の中、
すると、目の前を
その正体は白い服を身に
誰かに話しかけられるのは久しぶりだった。
冷たい視線を浴びせられながら
老人の前から立ち去らなかったのは、その老人が不思議な言葉を発したからだ。
「
私は何らかの言葉を発したかったのだが、上手くいかなかった。
「貴方の願いを
口から言葉を発することを忘れてしまっていた。
それでも
ー ー ー ー
思い返そうとするのだが、どうもこの
これまでの記憶が
ただ…私はなんだかこれまでにないほどに
…ほら、また。私を呼ぶ声がする。
もしも産まれたときの記憶というものが。
この世に生を受けた瞬間に得た使命感。
そんなものがあるのならば、きっとこういう感じではないだろうか。
今、この
「…私は…高額当選宝くじ(が欲しい…)」
その時、白ヒゲの老人は近くで花火をしていた若者が急に発した
「…
「はい…」
「私は…
ー ー ー ー
それから
私を
私は幸せだ。
やがて来る別れの予感を感じながらも、それでも私は幸せだ。
ー ー ー ー
妄想話でした。
幸せの表現 日々人 @fudepen
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