第472話「休まず」 イレキシ

 南大陸南端航路では南極の春を待つか、冬に突破するか、二陣に分けて危険を分散――冬組が沈没しても春組が突破すれば良し――するか選択。大金を約束したがもう一隻の調達、雇用は失敗したので冬の突破に挑んだ。

 大金で雇えたのは水先案内人だけで、それもベバラート港までの約束。それ以上は商品を積む空間を借りられないと断ると言われた。我々は短気ではない。

 帆布策具の点検を十分にしてからアラッサンデュール港を出港し、暴風氷雪の南極洋上で甲板に張り付く氷を割り、氷の礫で出る負傷者は治療呪具で復帰させた。死者の水葬は荒天が安定した時のみ。通路脇に放置したら波の上下で吹っ飛んでいったこともあった。

 新しく雇った水先案内人だが、こいつ必要か? と疑念が航海中に出た。それでも必要になった時に仲がこじれていると困るので、嫌な相手でも愛想良く出来る自分が応対。

 長くはない危険海域を抜け、そこからは順風を背負ってサダン・イネファ号は自慢の快速を発揮し、海賊可能性のある船もこちらを追う様子も見せなかった。


■■■


 北天の夏に戻る程に北上、パシャンダ地方にあるベバラート島へ入港。ロシエ人街で休暇、諸々の手配はロシエ人代官がしてくれた。

 サダン・イネファ号の船体の損傷や歪みは船渠で確認した結果は許容範囲で、帆布は新品と取り替え、重傷者は船から降ろして補充船員は現地で応募。

 あの水先案内人は、あまり役に立たなかったが報酬は支払った。今後の評判に関わるし、次は役に立つかもしれないし、悪い風評はよろしくない。手荒な真似は文明人としてしないものだ。疲労と被害から気が荒立っている仲間達との間に自分が入った状態を維持するのは大変だった。

 暦を改めて確認すれば、スライフィール海峡か魔都水路が使えればもう到着しているはずだった。

 ロシエ人街で聞けた情報で気になるものは幾つかあった。特筆するなら二つ。

 一つ。魔戦軍の他、帝国連邦が西方移民を募集中であること。

 直ぐにこんな情報が耳に入るということは、その広報は魔神代理領共同体の隅々に行き届いているということ。

 帝国連邦軍正規軍は予備役を動員せずに約百万――ベーア帝国は人口三倍強で同等――という算定がある。予備役と民兵まで動員すれば一千万超というのが全人民防衛思想で、その全てを外征戦力に出来るわけではないし、徴兵と前線配備による国内生産能力の落ち込みを考えると国外には出し辛い。

 そこで移民に武装をさせて送り込むという方法が考えられる。古代戦史で異様な規模の大軍が動員され、これは自軍を強く見せるために数字を盛っているよな、と言われる事例が数多ある。大軍のくせにあっさりと小数の軍勢に負けるような記録が多くあるのでそう考察してしまう。戦力に数えられる数字の過半が正規戦では烏合の衆になる武装移民ではないかと考えれば納得の戦例がある。

 最近ではジャーヴァル人口一億”伝説”から、実は四億くらいに到達済みではないかという人口統計予測が立てられているそうだ。流行りの奴隷解放と人口把握による、徴税効率化と徴兵可能規模の拡大と把握に関連しての統計予測であるからただの噂話に留まらない。

 二つ。ジャーヴァル、パシャンダの南北対立は再燃しているが解決の見込みがあるということ。

 ザシンダル立憲革命党の独立というか独自路線化の承認がされると武力衝突が回避される。ジャーヴァル帝国から独立して、しかし魔神代理領共同体に留まるという論法で平和裏に解決が可能らしい。解決後はザシンダル立憲君主国家がジャーヴァル帝国が抱えるパシャンダ諸問題の解決に協力する見込みさえあるらしい……セレード独立戦争とはエラい違いだ。

 このジャーヴァル=パシャンダ問題の制御の見込みが出たからこそベルリク=カラバザルが強気に侵略戦争を開始したとも考えられる。これが収まれば魔神代理領共同体は安定。安定すれば上振れの人口統計予測が出て過剰人口が計算可能になる。その分を数えて武装移民として流し込める。動員で不足する帝国連邦内の労働者として雇用も出来る。

 二つ合わせて帝国連邦軍一千万による攻勢の影が現れる。未来の戦史にどう載る?


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 海賊の楽園とも言われるタルメシャ南洋諸島海域の突破は容易だった。時間が過ぎるという当たり前のことに焦りを感じる以外は問題無し。

 天政の港湾行政が行き届いていて、航路上での商船の往来は活発で、救援を求めればすぐに駆け付けてくれる軍艦が巡回していた。

 海賊疑惑の南洋諸島系の小型船とは接触しないよう、沿岸には近づかないようにした。大物も狙ってくる海賊ギーリスの分家や、魔神代理領海軍の小遣い稼ぎが有名で勘違いしそうになるが、貧乏人が小型船を使って武装貧弱な小型商船を狙うのが普通の海賊だ。小回り良く浅瀬や入江を使い、待ち伏せから接舷切り込みを行ったり、時には船無しで停泊中の船を強奪する。売り払うのも押印の入った金銀の治地金ではなく米とか油。

 サダン・イネファ号はそれなりに大物。油断せず、危険な沿岸部や暗礁海域に近寄らず、堂々と航路のど真ん中を行けば海賊風の景気の悪いボロ船を見かける程度で済んだ。

 この航路上では途中でタルメシャ一の中継貿易港パラマ市に入った。洗練された大都市で、天政艦隊の南洋における集結地点でもあるため大量の商船を受け入れながら広くて綺麗な――浸食で抉れたり、浚渫不足で暗礁が出来ていたりしない――岸壁が幾らでも空いている。港内移動用の軽便鉄道が走る程にその敷地は広い。

 夕方になってから港湾局員の仕事終わりを見計らい、手土産に高い酒を振舞って色々と情報を収集。

 商品無しでヤンルーへ移動するなら、海路でリャンワン市からフォル江を遡上するよりも、今はバイハイ市で上陸して鉄道で行くのが早いと教えて貰う。海路もニビシュドラ海峡の浚渫、暗礁爆破工事が行われていて通行制限が掛かることもあるとか。

 海峡の浚渫とは大きな話である。川や湾を掘るのとは規模も難度も桁違い。


■■■


 オトマク暦では秋に入った。天政の歳節暦では露実、秋に入ってほんの少し経つ。

 北大陸とニビシュドラを繋ぐ暗礁と列島の、浚渫工事現場を手前に北上して外南藩のバイハイ港へ入港。サダン・イネファ号はここで、交渉次第では長期停泊する。まともな休暇も無いままで疲労困憊の船員等はこの上陸を喜ぶ。自分の休暇はまだ先。何時終わるのか分からない。考える度に深呼吸を必要とする。

 外交使節団である我々はより一層緊張が高まる。ラーズレク大将が「お腹痛くなってきたかも」と冗談半分ぐらいに喋るぐらいには。

 藩行政府へ直接掛け合い、ヤンルー行きの特急券と護衛と随行役人を手配して貰って船から列車へ乗り換えた。

 従来の外交経路ならば、リャンワン市へ入って港湾に常駐する外交部に連絡という手順を取る。今回は例外的に行動したので相手側が少し手間取った。

 そして鉄道にてワンナン湾を望む沿岸鉄道に揺られ、寝台に寝転がるばかりの中で南海道ブイカン市に到着。路線を変更し、その車両が出発するまでの間に随行役人がヤンルーへ電信で連絡。

 護衛と随行役人の面子が代わってから内陸線を北上した。


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 紺東道のファンコウ市で車両点検のために停車。

 再出発して碧右道のシャンライに到着。定例なら海から川を遡ってここでようやく船から降りるのだが、今回は列車の座席に座ったまま。

 ラーズレク大将は「お尻に根っこが生えちゃうよ」と言っていた。寝過ぎ、座り過ぎで背中から尻にかけて痛いのは確かである。

 移動中は、仕事の緊張も合わされば全く休まらない。身体中が運動していないのに疲れる。到着するのはまだ先と確認しながら深酒する。


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 オウレン盆地手前の山道入り口、バオン関を通過。登山道は延々と深い要塞線となっている。帝国連邦への恐怖が、オウレン盆地の北口ではない南口にすらこのような形で現れている……確信を得た気がする。

 峠を越えて、盆地全域が開発され、縦横曲がらずの道と水路で仕切られて市街地、田畑で埋め尽くされる超広大な人口密集地が見えてきた。世界の都はこれだと言われている気がする。

 遠かった。スライフィール海峡ではなく帝国連邦の大陸横断鉄道が使えればと考えると更に遠い。どうにかして平和が保たれていれば外国の乗り物も使えただろうに。

 何故人類は戦争をするのか? そもそも闘争とは? と脳内で哲学を繰り返し、そしてヤンルーに到着。盆地周辺の山地を要塞とした代わりに八面の旧城壁が撤去された極東最大の都市。洪水のように市街地が周囲に広がっており、楼閣が並んで霞む。拡張したイェルヴィークや復活したシトレも壮大だが、これに敵う道理が無い。

 鉄道駅で降り、中央道は御用の馬車で通過。通行人が道を開けていく。土下座しようとした子供を親が制しているので、頭を高くしてはいけない場合もあるようだ。

 宮殿外城を囲む幅広い水堀の周囲を龍人龍馬の騎兵が巡回警備をし、巨大な正門は門衛である龍人兵が鉄亀に引かせて開くようになっているがそこは通らない。そこより端の方、離れた別の小さな通用門を抜ける。

 外城の区画へ入る。首府として機能して官僚が仕事をしており、書類を運ぶ姿が引っ切り無し。それ以外に見えるのは掃除夫くらいなもので、皇族貴族がいるような雰囲気は無い。ましてや美人が取り柄の後宮女官のような姿は一切無い。彩色兼備の女性官僚はいるが、完全実力主義で登用された才媛である。

 内城へは自分とラーズレク大将のみ案内され、他は外城の客間で待機。そして本殿ではなく庭園と離宮が散在する景観の良い区画へ通される。歓迎の儀式は無く、正規の使者として扱われていない。急遽――役人が送った電信以外は――予告無しに訪れたわけであるが。

 周囲には犬のように馴虎がいて、警備用か愛玩用か不明。流石は猫科か、巨体でも屋根や壁の上に悠々と飛び乗る。また、降りて来る。賢いので興味は持っても唸ったりしないし、伏せて睨んで狙ったりもしない。

 枝葉整えられた観用木に留まる虹雀が官僚に呼ばれてその腕へ飛び、足に手紙を結んで託され空高く飛ぶ。

 足元の池から蛇龍が顔を出し、鰐か何かかと思って驚かされる。見た目も大きさも、足を噛んで回って千切ってきそうだ。水中の巨大生物は割り増しで怖い。

「そうだ思い出したぞイレキシくん。昔な、便秘が治ると思って尻にうなぎを入れた馬鹿がいたんだが……」

 ラーズレク大将が面白い話で怖いことを誤魔化してくれた。

 広く草木に石水、赤土で芸術的に装飾された空間は、綺麗な絹で飾った皇族達が優雅に遊んでいるのが似合いそうだが一組除いて他にいない。

 顔まで龍と化した異形の男女? が棒突きで漕ぐ小船で庭園水路を遊泳していた。

「もっと早く漕げないのですか!?」

「そういうもんじゃないだろ」

「貸しなさい!」

「馬鹿っ、お前っ、中にいんの驚くだろが!」

「えい!」

「あっ」

 転覆、水中でばしゃばしゃと叩き合い罵り合い。

 イチャつきやがって、犬も食わねぇよ。バーカ、バーカ。

 彼等以外に住人としての人間はいるようだがわずかで、肩身は狭そうに見えた。

「変な土だね」

 ラーズレク大将が庭の土に言及。確かに赤土はこの気候帯で妙である。熱帯のものとは色みが記憶と違うが……辰砂? いや、それだと植物が死にそうだ。雑草が生えないようにと農薬代わり? しかし植えられた観葉植物は枝葉を刈り、花や実も選別されて色と形が揃って元気に変色斑模様も無く根を張る。案内役は観光案内ではないと割り切っているのか説明もしてくれない。

「その実、美味いのかな?」

 ラーズレク大将が案内役に喋らせようと、正体不明の果実を指差した。

「その実は腹でも根を張るので死にます。ご冗談でも口にされないように」

 うなぎ……それよりも、尋常の植生ではいということか。地上に異世界?

 座れと案内されたのは、池にある橋を渡った先の小島にある東屋。更に小島から離れた位置にある離れ小島は一つの鉢となって、異様で華美な木を一本立たせていた。

 木は花の一つ一つが色違いで何色あるか数えられないまま一面に咲いて、葉は一枚も無く、水面に落ちた花びらは……無し。造花か造木かな。

「北征巡撫作の”百華”ですかね?」

 以前、戦中に開かれた芸術照覧会では仕事上、好き勝手に見て回ることも出来なかったので噂だけ聞いている。

「前に見た時は手で持てるぐらいの鉢植えにあった」

 本当に異世界か?

 運ばれて来た茶を飲まされてしばし待つ。

 前触れなく二弦の弦楽器演奏者――西で天使、東で天女――が空からやって来て、一礼してから無言で演奏開始。この音色は……緩い渓流を思い起こさせる。たぶん名演。

 池の向うに、聖都から派遣された聖職者がチラっと見える。遠くから会釈し合う。

 ……かなり待つ。風に乗って綿毛が水面に落ちたのを見てラーズレク大将がトンボの交尾の話をし始めて、割と面白かったのだが目を合わせて喋りながら寝てしまった。頭が落ちる勢いで目が覚める。

 我々異人に興味を持った馴虎が鼻先突き出しながらやってきて、とりあえず顔を掴んで撫でる。手に抜け毛が付く……ダニは大丈夫だよな?

 少し思い出す。

「お、お前、俺のこと覚えてたか?」

 前に訪問した時に何となく撫でていた奴だと気付く。顔の表情、耳と鼻、白黒縞模様にも個性があるのだ。

「何だ、わしより仲良しだな、イレキシちゃん」

 馴虎が飽きて他所へ行く頃になってようやく離宮の一つへ案内される。そしてようやく室内で椅子に座り、程無くして部屋奥から主人が現れる。顔の端に鱗が見え、頭髪からは角が突き出る人外の龍人。その中でも最上。

「私が龍人王レン・セジンである! ご両人、危急の長旅ご苦労。大体察しはついているが、用向きを伺おうか」

 ラーズレク大将も龍朝天政に駐在して官語を習得しているが、一応自分が隣に座って何と言っているか通訳する。

「ベーア皇帝にしてエデルト並びにセレード王国国王であられるヴィルキレク・アルギヴェン陛下より書状でございます」

「うむ」

 龍人王が親書を読みながら自分を見た。

「イレキシくん、君は大変苦労をしているようだね」

「は? いえ」

「そのままでは働き詰めの官僚のように死んでしまうな」

「はあ」

 こう、全身の神経が張り詰めているというか”電気”が入っているというか、胃腸が絞れて痺れているようというか、溜息が油断すると止まらないとか、動悸がするとか色々ある。ラーズレク大将じゃない気難しい誰かをここまで補佐していたら? と考えたら鼻血を出して死にそうだ……キツネー。

「ラーズレク殿、訂正が必要だ。もうセレード国王ではない。海路では情報不確かであったな」

 セレード独立、成ったのか。戦線の減少は歓迎出来るが……。

「そうでしたか。詳細は、後でお教え頂けますか」

「そうしよう……さて、挟み撃ちの提案だな。大変そちらに都合の良い話であるな。

 帝国連邦相手に戦うとなれば多大な犠牲と出費が見込まれる。こちらから攻めれば魔神代理領とも賊軍とも再戦する。ランマルカとも同様で、そちらでは大人しくしているオルフとマインベルトとも四国協商の防衛条項に則って開戦することになるだろう。これは生半可ではない。

 我が天政が目指すのは人民の幸福である! 端緒もそちらのセレード王国に対する外交努力の失敗に発するようだ。君達は果たして、今タルメシャで起きている革命騒動に対して我々が、海軍と海兵隊を派遣してくれと言って何の疑いも躊躇も打算も無く派遣してくれるのかね? それの方がまともに聞こえると言っている。例えが悪いが、悪い例えを引っ張り出すしか無い程に筋が悪いのだ。ベルリク=カラバザルの外交巧みさに負けてしまったかもしれないな。介入して阻止できる方法も無かったから不戦勝か? 悔しいと言えばそれまで。宣戦布告して恨みでも晴らすか? 理性の無いことだ。今の災禍のあらゆる根本がエデルト王国に求めることさえ出来る。

 帝国連邦が西の憂いを払った時、東の我々に牙を剥けるという論理は分かる。それを警戒していることも事実だ。であるから友好的な中立は維持しよう。軍事演習も規模を縮小すること無く行う。通商も物的な支援も出来るが、しかしそれまで。こちらも王朝交代から全面戦争、長城建設と休む暇も無かったのだ。このような異形でも安息を求めるものだな」

 休まず長旅の結果が交渉失敗で無駄足。辞表はこの懐にあるぞ。

「さて、遠路遥々やってきたところで手ぶらで帰すのはしのびない……例の絵を持ってきなさい!」

 龍人王が手叩き、聖都の聖職者を召使いのように呼ぶ。持って来させた絵は二人掛かりで持ち上げる程度の額縁に収まり、描かれているのは目玉と翼の化け物で手足に胴すら無く、口も見えず物を食って糞するようにすら見えない。趣味の悪い子供の悪戯描きを職人がわざわざ描き直したようだにも見える。これと比べれば魔族も通常の生物の範囲内だ。

「そもそも君達の聖典で天使とも表現出来る超越的存在、翼ある人間の姿ではなかろう。私が書いた天女もどき、鳥人間を天使と強引に定義して幻想生物として作り出したと聞いているぞ。天神教から天使という言葉と重要性を借用して、降りて来た天上人と地上人の子孫である特別な我々こそ世界を統べるべきだという話は排除してだ。してたな? 話をそもそもしていないか。

 私が提供した天女もどきの絵について、君達はどうやら性別の無い存在と認識したらしいが、そもそも鳥は総排泄口といって性器も肛門も一緒になってる。雄雌は好みで選べば良かった。あえて繁殖出来なくして”聖なる趣き”が出たかもしれないが……そもそも天女は分かるか? これも天から降りて来た男に何かと都合の良い美女で、神仙の世界からやってきたとか、独身男に優しいとか……まあそれはいい。良くある異類婚姻譚、民話だ。

 君達の聖典に直接ではないが記述される超越的存在を再現するとこの絵だ。聖なる神の持つ無限の視覚と普遍性と力の発揮、威圧感の顕れから姿を導き出した。君達の教えが醸す神の力の化身そのものだ」

 ”お前等正気か?”と聖職者達を見たが、どうやら本気らしい。これを手土産に西へ帰れと? 天女、角馬、翼馬に人狼みたいな”いそうな”幻想生物とわけが違う。

「連れて来なさい」

 龍人王レン・セジンがもう一度手を叩いた。

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