第7話 想涙

夏のはじまり、梅雨の知らせか、冷たい風。


やわらかな笑顔、

真剣な

ふいにくる優しさ、


そのどれもが、幸せな瞬間。

どこへ行くにも、きみが居たらと──


分かってはいたけど、言ったんだ。


「──ごめん。好きな人いるんだ」


分かってたから、「うん、言ってくれてありがと」って。


きみはいつの間に買ってたんだろうね。いろんな色の金平糖。


ちがう色なのに、どれも甘い。


泣きだしそうな空、さきにこぼれたのは。


「好きでした。これからもね」






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舌にころがす、金平糖 糸花てと @te4-3

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