第374話「会議の同時並行」 ヤネス
聖オトマク寺院の議場にて、赤の”遍く広がる聖なる種”が刻まれた壁を背に、中央の椅子に紫衣の聖皇聖下が座り、お付きに兄弟の少年が控える。
向かって右の椅子に、高さが合わず脚をやや伸ばして座るのは白衣の巨人、聖女猊下が座り、お付きに姉妹の少女が控える。椅子の背もたれには”白百合”が刻まれているが身体に隠れる。
向かって左の椅子は形式的に聖王の席とされるが悪戯目的以外で誰も座ったことがない。背もたれに刻まれた”黒城塞”が見えている。
そしてこの議場両脇の席を占めるのが赤い法衣の枢機卿達。一番若いエンブリオ枢機卿が左側、聖王の席に一番近いところへ座り、一番新しい枢機卿座に着任した低地――マトラなどとは付けない――枢機卿が右側、一番入り口手前に座る。
正面、向かい合わせの両翼席に囲まれる空間へ、我が愛馬の手綱を引いて歩み出る。蹄が石の床を高く鳴らす。
高い肩、太い骨、隆々の肉、潰れた片目を筆頭に歴戦無数の古傷もさることながら頭から伸びる角が目を引く。彼女は度胸があり、従順で賢く、無数の目が集中しても動じることはない。出して恥じるところの無い超重量種の牝馬。公会議でのお披露目だ。
「各卿、この幻想生物たる角馬。これが人間同等か、妖精同等か、家畜同等か、野獣同等か、冷血同等かまずは決めて貰いたい」
聖皇が呼びかける。そして両翼、投票箱を持った職員が一人ずつ回って記名票を回収する準備を整えた。
聖なる神の教えでは生物を大きく五つに分類する。霊長たる人間か、それに準じる人型か、畜産の可能なまたは不可能な動物か、虫や魚などのそれ以外か。定型的に決める際は投票で決まる。
「その角馬は言葉を喋ることが出来ますか?」
「私、聖都巡礼守護結社のヤネス・ツェネンベルクが代わりにお答えします。いいえ、出来ません」
枢機卿の一人からの質問へ、人の言葉を持たない愛馬――名を故郷の伝承からとってゲルリース――に代わりに自分が答える。
「では言葉を介すことは出来ますか?」
「言葉だけで具体的な指示を受けられる理解力を持ちます」
「では、そう、右後脚を三回上げ下ろしなど今すぐ可能ですか」
こちらが指示するまでもなくゲルリースはその通りにした。
「おお、なるほど」
その枢機卿はそれから票に書き込み始める。
「角は本物ですか?」
用意させておいた角馬の頭蓋骨標本と、季節で生え変わる角を持ってこさせて見せる。
「鹿の角のように生え代わります」
「その証明は」
当然の疑問ながら、証明の方法は意地悪であろうか。
「……いくぞ」
想定済みの質問である。ゲルリースの角に手を掛け、相手も後肢に体重を掛け、互いに全筋力、体重を角にかけて根から剥ぎ取る。一度で成功せず、二度三度と跳ねるように力を込めた。
「どうぞ、ご検分下さい」
その意地悪の枢機卿へ、血の流れる角を手渡す。
「傷跡もご覧ください」
鼻息を荒くするゲルリースの、流血する額もその枢機卿に見せる。
「平気なのかね?」
「彼女は辛抱強い」
「そうかね」
意地悪の枢機卿はそれから票に書き込み始める。
そして集計、開票がされ、家畜同等という分類がされた。集計結果に疑問があれば票の内訳を各自確認出来る。今回は全会一致である。
次が問題。
「各卿、この角馬。これがいかなる獣であるか検討して貰いたい」
聖皇が呼びかける。そして両翼の枢機卿等が挙手、聖皇が順に指名し、各自質問を投げかけて来る。
繁殖可能か? 尋常の方法では不可能。聖遺物が必須。
寿命は? 最長齢のこの角馬で十四。まだ不明。
伝承のように処女しか乗せないのか? そのような非合理な性質は持たない。
何か奇跡を起こすことは出来るか? 不思議な力は顕現しない。しかし賢く強くこの上なく軍馬として最良最適。いかなる品種も劣る。
「聖なる神を信奉するか?」
「それは……」
答えに窮した。分からない、違うと答えたらまずい予感がした。教義で認められないということがあれば存在が認められず最悪、処分。
「既に答えは出ております。家畜同等、信心が獣に宿るとは異な質問です」
聖女猊下がこう言うとその質問をした枢機卿は、目を開いて「失礼しました、質問を取り下げます」と力なく座ってしまった。
動揺してしまった。そうなのだ。家畜同等なれば信仰も何も無く、聖なる神から与えられた生来の役割を担って人間に仕えるのだ。冷静に考えれば分かることが分からなかった。未熟を恥じよう。
角馬に対する質問が終わる。分類は直ぐに決められたが、いかなる獣であるか、という解釈には時間が掛るとして一端先送り。
次に紹介したのは翼馬である。小柄な騎手が演出も派手に、軽く助走をつけて跳ねさせ、一度宙で自然に落ちる瞬間に羽ばたかせて再度飛躍させた。鳥のように飛ぶことは出来ずとも、少しの浮遊や滑空を用いれば四つ足に出来ぬ動きが可能だ。
抜けた羽根が舞った。戦の臭いが染みついたゲルリースと違って芸術の美しさがあった。
「おっ!?」
しかし翼馬、気性が荒く、人間に囲まれて一度に視線を浴びて動揺。床を跳ねるように踏み鳴らし、棹立ち、翼を無闇に動かして音を立てる。後ろ蹴り圏内に巻き込まれそうな枢機卿達が逃げる。
騎手が御せない。自分が踏み込んで手綱を取って引き込み、次いで首相撲に持ち込んで抑え込む。角馬が超重量種ならば翼馬は並の馬と比べても見た目より軽い軽量種。それでも人間より大きいが、己の竜騎士の膂力なら一先ずは抑えられる。そして隙を見て前足を蹴り払い、体勢を崩して寝かせる。
「兄弟、すみません! こんな筈では」
「いや、そういう子だ。仕方ない」
翼馬を抑え込みながら、角馬と同じようにどういう獣か判断がされた。やり取りはほぼ同じで、分類は家畜同等である。要は変わった馬ということだ。暴れ馬は厄介だがしかし邪悪ではない。存在自体はそれ以上でも以下でもない。繁殖方法が聖遺物を使い、特異であるところが後の評価基準だろう。
まずは一旦これで休憩に入る。
■■■
休憩中には各席へ鯨馬と鷲獅子に関する資料が配られた。採用見送りのために実際に紹介するまでではないとされたのだ。一応、このような生物も作れるという紹介にとどまる。
鯨馬は、地上はおろか水上でも鈍足過ぎた。大食らいで維持が大変な上、騎手は凪いだ暖かい海上に短時間しか出られないという欠点があった。流水は体温、体力を奪い続ける。作戦運用は困難。発想は良かったが惜しい幻想生物であった。
鷲獅子は非常な攻撃性のために生きたまま要人の前に連れて来ることすら危ぶまれた。また多少は人に慣れても家畜にもならぬ猛獣の類に留まる。
それから真の人狼と呼ばれた存在は紹介もされないし、今は無かったことにされている。見世物にしかならぬ能力で扱いづらく、しかも我々の血に染みついている狼頭の獣人への恐怖は拭い難い。ゲテモノは見せるまでもないということである。
翼馬の汗が塗られた床が清掃され、公会議が再開される。
次に紹介されるのはあの、聖都を爆撃から救った天使である。性質は大人しく賢く従順で、微笑む程度の表情は見せるが個人的には何を考えているかさっぱりと分からない。姿は背中から、体格に比して貧弱な鳥の翼が生える人型。顔は男女の中間、胸と骨盤は男、股間に男根無く女陰も無く、完璧のような全くの出来損ないのような姿である。これが暴れ出すとは思えないが、一応自分が側につく。
「各卿、この幻想生物たる天使。これが人間同等か、妖精同等か、家畜同等か、野獣同等か、冷血同等かまずは決めて貰いたい」
角馬、翼馬と違って各枢機卿、思わず唸る。聖都を救った実績を引っさげた、見た目の良い、明らかに宿敵である魔神の眷族たる魔族の類型、そして実在の一切が今まで確認されてこなかった天神教の妖怪そのものだ。類似の前例が無い。
「そちらの小さな者も幻獣ですか?」
余裕がある枢機卿が一部笑う。何だと見れば天使が子供と手を繋いでいた。
子供は修道女の服装のようでいて下衣は男のような股割れを履く。修そして聖女猊下の養女であの悪魔大王の娘であるリュハンナ=マリスラ。幻想生物よりも珍しさでは上回ろうか? 修道誓願はしていない。
「リュハンナ様いけません。大事なお仕事の最中ですよ」
「兄弟ヤネス、顎」
「あ、はいはいどうぞ」
六歳の少女の目線にしゃがんで顔を合わせ、顎を掴まれる。こうしないと言う事を聞いてくれない。無理に捕まえようとしても動きを読まれて避けられるのが常。
一通りこの顎を撫でられた後に抱き上げる。室外待機の者達の肩と頭の隙間より、せわせわと首を伸ばしては様子を覗い、入室したいけど出来ないでいる聖女猊下の秘書、姉妹イヨフェネへ手渡す。
「もう勝手に入っちゃ駄目です!」
「知ってるよ」
「尚更駄目です、駄目駄目です!」
「めめめめめ」
「こら」
「イヨフェネ好き」
「そんなので誤魔化しても駄目ったら駄目です」
「知ってるよ」
そう言いながらリュハンナ様が姉妹イヨフェネの頬に口づけ。
「もう!」
こいつは手強いのだ。分かっていても騙されてやろうかという気にさせてくる。
聖女猊下が図ったか、リュハンナ様が気を回したか、とりあえず天使が子供に対して無害という雰囲気が出来た中、公会議再開。
再開するもしかし、天使の分類は難しかった。票に対する筆の動き、各枢機卿止まる。天使に対する質問も角馬、翼馬とほぼ同じ回答となる。
「貧弱な翼でも空を舞える奇跡、裁きの雷や癒しの奇跡など公認される聖なる技の数々を使いこなします。この場でお見せ出来ないものが多々ありますが、実績については聖都爆撃の際の活躍の通りです」
と、ここが大いに違う。人気の程も、公会議で天使について議論がされるということで、天使支持の民衆が聖庁区画周辺に群れ成していることは登庁時の各枢機卿が目にしたところ。
そんな天使だが人間同等とするのは相当厳しい。フレッテ、ビプロル、魔族、権威ある特務に従事する一部獣人と同格にしてしまえば政治的にも人権が与えられる。そのような存在、まずは一国を経営するくらいの文化文明種族でなければならない。
妖精同等とするのが落としどころに見えるが、あの者達のように明確な格下、生来の奴隷と決めつけるには聖都を救った実績は重い。ランマルカ、帝国連邦相手の事例のように特例的に人間同等とする柔軟な対応も迫られて仕方なくすることもあるが、天使はそういう、軍事圧力を背景にそうせざるを得ない存在ではない。
家畜同等とは食肉にしても良いという区分になってしまう。犬や猫など飢饉にならなければ手がつけられない獣も含むが、人の形をしただけの獣と見做すことは……強引には可能であろうか?
質問も無くなり、筆は進まず、聖皇が「自由に議論を」と合図を出せば各枢機卿が隣、前後と議論を始める。職員が開いて乾く口のために水差しを運んで回る。
これからが長い。長いのだが、自由に議論する時間で敢えてウステアイデン修道枢機卿セデロが挙手して聖皇から指名され、席を立って堂々と言った。
「二種の馬、資料の獣、天使、何れも魔なる存在であります。功罪の有無、性質の善悪、筋力の強弱ではなく、聖なる神がお創りに敢えてしなかった姿形をしたものとは全て魔なる神が恣意的に改変したもの。聖なる教会が認めてはならないものです」
かの御仁の哲学、正論でありここでは正しくない。
男として応援したいがもうそれは出来ぬ身である。ストラニョーラ殿を脱獄させた以降、自分は死んでしまっている。
「聖都は魔神の使いに救われたとでも仰るか」
「その通りです」
「あのまま焼き払われても構わないと」
「教義そのものは政治に関わりません。もしこの天神教の妖怪を模した存在を認めるのならば教義ではなく政治が行うべきで、公会議の場ではありません」
「意見御尤もです。ですからその解釈を変えるための公会議です。時代に合わせて変革が必要とされます」
「であれば私は否定させて頂きます」
反対意見を述べるウステアイデン修道枢機卿に対し、今の応答でもって反対の流れが出来た。
修道枢機卿のセデロ猊下は宗教学と道義を修める修道の人として信念がある方だ。他の聖領領主たる政治家であると己を規定していないのだろう。圧倒的小数派、どころか孤立しても恥じることなく堂々とし、顔を下げて俯くこともなかった。
自由な議論が小康状態になり、聖皇が「結構。他に反対意見は? 無いのならば投票を」と促し、投票が再開。人間同等と妖精同等で票が僅差となり、また自由な議論。人間同等が有力だが口が利けないところが争点になる。
言葉が使えるか使えないか。人間同等なら使えて当然だろう。しかし妖精も獣人も使う。家畜ではない。そもそも聖なる存在が無用に多弁であって良いのか? 沈黙の禁則を守ることは聖なる行いの一つであるとも言える、などと話が広がれば容易に決まらない。
議論で決まらなければ後日に再び頭が冷えてから協議ということになる。聖皇が「本件に関しては今日はここまで。後日再開とします」と中断させる。
そして次の議案を、発案者であるエンブリオ枢機卿チタクが立って発表。
「兼ねてより非公式、黙認されていた竜騎士。率直に言えば異形を極力抑制された魔なる眷族たる彼等の公認と、大々的な戦力としての投入を提案します」
天使の手を引き、一礼してから退室。
エンブリオ枢機卿の発言は流石に物議を醸しているようで枢機卿達の声が大きくなっている。
「次の、次の次の戦いにも勝たなければ聖なる教会であろうともただの頭でっかちの学者集団に堕落します! それだけではなく手にした聖典が灰になっていないだけマシな状況かもしれません! その炎が異端異教どころか無神の革命かもしれないのです! それではなりません! 聖戦は勝たなければ正統ではないのです! 教義の正統性の担保はまず勝利有りきです!」
チタク猊下もまた信念のある方だ。
■■■
その後の公会議にて、角馬と翼馬は家畜同等の中でも聖なる獣、聖獣として格別の地位が与えられた。また天使は人間を守護する存在として新たな区分が与えられ、上にも下にも置かれないが同等ではないという地位が与えられる。加えてそれ以降、聖遺物等で作られた類似存在は同基準で公認されることになった。
聖女猊下の根回しあればこうなるだろうとはおそらく、皆が分かっていた。分かっていても拒否したのはウステアイデン修道枢機卿のみである。おそらく後日、罷免等々がされるのではなかろうか。
竜騎士公認についてはエンブリオ枢機卿が攻撃的な議論を掛けたせいでまとまらないらしい。天使のお披露目も終わり、議場へ立ち入る用事も無くなれば公会議が終わるまで余人に内部での動きは分からない。
公会議は連日開かれ、安息日には休会となる。安息する暇も無い聖女猊下に自分は呼び出された。白の正装ではない、黒の修道服風だが男のように股割れの下衣を履いた彼女を前にすると身体が強張る。耳が遠くなって口が乾く。
自分は己の騎士道を貫くことを諦めてしまった。卑賎の身が高貴な方々と比較するのは無礼であるが、あの二人の猊下に比べてなんと堕落したことだ。
ストラニョーラ殿を脱獄、国外脱出させた後に自分は聖女猊下にこれでもかと言う程に殴られ、引き倒されて蹴飛ばされては生死の境を彷徨った。
心が折れたのだ。以前まではどのような苦行だろうが耐えて見せるなどと自信に溢れていたがそうでなくなった。竜をも殺せるような身体を手に入れたが心はまだ凡人のままだった。むしろその身体が心を引きずったのかもしれない。なまじ死ねず、ともすれば常人が数十と死ぬ苦しみを生きながらにして受けた。受けたなどと過大に見積もっているような時点で心は折れている。
聖女猊下を前に、この心は従順な犬たれとしか言わない。
「リュハンナ、手を握っててやれ」
「うん」
少女に手を握られ、ようやく安心するとは何なのだ。
「ファイルヴァインではエグセン諸侯間で関税を調整しようという会議が催されている。これだけなら、大きな出来事だが目くじらを立てる程ではない。以前から予告されていたことだ。しかし主賓を集めてからだらだらと会議を先延ばしにし、議論より舞踏ばかりしていたと思ったらこの公会議に合わせて本格的に話が進み始めた。内容は関税の調整などではなく、撤廃を目的とすると情報が入った。関税同盟という名前すら出てきている。以前の旧中央同盟より範囲を広げられる名前できな臭い。諸侯の隔たりはまず関税という形で実際に現れるが、これが無くなれば諸邦の隔たりがそもそも無くなってくる。次に出現するのは連邦だろう。同盟どころではない、一つ頭の集合体。明らかな叛意だ。これを今すぐ、武力でどうこうは出来ない。攻撃などしたら結束の大義名分が立つ」
第二次中央同盟戦争の危機であるらしい。
「それから大変なことが同時に起こった。ナスランデン王シレムが関税会議への旅中で病死した。あの日和見爺さんには監視がつけてある。暗殺ではなく確実に病死。ナスランデン内部の話だが、こちら教会側に変わらずつくか、関税同盟側につくかで跡目争いが勃発寸前であると連絡が来ている。今まさに初めの血が流れていてもおかしくない。公会議と関税会議の同時並行にナスランデン内戦の危機だ。先程言ったように教会が直接、分かる形で攻撃などしたら結束の大義名分が立つ。お前も分かっているだろうが聖戦軍の再編、訓練も途上の内にそんなことはそもそも出来ない。エデルト軍の加勢も厳しい。ユバールの戦線は膠着のまま、更に付け加えてセレードでも内戦が起こっている上に、新しい首相が何故かこの時期にアソリウス島で私兵同然の連中に囲まれているという状況だ。島にいるか海上にいるかもすぐに確認出来ない。仲良しの帝国連邦総統とも何を密談したかも分からない。ナスランデン内戦は不幸だろうが、他は謀略の意図が見える。どうにかしなくてはならん。兄弟ヤネス・ツェネンベルク。正装を捨て、一介の傭兵となってナスランデン教会派勢力を支援してくるように。関税同盟のみならずロシエも介入してくるだろうが死力を尽くせ」
「御意に」
「次にも期待しよう」
立ち上がった、見上げる聖女の大きな手が伸び、喉輪に掛り、長い指が首の後ろにまで回る。
締まる。身体が抵抗を拒む。リュハンナ様が離れる。
「うぐ……」
「発見があった。獣を人のようにするというより、人外を人のようにする。それの応用だ」
嗜虐ではない。聖女猊下は喜んでもいない。仕事をしている、それだけに見えた。
「能く働け」
首が折られた。
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