第403話・第十章までの主要人物、国家

*ネタバレを含みます。いきなり読まない方がよろしいでしょう。

*作中では語られていない設定も少し含まれています。第十章終了時点までのことなので、疑問なところがあれば疑問のままにしておきましょう。

*第九章までの主要人物、国家紹介で説明した箇所の一部は省略します。


〇20年目・秋

 01話:蒼天党の乱 ~ 03話:今後の方針

●21年目・冬

 04話:事変 ~ 05話:人狼

〇21年目・春

 06話:東方 ~ 09話:切り札を切って来た

〇21年目・夏

 10話:影 ~ 16話:隙間を縫う

〇21年目・秋

 16話:隙間を縫う ~ 17話:聖皇聖下の行幸

●22年目・冬

 17話:聖皇聖下の行幸 ~ 22話:ゼーベ分遣軍へ先制攻撃

〇22年目・春

 23話:ファイルヴァイン攻略

〇22年目・夏

 24話:機動防御中だが ~ 26話:国王ならず

〇22年目・秋

 27話:問題だらけ


●魔神代理領

 中核中央は政治不安を抱え、西側ハザーサイール帝国は魔王軍と対峙しながらアレオン復興事業を行い、東側ジャーヴァル帝国は国内分裂危機を迎え、北側帝国連邦は独自路線を走る。全体的に経済不安を抱えるも、流血が外縁部で留まっている限り軍事戦略面では成功を収めている。

▲帝国連邦

 北大陸極東部を越えて新大陸北西部にまで領土が拡張。ランマルカ革命政府より提示された三国協商を四国協商へと拡張しようと目論む。

*リョルト海峡

 北大陸極東部と新大陸北西部間の海域。名称は氷路横断に成功したフレク王”小”リョルトに因む。海底電信線敷設計画がある。

*新大陸北西部領

 北極系現地少数民族が住まう未開発地域。


〇ベルリク=カラバザル・グルツァラザツク・レスリャジン

 男:セレード人

 総統、ウルンダル王、国外軍元帥

 主人公。悪魔大王の他、龍朝天政から蒼天王とされつつ後レン朝からは”半万歳”号をされる明星大王とし天政秩序内に組み込まれるなど肩書が複雑になっている。この度のベーア戦争にてヴァルキリカに左足を膝下から削り取られる。重傷はこれで生涯三度目。


○ベルリク=マハーリール・グルツァラザツク・レスリャジン

 男:セレード人

 ベルリクの第四子次男。正統聖王後継者とされる。父”大”ベルリクを暗殺しようとして失敗する。


〇アクファル

 女:レスリャジン人

 総統秘書、親衛千人隊隊長代理

 占術やソルヒンへのお仕置きによりベルリクの精神安定に寄与。サニツァの破壊に失敗。ものまねも得意、マジでぇ。


○クロストナ・フェンベル=グルツァラザツク

 女:エグセン人

 内務省長官

 通名ジルマリア。得意の残酷エグセン戦時占領統治策により三百万民兵突撃計画を実行し、華の都カラドス=ファイルヴァインを猖獗の立ち入り禁止都市へと変貌させた。ついたあだ名が疫病女王。


〇ユルグス

 男:レスリャジン人

 イスタメル傭兵隊長付き士官

 カイウルクの長男。直接戦闘にはほぼ参加していないがベーア戦争で軍務を精勤。父カイウルクはイスタメル州ナヴァレド城主の後釜と考えているが無理筋。

*イスタメル傭兵隊

 最前線で戦うことはなく民兵の督戦が一番危険な任務だった。軽装備で戦闘能力はそれ程高くなく、後方任務で活躍した。


○ルサレヤ

 女:古スライフィール人:魔族・ゴルゴド

 魔法長官、秘書局局長、総統代理

 四国協商の実務協議に参加。結成準備は整い、あとは指導者達の決断のみである。


〇ナレザギー

 男:メルカプール人

 財務長官、持ち会社組織の長

 残酷エグセン戦時占領統治策時に不名誉共同体とされた者達から人身財産を没収して売り捌いて反乱を抑止。

*フルース

 第一子長男。元気な暴れん坊。

 @度々名前を間違えては修正していますが「フルース」が正しく「ナティドゥル」は誤りです。


〇ガユニ

 女:サスカチュル人

 ナレザギーの奥さん。フルースと一緒にマハーリールの面倒も見てくれる。親善訪問時にアッジャール朝の王室情報を取得してくるなど貴婦人らしい活躍もする。

 @度々名前を間違えては修正していますが「ガユニ」が正しく「シュリ」は誤りです。


〇ラシージ

 マトラ妖精

 国外軍大将、副司令

 マウズ川流域の機動戦では主力を率いて良くベルリクと連携し敵軍を翻弄。戦後、国内外の問題をベルリクに提示、問答して国外軍の次期活動方針を大筋決定。

*ストレム

 国外軍中将、砲兵司令。今回は活躍の場面無し。


○ルドゥ

 男:マトラ妖精

 親衛偵察隊隊長

 職務に実直だがサニツァは苦手で対処不能。


〇ゼクラグ

 男:マトラ妖精

 軍務長官

 ともすれば財政破綻、組織崩壊まで暴走しかねない帝国連邦軍の手綱を握る。珍しくサニツァを褒め、大変喜ばせた。


〇ナルクス

 男:マトラ妖精

 国外軍少将、親衛突撃隊長

 ゼーベ分遣軍へ突撃を敢行して敗走させる。手洗い指導が丁寧。


○ジュレンカ

 女:リャジニ妖精

 第二教導団司令

 成績不良な外トンフォ方面軍の再教育など忙しい中、女帝ソルヒンの面倒も見ないといけないので暇が無い。アクファルに面の皮を半ば剥される。


○ナシュカ

 女:アウル妖精

 総統の料理番

 食べ物の世話から糞の検分までベルリクの体調管理に余念が無い。


○サニツァ・ブットイマルス

 女:イスタメル人

 特命作業員

 総統閣下をお守りしつつヴァルキリカの人間としての寿命を終わらせた。二十年以上も絶え間無く続けて来た激しい戦いと労働によって鍛え上げられた鶴嘴の一撃を見切れる者はいない。遂にベルリクと初対面。

*サニャーキの専門家

 シクルの流れをくむ情報員の一人。ベルリクの左足は必要な犠牲と現場判断。


○シレンサル

 男:アッジャール人

 ウルンダル世襲宰相

 ウルンダル王国を親衛国とし、ベルリク個人崇拝を推し進めようとしている。


○クトゥルナム

 男:ケリュン人

 極東方面軍司令、極東軍区司令、ウレンベレ特別市市長

 軍事演習の結果、担当の外トンフォ軍集団は成績不良で再訓練を言い渡されて情けなさや悔しさから半泣き。子供がいない出来ないチンポ。

*キアルマイ

 クトゥルナムの妻。不妊症の可能性がある。


〇ハイバル

 男:ランダン人

 ハイバル王

 ベルリクの計らいでムカつくクトゥルナムと人取り合戦と徒手格闘で対決して敗北。不仲の解消とはならないが一応の決着に至る。子供が二十八人いる出来るチンポ。


〇ニリシュ

 男:チャグル人

 国外軍中将

 ハザーサイール作戦撤収作業のまとめ、引継ぎを行った。話の分かる奴。


〇キジズ

 男:アッジャール人

 国外軍少将、骸騎兵隊長

 各種騎兵作戦で恐怖をばら撒き大量殺戮を実施。リュハンナにかわいい干し首飾りをプレゼント。

*ファガーラ姉妹

 プラヌール族出身の一卵性双生児。変態で気違いで強い。上げる叫び声は人馬を混乱させる。サニツァを”姐さん”と尊敬する。


○アルヴィカ・リルツォグト

 女:エグセン人

 正統聖王親衛隊隊長

 フィルエリカの長女。グランデン大公から遣わされた特使として帝国連邦国外軍を関税同盟戦争から始まるベーア戦争に引き込んだ。ファイルヴァインの惨状からベルリクを本気で好きになった様子。

*正統聖王親衛隊

 現在の警護対象は聖王カラドスの正統後継者ベルリク=マハーリール。また神聖教会圏における情報網を帝国連邦に提供する。


○ヨラン・リルツォグト

 男:エグセン人

 リルツォグト家当主

 フィルエリカの長男。次期正統聖王親衛隊隊長。訓練された子供で態度が小癪。妖艶な美少年。


〇ミクシリア・パンタグリュエル

 女:エグセン人

 正統聖王親衛隊

 ヨランとは腹違いの妹。訓練された子供で、単純で愚かで愛嬌がある。正統後継者ベルリク=マハーリールの身辺警護を担当する大きいお姉ちゃん。


●後レン朝天政

 帝国連邦の事実上の属国。ライリャン川河口部のジューヤンに北鎮府を、サイシン半島付け根のコチュウに南鎮府を設置してまとまりが無かった軍部を整理して国内統制を強めた。国家標語は”天下光復興人滅蛇”。


〇レン・ソルヒン

 女:文明人

 天子

 小指を切断して送る程に懸想して”大兄”ベルリクに結婚を迫って困らせ、アクファルに反省を促される。レン家の激情を受け継ぎ、何時破裂するか分からない政治的時限爆弾と化している。


〇リュ・ドルホン

 男:文明人

 光復大臣

 帝国連邦に属する立場を外交面にて複雑に、相互の面子を立てるように調整が出来る現実的な政治家。軍事、経済対策も出来る限りのことを成している中、一番の懸案事項が天子ソルヒンの精神不安。息子とソルヒンが結婚すればこの悩みは無かったかもしれない。


●マインベルト王国

 首都リューンベル。ファイルヴァイン包囲事件を起こした前王の影響が作用し、関税同盟戦争の流れの中から外交的に孤立、カメルスや南ククラナを失陥して弱ったところで唯一の友邦であった帝国連邦に保護され、事実上の属国と化す。未回収のベーア筆頭地域であり新生ベーア帝国の第一軍事目標となっている。

*メイメン川

 マインベルト中枢を流れる。かつてはこの川沿いにセレード族が侵入し略奪を行った。

*ラズバイト公国

 併合したマインベルト旧属領。聖面ではブランダマウズ大司教領の管轄。三百万民兵突撃計画では中部エグセン人に目立って恨まれる督戦隊の立場だった。

*ルッハナウ自由都市

 併合したマインベルト旧属領。聖面ではバンツェン大司教領の管轄。

*ビェーレルバウ自由都市

 併合したマインベルト旧属領。聖面ではバンツェン大司教領の管轄。マインベルト本領と帝国連邦を繋ぐ鉄道が走り、交通の要衝。

*バンツェン大司教領

 俗面は併合される予定。高度な聖俗二重行政策が求められており交渉中。


〇ヨフ=ドロス・サバベルフ

 男:エグセン人

 マインベルト王

 カメルス伯国を見捨て、南ククラナを放棄してセレード王国との直接対決を回避。また関税同盟戦争から始まるベーア戦争に巻き込まれることも回避。損失を最小限に抑制したが名誉は無い。


●ランマルカ革命政府

 ユバール内戦での勝利と統一、惑星横断戦略の好調、三国協商案から拡張された四国協商案の検討、全自動社会主義への展望など朗報がある一方で、労農一揆アマナの完全敗北やクストラ連邦における南北内戦長期化など悲報もあり順風ではない。


○スカップ

 男:ランマルカ妖精

 大陸宣教師

 北海沿岸から神聖教会圏担当。帝国連邦とアッジャール朝にランマルカと合わせた三国協商を提案し、四国協商への道を開いた。飴さんを食わされても表情一つ変えない。


〇アドワル

 男:ランマルカ妖精

 大陸宣教師

 北大陸極東担当。帝国連邦へ情報提供や協力の働きかけを行っている。


〇ジェルダナ・ウランザミル・コジロマノ

 女:オルフ人

 大陸宣教師

 ユバール担当であったが外れ、現在はオルフにて公然と活動中。


●アッジャール朝オルフ王国

 四国協商の提案により再度国内分断の可能性が訪れている。鉄道貿易と海洋貿易を司る二大派閥に加え、王室でも子無しのウラリカ妃と子有りのシトゲネ妃で分かれるというオルフ伝統の内部分裂が見られる。


○ゼオルギ=イスハシル

 男:アッジャール人

 アッジャール朝オルフ王

 ベルリクの”尻尾論”からエデルトへの不信を強め、独自判断で帝国連邦との防衛条約を結び、また仇敵ジェルダナを生かしたまま客として迎えるなど母后と大宰相による摂政政治を終わらせようという意気込みを見せる。


○マフダール

 男:アッジャール人

 大宰相

 亡父オダルを継ぐ。ゼオルギ王の成長を見守り、判断を尊重。ベルリクによる王への判断力を鈍らせるような誘惑行為には警戒している。


●ベーア帝国

 エデルト王国の東ユバール撤退と関税同盟戦争から始まる一連の騒動に乗じて行われたエグセン奇襲攻撃の結果創立された凡そ人口一億に迫る帝国。ベーア民族主義に基づき、未回収のベーアと呼ばれる地域の奪還を目指す。

*エデルト王領

 ベーア帝国の中核。南北エデルト、ハリキ、南北カラミエ、ザーン、アソリウス、ブエルボル、ズィーヴァレントで構成。王国宰相がそのまま行政長官を務める。

*エグセン諸邦領

 南エデルト、南カラミエ、ナスランデン、マインベルト、バルリーを除くエグセン地方領邦で構成。グランデン大公がエグセン宰相として行政長官を務める。

*ナスランデン共和国

 旧ナスランデン王国を解体した後に再構成された貴族共和国。ロシエの影響圏内でもある。議会選出の大統領が行政長官を務める。

*未回収のベーア

 マインベルト、バルリー、バルマン、ランマルカが地理的に該当。クストラは民族的に該当し、ユバールは関心対象。


○ヴィルキレク・アルギヴェン

 男:エデルト人

 ベーア皇帝、エデルト王、セレード王

 父王の退位、軍制改革、ユバール撤退と、ベーア民族主義の流行に乗ることへ成功して見事、史上初の聖なる帝冠を頂き一大帝国の君主となる。

*ハンナレカ

 ベーア皇妃。バルマン王の娘。直属の髑髏騎兵隊を率いて戦地で外交活動を行うなど精力的。声も身体も大きい。

*黒人奴隷

 先の聖戦以来付き添ってきたお気に入りのムピア人。エーレングレツァの戦いで重傷を負い、戴冠式典での抜刀先導を最後に現役引退。


〇ヤズ・オルタヴァニハ

 男:カラミエ人

 カラミエ公子

 髑髏騎兵としての勇名高く、ナクスィキル公女との婚姻から将来の南北統一カラミエ大公国の象徴となる人物で人気も高い。国外軍に味合わされた惨劇から救済同盟のような慈善団体に理解がある。

*ナクスィキル公国

 旧称ナイキール公国。南カラミエ一の領邦。東部で虐殺被害を受ける。

*ナクスィトロナ伯国

 旧称ナイガウ方伯。グランデン臣下から抜ける。エグセン系住民とカラミエ系住民の民族対立が虐殺事件を契機に激化。


〇ヤヌシュフ・ベラスコイ

 男:セレード人

 アソリウス島嶼伯

 義母シルヴの要請に応えて関税同盟戦争に参加し、後にエグセン奇襲からのベーア戦争にも参加。一応はエデルト王臣下だがエデルト野郎に嫌がらせをすることを忘れていない。


〇アースレイル

 女:エデルト人・真の人狼

 巫女頭

 偽称ゲルリース。極光修羅信仰の第一人者で人狼戦術にも精通。真の人狼普及に乗じて信者を多数獲得。強い男に弱い。


〇エグバート・コッフブリンデ

 男:エグセン人

 グランデン大公、エグセン宰相

 関税同盟の結成から神聖教会支配を脱しようとするもエデルトに屈服させられる。国外軍を引き込んでファイルヴァインを壊滅させるまでの抵抗し無条件降伏を回避した。

*マテウス・ゼイヒェル

 元ストレンツ司教。セデロの”論題”から始まる聖皇庁批判を展開、新たな教圏の誕生を目論むも敗戦で失敗。人柱的に罷免される。


〇シュチェプ・パシェル

 男:バルリー人

 バルリー大公

 聖王親衛隊により誘拐され、国外軍を傭兵として雇用する際の材料として引き渡された。死ぬまで妖精達に見世物として扱われることになった悪いバルリー人。


○マリシア=ヤーナ・カラドス=ケスカリイェン

 女:ロシエ人

 農場主

 元第二聖王、元メイレンベル女大公。ベーア戦争の和平条約により、名誉は守られつつ一般人とほぼ変わらない立場に落とされる。ワイン醸造に専念出来るようになった。


〇ロドヴィル・パンタブルム

 男:エグセン人

 ナスランデン共和国議会議長

 ロシエに亡命していたパンタブルム本家当主。ナスランデン内戦を生き残り、ロシエの影響力を借りて初代議長となる。共和国大統領は別に選出されるので最高権力者ではない。


▲セレード王国

 王都ウガンラツ。ドラグレクに続きヴィルキレクが国王となり引き続きアルギヴェン王朝である。そしてベーア帝国傘下ではない。

*ククラナ公国

 自治権拡大の流行に乗りアルノ、セウタ両伯国を統合して結成される。後にカメルス、南ククラナも組み込んで拡大。


〇シルヴ・ベラスコイ

 女:セレード人:魔族・シェンヴィク

 ブリュタヴァ公爵、ヴヴァウェク氏族長、セレード大頭領

 通称”お袋”。エデルトに依らず関税同盟加入やカメルス、南ククラナ領を奪取するなど積極的な独自行動が目立つ。


〇マルリカ・ユーグストル

 女:アソリウス人

 医療助祭

 シルヴお付きの軍医。救済同盟の目玉となる医療活動の中核となる。


〇ザンバレイ

 男:セレード人

 第一予備師団長

 ベルリク呼称”三バカ砲兵”の一人。ヴヴァウェク氏族出身の火傷面。救済同盟に理解を示す。


〇ワレクスディ・レフチェクコ

 男:カラミエ人

 第一予備師団右翼旅団第二騎兵連隊先任大隊長

 エデルトの軍大学校では軍法を主に学び、人事交流を兼ねて通訳官としてセレード軍へ配属された髑髏騎兵。ナクスィキルの戦いにて戦死。片眼鏡を愛用。


〇サリシュフ・グルツァラザツク

 男:セレード人

 救済同盟頭領、予備軍名誉大佐、イューフェ=シェルコツェークヴァル男爵

 副主人公。ベルリクの腹違いの弟。聖神教信者。士官候補生として蒼天党の乱鎮圧から始まり、ベーア戦争の終わりまで複数の戦場を経験。惨状を目の当たりにし、セレードにおける傷痍軍人への扱いの酷さから人道主義に目覚めて救済同盟を結成する。また権力者などの影を利用することを覚え、政治力も身に着ける。

*救済同盟

 傷痍軍人を筆頭に障害を負った”役立たず”を救うための人道主義団体でセレードの伝統に反するような存在。救済対象者を騎兵隊を用いて能動的に発見回収し、衣食住を提供しつつ再就職先を紹介するだけではなく障害治療も行う。


○ソルノク・グルツァラザツク

 男:セレード人

 ご隠居

 息子のサリシュフの要望に応えて爵位を譲るなど、その活動を妨げることはしない。老いが顕著。

*リュクリルヴ

 後妻。聖神教信者。息子のサリシュフが大胆な行動に出ているのでとにかく心配。


〇バシンカル

 男:セレード人

 セレード団亡命組代表

 レスリャジン氏族出身。イューフェ屋敷の御庭番。古くはベルリクの兄貴分で崇拝者。粗暴で実戦経験が豊富。ゼーベ分遣軍防御陣地への突撃中に戦死。


〇アンドリク・ヘーツェルヤーン

 男:セレード人

 従軍助祭

 イューフェの神聖教会の聖職者で父は司祭。サリシュフの兄貴分に当たる。正しい教義を学び、同胞になめられない戦果を上げようと夢見る途上で捕虜になり、サニツァの手により肉団子鍋となった。


〇ルバダイ

 第一予備師団右翼旅団第二騎兵連隊二一二中隊長

 ポロヅェグ氏族出身。読み書きの出来る者を文弱と謗る伝統的セレード遊牧系貴族。後先考えないからこその勇猛さを持つ。サリシュフを守るためにファガーラ姉妹の怒りの対象となり、にゃんにゃんねこさんへの手術を施される。セレード団結成後の慈悲の一撃はサリシュフが下した。


〇ミイカ

 男:ハリキ人

 救済同盟員

 エーミ=ハリカイ氏族出身。サリシュフの可愛い副官。ゼーベ分遣軍防御陣地への突撃中、足に重傷を負い障害が出る。帰郷後は障害を理由に一族より追放。後にサリシュフの紹介で治療が行われて障害を克服する。


〇エンチェシュ=バムカ・アーショーン

 男:セレード人

 蒼天党頭領、マシュヴァトク伯爵

 クンベルサリ氏族出身。過激派とされるが真実は冬の風に消えた。ミイカに狙撃され、拝天殿より落下して死亡。

*セラクタイ

 バルハギン統に連なる遊牧良家の出身。慈善家で有名。救済同盟に協力する。


●聖皇領

 公会議により天使と角馬や翼馬を教義で認め、魔族同等の竜騎士や、狼頭の獣人に類似して相容れないような真の人狼まで採用し教会の異形化を推進。統一フラル軍の再編とは別方向で軍事力を増強中。本来の人間原理の教義から逸脱した行為が目立つ。

*祭日等

 第一フィエラ月初、年初日。

 第三ルタ月初、初夏。鎮魂祭。

 第六リュウモン月初、初秋。創設祭。

 第七レミナス月末。収穫祭。

 第九アデロ月初、初冬。越冬祭。

 第十エイカフ月十二日。白竜日。

 第十二アンベル月初、初春。開闢祭。

 同月末、年末日。

*エグセン三大司教領

 エグセン地方の聖面において、西部はラスロク、中部はブランダマウズ、東部はバンツェンが統括。住民戸籍や財産記録などを管理して余人には理解困難な聖俗二重行政を司っている。

*レイヒェホン修道共和国

 アンザルマウズ地方にある諸修道院自治を統括する政府。中心は創立者の名を冠する聖フィエラ修道院。フラル化前のグラメリス人が小数民族として居住。


〇ジョアンリ・オスカーニ

 男:フラル人

 聖皇

 レミナス八世。行幸戦略と四種レガリアの返還、第三聖王をロシエ皇太子とするなどして一度は袂を分かったロシエと和解。教会の異形化を龍朝天政の神秘技術を輸入して推進する革新的人物。この度のベーア皇帝戴冠式は聖皇の名の下に行われたので権威的には聖皇が上位。


○ヴァルキリカ・アルギヴェン

 女:エデルト人・真の人狼(大)

 第十六聖女、聖戦軍指揮官

 エデルト・フラル接続の縦断計画と真の人狼増産計画の中心。マウズ川流域での戦いにてベルリクの戦場暗殺を試みるもサニツァに返り討ちにされて一時死亡。そして真の人狼化技術により黄金の大人狼として復活。当然のように聖女職を続ける。現在の身長は四メートル強。


○リュハンナ=マリスラ

 女:セレード人

 ベルリクの第三子次女、ヴァルキリカの養女。戦地へ密行するぐらいには行動的で、異形を手懐けるぐらいに魅力的。修道誓願等はしていない。


〇イヨフェネ

 女:フラル人

 聖女名代を務める有能な官僚系修道女。ダメダメを連呼する癖があって小やかましい。ジルマリアとは元同僚の同期。


〇チタク・ダスティオ・ブレーメラ

 男:エスナル人

 エンブリオ枢機卿

 神聖教会における異形推進派。聖将エンブリオの不朽体を使った竜騎士の増産とお飾り儀仗隊の段階的廃止に同時着手、無理なく予算を確保。


○セデロ

 男:フラル人

 ウステアイデン枢機卿

 公会議においては幻想生物を教義において認めず、それに沿った”論題”を発表して神聖教会主流派に逆らうような素振りを見せるもただの一神学者としての意見表明に終わり、異端への派生に至らなかった。


▲聖都巡礼守護結社

 俗称聖都騎士団。正規軍を容易に動かせない制限的な関税同盟戦争初期から参加。内戦で荒廃したナスランデン地方に”街道村”を設置し、戦後は支部も置いた共和国議会の議席も獲得する。

*街道村

 エデルトとガートルゲン地方を繋げる安全な街道の設置という作戦から始まり、内戦により国内難民が集まり自然発生した共同体。聖都騎士団の現地支持母体となる。

*穢れ無き聖パドリス記念騎士団

 略称パドリス騎士団。組織的には名ばかりで弱小で聖都巡礼守護結社の下部組織と化している。ナスランデン共和国に本部を設置し共和国議会の議席を獲得。


〇ヤネス・ツェネンベルク

 男:エグセン人・竜騎士・真の人狼

 人犬隊長

 副主人公。人間を二度辞めた男、リュハンナの保護者。ナスランデンにおける人狼作戦に参加して精神が獣に近づくような悪環境においても信仰の道を失わなかった強靭な精神の持ち主。リュハンナから口輪を授けられ、怖ろしい狼だけではない忠義の慣らされた犬に覚醒し、人犬教育方法も確立。真の人狼の特性を生かした人狼戦術も開発する。

*ゲルリース

 サニツァに潰された隻眼が目立つ角馬。天然自然の幻想生物である。彼女を元に量産型の角馬が生産されている。翼馬などもその発展型で、ある種神聖教会における異形の母。


●ロシエ帝国

 ナスランデン内戦に介入し、傀儡政権を作ることには失敗したが大きな影響力を残した。聖皇からロシエ王冠、ユバール王笏、アレオン王剣、宝珠エブルタリジズを返還され融和の兆しも見えた。兼ねてから自称であって聖王号も正式に与えられ、皇室権威は上向き。


〇マリュエンス・カラドス

 男:ロシエ人

 ロシエ皇太子、第三聖王

 お引越しマルくん。ロシエ皇帝ルジューが不能で世継ぎが望めないためにカラドス皇家の養子となる。亡き皇弟アシェル=レレラと第二聖王マリシア=ヤーナの息子であり血筋は問題無く、分家としてのケスカリイェン姓の抹消は第二聖王破門時に結婚無効になったからなどなど適当な理由付けで行われて経歴は洗浄済み。そして第三聖王位をグランデン大公派へ配慮して彼に与えられて八方丸く収まった。


○ハウラ・リルツォグト=ロシュロウ

 女:エグセン人

 合議聖王親衛隊隊長

 フィルエリカの三女。マリシア=ヤーナの腹違いの妹の可能性がある。ロシュロウ夫人という呼び名で通りが良い。ロシエを中心に上流社会へ顔が利く。マリシア=ヤーナの保護は親衛隊というよりリルツォグト家としての友情の証。

*合議聖王親衛隊

 現在の警護対象は血縁に関係無く合議で選出されたマリュエンス・カラドス。

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