第459話「フレッヴェン高地周辺の戦い」 ベルリク

 黒軍騎兵七千騎でベーア帝国エデルト王国深部へ浸透を開始して時間が経った。

 敵の警戒網が強化されつつある。動員も進んで、暢気に非武装で隊列も組まないで歩いている姿は消えた。完全武装の兵隊さんが統率されて歩いている。

 それでも隙だらけで、中途半端に部隊が集結しているところがあった。ここで試しに塩素剤弾頭火箭を撃ち込んで無力化した後、襲撃して大砲を奪取した。

 砲兵は親衛偵察隊が臨時で務める。こいつらエルバティア人を除いて数学を修めているので上手。

 都市に砲弾を撃ち込んでも本格的に破壊することは、奪った門数が少なく現実的ではない。突破口を開いて突入占領してから破壊工作を実施するのは時間が掛かり被害も馬鹿にならない。だから工夫する。

 まず狙うのは中小都市ですらないが、しかし鉄道が通る町村。既に動員が始まっていて男手が減り、自警団が武装してうろうろしているところへ砲撃で挨拶してから襲撃する。一発でも砲弾を先に撃ってから戦いを始めると”具合”が良い。

 走行する列車にも大砲が役立った。追撃しても追いつけない場合、走行する線路までの道が無い場合、線路の近くに近寄りがたい量の敵部隊が配置されている場合など、様々。

 破壊工作に力を入れる。停車中の列車の破壊、線路上へ車輪だけ破壊するか横転させての放置、石炭庫への放火、給水槽への穴開け、電信線切断、電信局破壊、局員殺害、偽電信の送信。置き石、枕木抜き、土台崩しなど目視が難しい工作をして脱線事故を誘うと妨害効果が高い。特に被害が大きく復旧に時間が掛かる鉄道橋で事故を起こすように努力。

 襲撃地点の軍民に対し、男と老いた女には目玉抉りと腕潰しを行って不具にし、若い女は将来敵の削減のため皆殺し。この様子は電信局を破壊する前に隣の局へ送信しつつ”ベルリク=カラバザルここにあり”とも宣伝。これらは敵追撃部隊との距離感を考えて簡略化する。

 細かい襲撃と破壊工作はそう何度も繰り返せなかった。工業都市コジュブを通過し、カラミエ西部からエデルト東部へ侵入した今日までの戦果は以下。

 襲撃した町村は六ケ所。

 破壊した機関車は五台。

 要修理状態にした鉄道橋は二本。

 大砲を放棄せずに追撃部隊を撃破出来たのが一回。

 そして大砲を放棄して時限爆弾で工夫して同じく撃破したのも一回。

 大砲放棄の際は工夫した。まずは偵察隊が敵の移動速度と距離を計測して到着時間を導き出す。放棄する大砲の砲身、薬室内と、一部の砲弾内にはその時間に合わせた化学式時限信管と爆薬を設置。

 化学式時限信管は硫酸が隔離壁を溶かして起爆薬に接すると発火する仕組み。火の点いた導火線のような目立つ仕掛けが無いので隠匿が容易。

 その時の敵追撃部隊は、大砲の位置に達すると部隊を分けて追撃担当と回収担当に分かれた。大砲は大変な高級品で早々に作れるものではない。少なくとも兵卒の命より貴い。古くは大砲を放棄して逃げた砲兵には厳罰が下された程。

 そして砲と弾薬が爆発して回収担当が壊滅。追撃担当が背後からの大音響に気を取られた一瞬の隙を突いて親衛偵察隊が狙撃、騎兵隊は反転して襲撃。何れは放棄する心算の鹵獲したエデルト製の小銃で存分に撃ちまくって素早く撃破。馬と物資を奪って生き残りに目玉抉りと腕潰しと自己紹介。

 嫌がらせを続けて恨みを売りつつ、ベルリク=カラバザルがエデルト国内にいると広め、イディル戦死後のアッジャール朝の例を思い起こさせる。この大将首を取れば未来が明るいと教えて誘う。戦力をセレード国境に集結させるべきところを国内へ誘導して動員計画を台無しにしてやる。

 幸せのベルベルくんを捕まえてみろ。


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 カラミエスコ山脈の麓が遠ざかり始める頃、野営休憩中に新米竜跨兵を務めたダーリクが騎兵隊に帰還。空で風に当たり続けて唇が乾いている。脂の塗り忘れか? 乾燥地帯で暮らすなら常識だが、ずっと沿岸育ちだったな。

 安全な山岳部を抜けたら竜跨隊の運用はかなり慎重になる。子供一人の荷重も厭いたいところで除隊処分。

 塩と馬乳入りのお茶をナシュカが鍋で作っているから「お前の母乳入りか」と言ったら「うるせえ糞野郎」と返された。

「おう、お帰りダーリク。何の仕事してた?」

「バッドくんに乗って……乗るだけ」

「バルミスドって隊の一番若い奴だったか。他は?」

「炊事と洗濯、うんこ珈琲集め。あ、これナシュカ」

「糞豆か」

 ナシュカはうんこ珈琲入りの袋を受け取って臭いを確かめる。

「洗って飛びながら乾かしたから大丈夫。まだ炒ってないよ」

「嗅げば分かる」

 ダーリクは跨兵としての訓練を積んできたわけではないので雑用に専念したようだ。まあ当然。こうした下働きを嫌がる素振りが一つも無いのはセリンの教育のおかげ。今度あったら褒めてあげないとな。うーん、忘れるといかんから溜めて書いてある手紙に一筆加えておこうか。

「うんこ珈琲飲んだか?」

「はいえーと、砂糖入れないと美味しくないです」

「まあそんなもんだ」

 ダーリクが鍋からお椀に茶を入れて飲み始める。一気飲み、おかわりでもう一回、三杯目はゆっくり。

「良く働き良く汗を掻けば幾らでも茶が喉を通る。坊ちゃん、良い男ってのはそういうことですよ!」

 親衛隊の一人にそう褒められてダーリクは嬉しそうにした。

「良く寝れたか?」

 こちらは移動中も休憩中も直ぐ行動出来るように基本は馬上で寝た。竜の背中は寝ていられないだろう。

「山での待機時間が結構あったので、何回も」

「高いところ寒かっただろ」

「バッドくんにくっついてましたから」

 クセルヤータ隊の一番若い竜はバルミスド。”くん”呼び出来る仲にはなってたか。よしよし。

 道中奪った生鮮食品、家畜、野菜を優先に鍋料理が出来上がって、見張りと交代で食べ終わって出発。

 馬の上で寝ようかと思い始めた頃にダーリクから質問される。

「父様、人にあそこまで、目をやったりする必要ってあるんですか?」

 いつかは息子に疑問を持たれて”何でそんな残酷なことを?”と聞かれる所業ではある。

「それが実はな、絶対の自信をもってやるべきだとは思ってない。やれる時にやっておくのが良いような気はするんだけどな。まずは恐怖、しかし大集団相手だとどうも効きが悪い気がする。だけれども、その大集団に属する小集団に分離独立を促せる時もある。あいつらの戦いに巻き込まれてそんな目に遭うのはごめんだ、とな。そして恨みを”売る”んだ。これが父様の戦い方の一つだ」

「はい」

「恐れたり恨んだりするとどうなるかっていうと理性が弱る。理性が弱ると合理的判断が出来なくなって、勝てる時でも逃げ出したり、損害に構わず復讐しようって動きをする。絶対じゃないぞ、絶対は無いからな。逃げたら背中を攻撃して大戦果を挙げられるし、場合によってはさっきの属する小集団、これがこちらに寝返ることもある。命知らずに攻撃的になってくれれば、こっちは戦いに有利な防御を取りやすくなる。百回に一回でも増えればいいぐらいに考えている。こう、そうだな、細かい点数稼ぎって言っていいかな。それを色んな方向から、手段を選ばないで稼いでいって最終的な勝利を目指すんだ」

「良いことばかりじゃないですよね?」

「負けた時の報復が苛烈になるな。捕虜は取らないで拷問してから皆殺しとか仕返しにやってくるだろうな。こっちの街が占領された時にも民間人へ八つ当たりしたりする。拷問強姦殺人色々、感情的にはこれは避けたいと思うよな」

「はい」

「帝国連邦は全人民が武装する兵だ。そうなると分かったら占領は受け入れずに徹底抗戦する。こういうことはもう宣伝してあるし、教育済みだ。国民を全て味方につけるってのは無理な話だ。大半を、出来るだけ多く味方につける方法は色々あるが、この恨みを売っての徹底的な対立は有効、だと思う。確信するまで検証してない」

「戦争を終わらせようって時に困る?」

「おう、それは困る。中途半端な停戦休戦なんぞしようってなら話にならない。だから帝国連邦は負ける時は国家の破滅として敗北を違法にしている。撤退、後退は戦術だから違法じゃないぞ。勝利か疲れ切っての戦争中断の状態しか存在しない。今回の対エデルト、ベーアでは相手の人口と産業を削ぐのが目的だ。戦争というよりは間引きだな。勝利は究極的に不可能なベーアの絶滅しかない。どうしてそんな酷いことをすると思う?」

「間引きだから、増えないようにして害獣? 被害を抑える」

「そう。ベーア帝国の総力を今の内に削ぎ落として将来の脅威にならないようにする。復讐心を持てば将来更なる脅威になるかもしれないが、やることに決めた。あちらから攻めて来るか来ないかなんて機嫌と国情次第だ。仮にこっちが長い平和を願ってもあちらがそうではないと思ったら開戦してしまう。これは逆も言える。戦いは主導権握って、自分の都合が良い時に仕掛けると勝ちやすい。今回はそんな都合の良い時が見えた、とは実はちょっと言い難い」

「え?」

「今回を逃したらベーア帝国は完全に帝国連邦じゃ手に負えなくなると見たから、たとえ不利になると思っても仕掛けた。父様の喋ってること、正しいような間違ってるような、何だか分からんような気がするか?」

「うーん」

「父様も分からん。仮にベーア絶滅が出来たとしても、その人口空白地帯が出来たらロシエとフラルが入植してくるだろうから第二のベーアが出来る土台を作るだけになるかもしれない。とにかく問題は解決しても次の問題が出てくるわけで、これを永遠にその場でこれがいいかもしれないと考えながらやれることやるしかないんだな。一人でも多く殺して敵戦力を破壊する。建物、工場、堤防に橋に畑でも何でも破壊して荒野にする。独立したい国は独立させたり革命勢力を増やしてバラバラにする。何でもやるんだ」

「女の人を殺してるのは、総力削ってるってこと?」

「うん。例えば母様は四人産んだな。産む前に殺したら結果的に五人殺すことになる。小数だと経済食糧問題だとかであまり差し引き無いかもしれないが、これが百万千万数えるぐらいになると、そこまでいくと男だけでも影響あるが、生かす理由にはならない。入植して男達に嫁として分配するならともかくな。それは今回やらない。圧倒的な優勢が続けばやる余裕もあるだろうが、ベーア帝国がそんな弱いわけはない」

「えっと、男を生かすのは妨害?」

「そうそう。目も見えない手も使えない男ってのは、余程の色男でもないと価値が無い。かといってそれを慈悲で処刑するのも人情が無い。結果介護の手と食わせる飯が働けない男に回って負担を掛ける。安全な後方地域に送り届けるだけでも手間だ。この手間を多くとって動きが鈍い方が戦争に負けやすい。さて、これが女なら目と手が無くても最低でも子供だけは産めるし、子育ては爺さん婆さんにでも任せていい。肚の方傷つけて不妊にして送るってのもあるんだが、内臓の話だからな、死にやすいし、いい具合に死なないようにっても医療的な判断が必要で手間がかかる。失血死しなくても敗血症とか、まあ面倒だよな。手間をかけていいならやる価値はあるが、今みたいな時間が惜しい時にはやっていられないわけだ」

「それでいいのかなぁ?」

 ダーリクが首を捻る。少年が悩んじゃったな。

「未来の誰かが良い方法見つけてくれるといいな」

「その未来の誰かを先に殺しちゃってない?」

「はっはー! そうだな、そこは欠点だ。どうにかならんもんかな」

 ダーリク=バリド、父様を言い負かしたなこのやろう。


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 カラミエスコ山脈より西に独立した新たな山地が見えてくる。比較的険しくなく、森林が濃いそこはフレッヴェン高地と呼ばれる。そこからどう更に西へ進出するか?

 北迂回路はエデルト=セレード線が通る横断鉄道に並行して進む道になって、常に最も強力な敵戦力と遭遇する可能性が付きまとう。エデルト鉄道網最大の拠点にして物流の心臓部であるファグスラ市に行きつくことから激戦必至。危険を冒せばエデルトの動員計画に大打撃を与えることは可能だが、七千程度の騎兵でやることではない。

 南迂回路はそこから更に南北に道が分かれる。フレッヴェン高地寄りの北経路は鉄道も通っておらず、騎兵機動力が相対的に最大発揮される。欠点は道中、さしたる攻撃目標も無いこと。

 南経路はカラミエスコ山脈から北海に出るザルス川が通り、平行して南の横断鉄道、コジュブ線が走る。攻撃目標は多数あるが、北迂回路と同じく鉄道に並行して進んでしまうと常に敵戦力と遭遇し続けてしまう。仮に鉄道に近づくなら、跨いで通るその一瞬だけにしたいものだ。

 フレッヴェン高地を乗り越える直進路は鈍足になって敵の包囲機動を待ちわびるような形になる。そこからどの方向にも進路修正が出来るので相手の出方次第では肩透かしを食らわせられるが、しかし現代エデルトの動員能力と鉄道機動力を甘く見ないで考えればその”どの方向”にも戦力を配置出来るだろう。これが二十年前の出来事だったら高地入りを選んだかもしれない。

 南迂回路を選択し、その南北どちら寄りを選択するかはクセルヤータ隊の偵察結果から再度判断する。

 フレッヴェン高地よりの北経路には、南よりこちらの進路を塞ぐように騎兵軍が進出中と判明。乗馬歩兵と髑髏騎兵含む軽騎兵と騎馬砲兵のみで機関銃と騎兵砲を装備し、鈍重な歩兵と野戦砲に輜重隊も無しという急行編制で、純粋戦闘要員だけで一万五千騎の規模。完全にこちらの動きを読んだ狙い打ちの編制と機動。場当たり的に周辺の軍から騎兵隊を抽出して急行してきたにしては仕上がっている”におい”がする。

 ザルス川方面は南エデルトの領域。そちらの軍司令といえば先読みのシアドレク獅子公だ。二倍以上の戦力でこちらの作戦能力を喪失させ、逃げるしかない状態に持ち込み、エデルト国内を右往左往している内に包囲を完成、殲滅という理想か? 帝国連邦の総統の首もあると分かれば大損害覚悟でやってくるはず。

 熟練した将帥の育成には何十年という歳月に加えて何万の死体を要する。加えて奇跡の先読みが出来る逸材となれば百年に一人。その首、一軍皆殺し以上の価値がある。こちらもシアドレク公の首は努力目標の内。

 尚、コジュブ線沿いの南経路の鉄道利用率は高く、装甲車両も兵員輸送車両も頻繁に見かける状態。ザルス川でも警戒厳重に河川砲艦が巡回していて近寄り難いと判明し選択肢から外す。北経路、シアドレク公と思われる人物が指揮する騎兵軍との対決に臨む。


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 南迂回路は北経路、右手にフレッヴェン高地が見えるように黒軍騎兵隊は進む。

 暫定シアドレク騎兵軍はこちらに偵察騎兵を飛ばす前から進路を予測して、西へ行くと西、北へ行くと北と追従する。もう一回繰り返しても同じ。

 シアドレク公の指導? 実際に現場で指揮している? こちらから分からない位置に監視所があって電信で連絡? 通りがけに農民、牧民を襲って脅迫拷問、家探しをしてもそれらしい痕跡は無かった。電信局と電信線みたいなものは以前から準備をしていないと隠し通せるものではない。

 ここで一工夫入れる。

「キジズくんには六千七百、ほとんど預けるぞ。このまま西へ高地の麓沿いに進め。敵騎兵軍から離れ過ぎない程度、疲れない程度に引き付けていけ。敵は野戦撃破もやってみたいだろうが、それより高地に追い詰め封じ込めて包囲網を完成させたいと考えている可能性が高い。だからその高地に追い込めないだろうかと敵に悩ましく思わせ続けろ」

「勝てるなら勝っていいですね!」

「いいぞ」

 キジズにほぼ全軍を任せて行程通りに行かせる。ダーリクには「キジズ将軍お兄ちゃんの言うことをちゃんと聞くんだぞ」と言って別れた。

 自分は別動隊を率いてこの場に一時留まる。休まず食わずに動けるような特に頑丈な奴を三百騎選抜し、替え馬も多く連れて別行動を取る。

 まずは襲撃した農民、牧民の目玉を抉る。数が欲しいので今回は女子供も殺さない。そして鞄に上は食べ物、下には爆弾を仕込んで持たせて騎兵軍がいる方角を教えて解放。先導役の目は残しておいた。

 騎兵軍の偵察部隊が足を止めて、散開した仲間を集めながら彼等を救助しようとする。手荷物を改めたところで安全装置が外れて爆発。状況が理解出来ない目無しの者達が騒いで悲鳴を上げて、逃げる先もわからずただうずくまる。

 偵察部隊は集結のラッパを吹いた。この新しい状況に対応するため、その指揮官は一旦部下を集めて――十騎程度――新しい指示を下そうとする。また騎兵軍本隊に伝令を飛ばす。

 彼等は我々には不慣れのようだ。目無しの者達には荷物を捨てるように指示しつつ、距離は取るが守るように配置して周辺警戒。

 部下に狙撃を命令、その偵察部隊を撃たせて立っているものがいなくなってから近づく。生存者を確認してから名乗る。

「帝国連邦総統ベルリク=カラバザルだ! お前等の欲しい首がここにあるぞ」

 恨みが募るほど良く誘える。イディルの前例のように国の頭を取れば帝国崩壊一発勝利の希望が見えてくる。希望の光の下に落とし穴が無いかな?


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 キジズの本隊は西へ進み続ける。地域で編制された民兵を細々撃破し、村を焼いて住民を不具化、大半の井戸や小川に糞尿や土砂に腹を裂いて内臓がこぼれた死体を詰める。数が多いので分散して広域に行えている。

 別動隊三百騎は暫定シアドレク騎兵軍の動きに合わせて距離を取りながら、時々住民を不具にして爆弾を持たせて解放。本隊通過後の井戸は使えるところを使ってから汚染。

 鉄道沿線地域以外は技術導入が遅れていて村落同士で電信を交わし合っているわけでもなく、我々の襲撃に対しては常に驚きで迎えられている。

 明らかに我々が行っている分散行動は罠に見える。無数の目の無い住民を迎え入れながらの暫定シアドレク騎兵軍の対処はただ追跡するだけで……こちらの進軍速度が速いか?

 クセルヤータ隊に敵騎兵軍の全容を改めて把握して貰えば、替え馬はほぼ無し。騎馬砲兵は大幅に遅れている。川がある度に水飲みへ馬が殺到という様子。空からでは食べ物に困っているか、誤って腐った水を飲んで腹を下していないかまでは正確には分からなかったが、落伍兵が出るのも時間の問題に見えたそうだ。

 ハッパを掛けに行かなければならないのか。何て消極的な連中だ。

 夜間に暫定シアドレク騎兵軍の野営地にある焚火の一つに立ち寄る。

「よお、ちょっと火ぃ借りるぞ」

 否も応も聞く前に焚火に向かって、咥えた葉巻を突っ込んで火につけ吸って点火。

「何だおっさん?」

「おっさんとは何だぁ。これでも先の聖戦以来中尉だぞ」

「中尉殿? うん、聖戦以来?」

「おう。ヘマやらかして大尉から降格して、それから別の仕事してたから今日までそのまんまだ……座るぜ」

 焚火の輪に加わる。火に照らされる若者の顔はエデルト人がほとんど。髑髏騎兵服の者もいるが、この集団の一人というよりは遊びに来てる感じだ。

「お前達初陣か?」

「俺は関税同盟の時に出ましたよ。他は、初陣ですね」

「初陣の相手が悪魔大王の精鋭か、騎兵魂が痺れるなぁ。髑髏の兄ちゃんは先陣切るんだろ」

「死んでも勝ちますよ。奴等、絶対許さねぇ」

「ありゃ殺すより酷いよな。世界中でやってやがる」

「何であんなに偏執的なんですかね。やってる連中も頭おかしくならないんでしょうか?」

「おかしくなるよう教育してるんだよ。おかしいのが立派って感じにして、仕上がっちまう。にゃんにゃんねこさんとか見たことあるか? あー、その何言ってんだって顔は知らねぇか」

「おっさん詳しいな」

「伊達に聖戦からあっちこっち行って傭兵だの何だのやりゃ分かるんだよ」

「戦争何回行きました?」

「何回って、ええ? 数えるか。一年以上かかったの入れて十九回かな」

「家帰ってんの?」

「何回だっけ、三回だったかな」

「うわ、何で生きてるんですか。後方?」

「あん、なめるなよ。先頭に出て突撃した回数なんてそれこそ数えられねえよ」

「本当か? 傷いくつだよ」

「それがなぁ。雑魚の銃弾が全然当たらなくてな、この、胸んところを騎士に槍で刺されたのが一回、デカい化け物みてぇなのに足吹っ飛ばされたのが一回。ほら、これ義足だ」

「弾が当たらない?」

「明らかに狙われても外れたり不発だったりするんだよ。俺も不思議なんだよな。それぐらいじゃなきゃ戦争で偉くなれないんだけどな」

「中尉があ?」

「うるせえ」

『あっはっはっは!』

「ところでおっさん、部隊どこだ? 偵察か?」

「ああ? 馬鹿言うんじゃねぇよ。俺が所属する部隊なんてもんはねぇよ」

「地元の案内人? あ、協力者、通訳?」

 服はセレード伝統の服、勲章も階級章も無い。立ち上がって吸い殻を焚火に投げ入れる。

「この顔を覚えておけ。俺がベルリク=カラバザル・グルツァラザツク・レスリャジン、帝国連邦総統だ。この首落として持って行けば二階級でも三階級でも昇進させてくれるぞ。王女様だって嫁にくれるかもな。おすすめは聖女ヴァルキリカだ!」

『あっはっはっは!』

「おいお前等、マジだぞ。性格が最高なんだぞ」

『ひぇっはっはっは!』


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 あの若い連中はどのくらい怒られただろうか?

 翌朝、やっと暫定シアドレク騎兵軍がやる気を出した。散々目を抉られた連中を見て来たくせに今になってやる気を出すとは斑気にも程がある。本気で戦いたいなら暴走などあり得ない。エデルト軍の規律はこんなものか? 誘っておいてなんだが残念だ。戦中での成長に期待しよう。

 夜明けを待ってクセルヤータが暫定シアドレク騎兵軍の全容を把握して報告。キジズ本隊追撃に約六割、こちらに約二割を割いて、戦闘時の疲労は考えているのかという速度で追撃。残り二割は鈍足の騎馬砲兵で置いていかれた。

 我々別動隊を追って来る二割は全て精鋭の髑髏騎兵隊。これを孤立させるようにまずは北側へ移動、フレッヴェン高地の麓まで行く。髑髏騎兵は素直に追従。

 高地への斜面を駆け上って来る髑髏騎兵には、塩素剤弾頭火箭を一発だけ撃ち込んで先頭集団に致命傷を与えつつ足止めをしては後続集団に防毒覆面の着用を強制させる。着用の手間、構造上の息苦しさから人馬共に足が鈍り、更に疲れる。化学攻撃は走行経路が川や地形の起伏、橋で少し狭まるところで使うと丁度良い。

 化学攻撃での足止めを繰り返して連れ回し、時間を経過させ、疲れさせてから髑髏騎兵を振り切る。西へ替え馬を使いながら不眠不休で急行。塩素剤弾頭から推進剤を抜いて時限信管を入れた爆弾を適当に転がして念押しの足止め。


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 本隊は特別な強行軍などしておらず元気が溢れる。

 それを追う暫定シアドレク騎兵軍六割は疲れ切っている。隊列も伸び切る。

 我々別動隊は、その”六割未満”から零れ落ちていく落伍兵を殺しながら追いついた。

 フレッヴェン高地を利用して高速移動したクセルヤータ隊を使い、本隊と連携を取って挟撃完了。

 走って疲れながら冷静を取り戻せばいいのにと思ったが、引っ込みでもつかなくなったのだろうか? 本隊が垂れ流す目玉抉りの者達に勇気付けられでもしたか?

 ここまでくればあまり難しい戦いではない。

 本隊は丘の上に土嚢と人間の盾を使った野戦陣地を整えて”六割未満”を西から小銃と機関銃で迎撃。怒りと疲れで理性を半ば失った敵騎兵は、ここで足を止めたら何もかも無駄になると覚悟した犠牲をかえりみない進み様だった。このように人馬、前に進むしかないと動いて、足を止めるなどという考えを体が否定する状況になってから塩素剤弾頭火箭が発射された。

 防毒覆面は着用が手間だ。ましてや馬につけるのは相当に手間で、嫌がられれば不可能。黄緑の煙が舞い、吸い込むまでそう時間に猶予はない。

 いくら決死の気迫があっても毒に目鼻に喉と肺が侵されれば突撃は止まる。息を止めたところで進める距離はたかが知れる。足が止まったところに後続が突っ込んで衝突、落馬、混乱。這い蹲って咳き込んでのたうち回ってうめき声を上げたところを更に後続が踏み潰してと玉突き連鎖。

 各所に潜伏する親衛偵察隊が、主に北側から各個狙撃で頭数を具体的に減らす。我々別動隊が東側から背後を突いて半包囲射撃開始。塩素瓦斯で全体は見え辛いが、まずは見えるところ、毒に侵されていない者から射殺。

 山からの吹きおろしの風が瓦斯雲を払い、まだ動いている敵を明瞭にする。馬を失っても防毒覆面を被って、人馬の死体を陣地として戦おうとする死兵が見られた。瓦斯雲が流れていった南側へと逃げていく集団もあった。

 本隊が”六割未満”の逃走集団へ向けて追撃部隊を出す。

 親衛偵察隊は死兵の掃討に掛かる。

 我々別動隊はかなり疲れたので、抵抗が消極的になるのを待って休みに入りたかったが、流石に罠に嵌めたとはいえ一万近い騎兵集団の無力化までには時間が掛かった。


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 野戦陣地で休みながら、死兵の掃討を確認。次に追撃部隊の報告を待っていたら”そうかもしれない”と思っていた事がにわかに事実となる。

「シアドレクを生け捕り?」

「本人も、捕らえた周りの部下もそう言ってまして」

 追撃部隊の指揮官から報告を受け、ダーリクの肩揉みも中断。

 ファルブス家のニェスレン公爵シアドレク四世のお顔を拝借。中央同盟戦争の時に負かしたあの顔を思い出して、それが順当に老けて疲れればこんな感じかとは思う。服と階級章、勲章は元帥のものでエデルトが偽物を掴ませる可能性は……正直分からない。受け答えで分かるか?

「大きな流れは見えても、狭い範囲でごちゃごちゃ動くのは分からないようですね」

「今日までの行い、セレードとの外交交渉に著しい悪影響を及ぼすことは分かっているんだろうな」

 非難の目つき、口調。さてどうかな? ちょっと他人行儀というか、怪しい。捕虜になるのもやはり今更という感じもする。

 暫定シアドレクの目に指を突っ込んで抉り出す。反応は、痛くて苦しいが歯を食いしばって声を出すのは耐える、そんな感じ。

「ダーリクもやってみるか?」

「俺の獲物じゃないですから」

「ああそうか」

 抉った目を口に入れて、噛んで、吐き出す。

「不味い。こいつ影武者だな」

「分かるの?」

「本物なら絶対美味い」

 味付けて煮てない目玉など美味いものではそもそもないが、そういうことではない。そう、感情がこもった魂の味がしないのだ。

「ルドゥ、偽シアドレクは皮剥いで旗にしておいてくれ。平にしても元の顔が分かるようにな。服着せたままでやれるか?」

「刺繍に落とすなら時間が掛かるぞ」

 職人にお任せ。

「ダーリク、飯作ってくれないかなぁ」

「何を? その人の肉で?」

「いや普通のでいいんだよ。あ、ナシュカに作り方聞きながらな。あのおっぱい婆さんそろそろ寿命だから聞ける内に聞いといてくれ」

「はい」

 ダーリク、こいつ、どこで人肉食うなんて発想が出るようになったんだ?

 キジズ筆頭、骸騎兵隊を見回す。こいつら何で怨霊みたいな格好してるんだ?

「おい、謝るなら今の内だぞ」

「はい! 昨日、内緒でダーリクくんの靴下と取り替えっこしたのは私です! 童貞はまだです!」

 ファガーラの……姉か。

「水虫になるだろがボケ!」

 とりあえず殴る。

 妹の方が「連帯責任です! 私はケツに!」と四つん這いになって言ったので「解散」と命じる。


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 フレッヴェン高地南麓を通過し、ファグスラ発エグセン行きの縦断線のファグスラ線がゆっくり行っても数日で西に見えてくる位置まで来た。クセルヤータ達から、待ち構えたように鉄道機動戦力が行く手を阻む形で展開していると報告。その軍構成は歩兵騎兵砲兵が良く組み合わさり、気球部隊も備えていて真っ向勝負は危険。

 これこそ本物のシアドレクの先読みか?

 電信線が存在する今、あの男は電信局に詰めているだけで能力を発揮出来るはず。皮を剥いで旗竿につけている偽者はこちらの判断を誤らせるため? こちらが殺したと思い込んだら行動にも影響は出たかもしれない。影武者を犠牲にした心理戦とはエデルトらしくはないが、やらないと言う程でもないか。

 電信線と繋がっていない偽シアドレク騎兵軍の追尾は予見的であった気がする。単純に指揮官の勘が良かっただけ? それとも先々を予言する言葉でも受け取っていたのか?

 現在、落伍者を出し続けていると見られる髑髏騎兵三千が変わらず背後をつけてきている。替え馬ももう無かろうに良く頑張る。

 進路を西から北へ変更。目下、フレッヴェン高地北西の麓を目指す。

 クセルヤータ隊にはバイアルルという名射手がいるので、目を潰す目的で気球を撃ち落とすように命令。

 親衛偵察隊には分遣隊を作らせ、偽装装束を被るような別任務をやらせる。


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 フレッヴェン高地北西の麓まで移動すれば、先の鉄道機動戦力が追従してきていることが判明し、西は相変わらず塞がれている。気球の目を潰したぐらいでは誤魔化されなかったらしい。

 更にエデルト=セレード横断線側から北方に第二の鉄道機動戦力が展開。北が塞がれた。

 おまけにファグスラから南に第三の鉄道機動戦力が展開。北西も塞がれた。

 しつこく追ってきている髑髏騎兵三千も加われば黒軍騎兵隊は南も塞がれてしまう。逃げ道は東側、フレッヴェン高地のみとなる。

 セレードとの戦いも忙しい中でこんな大袈裟なことをすれば鉄道運行計画も破綻しかねないのではないかと思う対応。そんなにもこの首が魅力的か。

 クセルヤータ隊には犠牲覚悟の任務を偵察以外に別に指示。これが無いと次の行動が意味を失う。

 北進を日没前まで続け、暗くなってから反転して南進。馬用の防毒覆面が足りない分は、疲労が強い個体優先で放棄。

 夜間、疲れに疲れ切った髑髏騎兵へ接敵。彼等は疲労と速度が劣る追撃機動の中で防毒覆面を常時装着してなどおれず、そこへ我々は化学戦装備に切り替えてから奇襲的に塩素剤弾頭火箭を撃ち込んだ。致命傷を与えつつ弱体化し正面から無言で突撃。毒で苦しんで転がり回る。遊牧騎兵の宿敵のはずだった髑髏印の彼等に静かに矢掛け。接近して槍と刀で切り捨てながら踏み潰して通り抜け、そのまま移動を続ける。掃討、追撃せず。

 あの髑髏騎兵は鉄道機動戦力が蓋をしている限りは疲労からの鈍足、数的に黒軍騎兵の半分以下でも脅威だったがこうすればただの訓練用の案山子。底の抜けた鍋は用をなさなくなった。


■■■


 クセルヤータから報告。飛行が辛くなってきた老齢巨体のシャーシールがファグスラ線で、北から南に移動する列車へ飛び蹴りを入れ、複線反対側に被るよう脱線させる。だが接近時に銃撃を受けて飛行不能の重傷を負い、とどめを刺して戦死。これで蓋の半分を一時無くした。

「惜しい奴を亡くしたな」

「翼が痛い、背中が痛い、腹が減った、小便が中々出ないと喚いていた爺様だったから気にしなくていいですよ。女なら惜しかったですが、男のチンポが一本減ったぐらいで同族の数は変わりません」

 竜一人の損失は百騎の死より大きい。この結果なら騎兵の中から爆弾を設置する班を出せば良かったかと後から無駄に迷う。線路まで騎兵を派遣するのは、この企みの最中だと時間が掛かり過ぎて鉄道機動戦力が通過してしまうと思ったことと、シアドレクの予見で待ち伏せされる可能性があったというのが自分への言い訳だ。待ち伏せなら竜も同じだが、空からの夜襲なら成功すると思って……成功はしたが。


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 ファグスラからの鉄道機動を阻止しつつ南進を続けた。偽シアドレク騎兵軍残党による非組織的な妨害は簡単に阻止出来た。恨みの深さ以外は全て勝るこちらに何も出来ない。

 南からバルミスドが飛来し「南側の線路爆破、電信線切断に成功。爆破地点に到着した列車から騎兵優先で軍が下車展開中。騎兵のみで先行北上させてもここまで二日の距離」と報告。蓋がこれで一時消滅。脱線と爆破による工作区間内が一時、鉄道機動不能となる。人と兵器の乗降時間を含めれば通常軍より鈍足な奴等に追いつかれはしない。

 南北の安全を確認出来たら、鉄道が復旧する前に一気に西進。信号火箭を確認し、線路を跨いだ向こう側で親衛偵察隊の分遣隊と合流する。偽装装束で最初は草が歩いているように見えた。

「被害は」

「無い」

 仕事を完遂したルドゥが、暇な時間を利用して軍服を刺繍に落として見栄えを整えた偽シアドレク旗まで披露してくれた。ちゃんと皮と布が合わさった一枚の仕上がり。黒旗の中に加える。ダーリクに持たせようと思ったが、旗をずっと担ぐのは体力勝負なのでやめた。

 鉄道の横断は、敵中大河を一つ渡った気分になる。

 エデルト国内をうろついただけで鉄道運行計画を相当な規模で崩せたと思う。我々を追い回すだけのためにどれだけ途中で本来運ぶべき物品を降ろし、兵隊を積んで無駄足踏ませたか分かったものではない。歩けば良かったのに、列車が来ると思って待ち続けて時間を無駄にした部隊もさぞ多いだろう。その間に物を食べて水を飲んで糞を垂らしてと大忙しだったに違いない。

 フレッヴェン高地周辺の戦いに勝利。セレードへの貢献だけを考えればこれで逃げに徹してもシルヴに怒られない。褒められていい子いい子して貰うにはまだまだ。


■■■


 次の難所はリーレル川。ハリキンサク山脈から内陸側を長く通ってから北海に注ぐ。エデルト領とカラミエ領の伝統的境界線。

 水上には河川砲艦や貨物船が見られ、煙突から煤煙を吐いている。外洋船も海から直接遡上している。この現代エデルトでは平時から川で賊対策などしていないだろうから我々への警戒行動である。きっと電信が無かったら対応に間に合っておらず、こんな障害はあり得なかったに違いない。鉄道電信、防衛戦争に能く貢献する。

 リーレル川はエデルトで一番利用されている川だろう。船の往来の規模から調べなくても川の浚渫もし切って、中洲はあっても歩ける浅瀬は無さそうだ。

 先程ファグスラ線に仕掛けたようなことを実現する。負傷、疲労で能力が落ちた人馬を選出して南北三百騎ずつ派遣し、水上にいる複数の河川砲艦に対して陽動作戦を実行させる。渡河予定地点より上流下流両地点で戦闘に限らず騒動を起こし、警戒中の砲艦を集めて中間流域に空白地帯を作ってから渡る。

 砲艦は帆も無い蒸気装甲艦仕様で、大砲でも無ければ撃破困難。空気の取り入れ口はあるだろうが塩素瓦斯もどこまで通用するか怪しい。焼夷弾頭を命中させてもただの木造船のように焼けてはくれないだろう。

 やれるのなら接舷切り込みからの拿捕までやって貰いたいが、相応の船の用意が難しいので消極的努力目標。川沿いの村から小船を奪い、次に大きめの貨物船を奪い、それから砲艦へ味方を装って接舷という段取りになるか。それを「やってやる!」と息巻いてくれる者ばかり。頼もしい。死なすに惜しいし、格好つけて死なせてやりたい。

 その六百騎は陽動作戦で限界まで引き付けてから現地解散とする。後は各自自活し、独自判断で暴れ回る。ただひたすら逃げてもいい。

「楽しく死んでくれ。生き残ってもいいぞ」

『ホゥファーウォー!』

『ギィイギャー!』

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