第295話「凍結」 エルゥ

 龍元永平八年、冬半の節。北征巡撫が担っていたことで空席だった西域防衛の統括責任者である西克巡撫に就任し、朱山躍龍西克軍旗を戴く。

 旧レン朝までは有事に際し、問題を解決するまで対応に当たるだけの臨時職だった巡撫が今では辺境における独裁官。

 自分は開戦時から今まで負け続きであったが、ハイロウ戦での指揮と経験が買われ、そして龍人化という信頼を得ての巡撫指名だろう。

 訓練は良くされているが、塞防軍には実戦における大軍指揮経験者が、旧レン朝の影響力を排除したという経緯から全くいない。だからその上に自分を置いて、実戦感覚を浸透させようという試みでもある。

 これにて現地の巨大な塞防軍のみならず、道と藩、按察使司、冊封国にまで一元的に命令を下せるようになった。前線限定だが総力的に人と物が思うままに出来る。

 巡撫には二人の補佐官がいる。軍次官で参謀部長となる大参将と、警察次官で情報部長の大補使。次官というのは巡撫が両長官を務めるからである。また現地の長官級を優越する。

 大参将には適任であるエデルト軍事顧問団のザリュッケンバーグ中将を任命した。幕僚団にはそのまま軍事顧問団の面子が加わって務める。

 オルシバによる暗殺未遂事件で自分が人事不肖となった折には中将が代わりに、ほぼ指揮するような形で各将軍に助言したおかげで北征軍第二軍団は多大な損害を被りつつも組織の体を成して後退することに成功したのだ。その経験を生かさぬことなど出来はしない。異人の任命ということになるが、彼が直接命令を下すわけではなく、その助言を得た自分が命令を下す形になるので反発は最低限となるだろう。元より塞防軍はエデルト式に一から編制、訓練された軍なので抵抗感は薄い。

 大補使であるが、当該人物の任命は黒龍公主が選んだ龍人で名も分からず、会った当人が本人かも怪しく巡撫の人事権が及ばない。名目上は巡撫が持つ按察使司指揮権を実質有しており、巡撫の暴走を止める監視役であることが第一で、第二にその指揮下にある軍や道、藩、冊封国を監視しつつ潜入工作員も取り締まり、第三になってようやく敵と戦うための有益な情報を提供するという役目を負う。必要な役職だが、直接見張られていると思うと気分の良いものではない。

 北征、南覇軍には新式武器が先行配備されたものの重要な中、大口径砲が配備されていなかった。塞防軍への配備は実戦開始、このランダン防衛戦に間に合った。

 従来の斉射砲、軽砲と合わせて大中小と揃い、一般的な戦場に対応出来る最新式火砲が一先ず揃った。まだまだ局地的な運用に耐える発展型のようなものは、旧式火砲を除けば生産工場の都合で揃ってはいない。

 小口径の斉射砲と軽砲は歩兵と騎兵用の機動力重視の運用がされる。両方とも後装式で防盾に隠れながら射撃が出来る。軽砲の反動、後退は弱装にすれば駐鋤だけで抑えられる。

 中口径の榴弾砲は主に曲射で遠隔目標を、友軍を超越して破壊出来る。また砲身を短くすることで重量を抑え、砲兵陣地転換機動を可能にする。

 大口径砲の重臼砲は要塞や強固な野戦陣地破壊を目的として機動力はさほど重視されない。

 重火器類とその弾薬の運搬はウラマトイ、ユンハルに限らず、天政下各地から供出させた馬、驢馬、騾馬、駱駝、牛、毛牛で行っている。塞防軍需要はほぼ満たされたが各地の農民牧民からは恨みを買っているだろう。

 砲術に関しては先達である帝国連邦火砲の研究も進んでいる。

 重小銃。大砲と小銃の中間のような存在。長射程の大口径弾で狙撃が出来る。斉射砲では難しい。敵はこれで指揮官を撃ち殺してくる。甲冑だとか人の体越しでも貫通して殺傷出来るので脅威だ。

 旋回砲。一人二人で運用可能な彼らの最軽量砲。馬や駱駝や荷車で軽快に運んで榴散弾、缶式散弾を発射する。軽装備の騎兵だと油断して攻撃を仕掛けるとこの火力に撃破される場面が多々あるようだ。前装式と新型の後装式が混じっていてどちらも脅威だ。

 突撃砲。旋回砲と同口径の軽砲。防盾が付いて後装式で射撃時の後退は駐鋤で抑えられる。こちらの軽砲と運用は似ているが射程は比較的短く、しかし軽いので高速で前進してくる。脅威だ。

 山砲。こちらの軽砲と同程度の性能で前装式だが軽くて射程が長い。峻厳な地形での戦闘報告を聞けば、こちら側がこの山砲によって完全に不利だそうだ。脅威だ。

 軽砲。こちらの軽砲と同程度で歩兵、騎兵用に使っているのも同様。前装式で防盾無しの射程がこちらより長い型式と、後装式で防盾ありの射程がこちらより若干長い型式があるようだ。射程に関しては装薬を強くしたら暴発率が上がるので安全運用をしている程度の違いだろう。脅威だ。

 大砲。彼らの標準型、紛らわしいので野戦砲と呼ぶべき中口径砲。こちらの榴弾砲より全ての面において勝っている。脅威だ。

 組み立て式重臼砲。略して彼らが重砲と呼ぶ大口径砲はこちらの重臼砲より遥かに射程が長くて威力も高く、大きくて重たい。設置時に専用の工事が必要らしいが、熟練の工兵が常に随伴していて動きが鈍いわけではないようだ。また砲身、薬室、砲台などが分離出来るので輸送にも思ったより手間取らず、部品が消耗すれば個別に交換出来る。専門集団が必要な兵器であるが、最大の脅威だ。

 帝国連邦は人よりも多い馬、驢馬、騾馬、駱駝、牛、それに加えて伝説の毛象まで大砲の牽引に使っているという。

 砲術も多様な射撃方法を知り、どうしたら真似出来るか分からない正確で迅速な間接射撃が可能で、気球という空飛ぶ籠や飛ぶ竜が上空から観測を行っている。この戦争中に、仮に大砲の性能で同格程度になれても技術面で凌駕することはないだろう。

 以上の点を理解して各軍には戦うように指導している。

 ランダン防衛の要点は、勿論のことフォル江沿いからの中原侵入の阻止であるが、最も重要なことはその源流一帯を奪取されないことにある。

 帝国連邦軍は上流、水源地を取って主要河川を工事して大洪水を起こす災厄的な攻撃を行う能力がある。対アッジャール朝、ロシエの戦争において実証済み。これを”大”フォル江でやられたらおそらく、二次被害も含めれば数百、数千万では済まない破局的な痛手を負う。であるから塞防軍の全軍をランダン南北に配置したのは大袈裟にならない。

 古来よりフォル江の治水事業は国を傾けてまで行わなければ国が押し流されるような大事であった。過去に河口が変わる程の氾濫を許した時には順風だった王朝が瞬く間に崩壊したことすらある。それを防ぐためにもフォル江とその支流全てには堰があり、地形に合わせて堤防に遊水路に溜め池などなど様々な設備がある。これらを敵の手に委ねた時、軍同士の衝突や虐殺など些細なことになる。技術があって仮借の無い帝国連邦軍がこれをしない理由は無い。

 軍の極端な集中に対して塞防軍将官からの反発は当初あったが、巡撫と龍人の威光により収めた。実戦を、帝国連邦軍の強大さを知らぬ彼等はここまで戦力を一点に集中しなくても十分に戦えると自負していたが故だ。新装備と十分な訓練で得られた自負であるから悪いとまでは言い切れないが、戦略的には悪い。

 彼等を抑えるためにもこの西克巡撫の圧倒的地位は必要不可欠だった。並の将軍ではどうにもならぬ。外の患と内の憂、二つに対処して初めて勝利が見えるというもの。

 今年は暖冬の向きがあり、帝国連邦軍の攻勢は冬季に停滞しない。こちらは冬営準備に移ったので防勢になり、主導権を握られて不利である。ただ暖冬とはいえ北陸道界隈へ攻勢に出れば敗北必至。寒い気候、雪の北風、広い平原という不利な条件下が覆ったわけではないのだ。

 こちらは遊牧民を加えてはいるものの基本的に普通の定住民軍で歩兵主体。あちらの酷寒でも動き回る騎馬軍に対し、平原で攻勢に出ればこちらが対応出来ない機動の連続で翻弄され、対応出来なくなってハイロウでの一連の動きのように粉砕されるだろう。戦略目標さえ達成できれば不利な条件でわざわざ戦う必要は無い。北防南攻の理念が陳腐化したわけではない。

 突発的に、奇襲のようの畜害風が吹いてくれれば大打撃になると期待してしまうが、真に天にのみ望みを託すのは愚かなこと。人事を尽くした上で偶然に訪れれば良い。

 北陸道におけるランダン軍の崩壊は予想よりも早かった。統制に欠ける国家組織と軍編制、装備と錬度から扱いに困る軍であったので早々に処分しなければと考えていたので大きく困ってはいない。予測の範疇ではある。

 ランダン王国の地より疎開させた人民には戦に赴いた者達の仇を取れとの教育を行い、損耗した北征軍への補充要員にする計画。女兵士の割合が多くなるが、筋力の相対的な低さは現代火力戦においてはそこまで気にする必要は無い。

 北征軍第一、第二軍団とその疎開民達は北征巡撫である姉上が率いてフォル江を下って中原まで連れて行き、治療と休養と新装備の受領と訓練を行って次の戦いに備えて再編制される。理想としては開発中の、帝国連邦を真似た組み立て式重臼砲装備段階にまで到達してくれれば良いが、砲身薬室の重量と強度の調和が大変難しいそうだ。軽くて脆くて暴発しやすい、重くて運べない、では使い物にならない。また重量物を運搬する馬などの駄獣類の補充、そのための出産と生育も必要なのでしばらく後方で待機して貰う必要がある。人も食糧も足りるが獣が足りない。

 北陸道は陥落したも同然の状況にある。ランダン北方は北域軍を集中させたことにより鉄壁の布陣になっている。

 鉄壁とは言えないウラマトイ、ユンハル軍の遊牧軍はトンフォ山脈で防衛線を築くが、こちらもランダン軍程ではないにしろ脆弱性が危惧される。特にユンハル軍の忠誠心は極めて疑わしい。

 その忠誠心の怪しい軍を督戦する配置にいるのは東洋軍。海軍と沿岸防衛部隊が主軸だが内陸に差し向ける兵力が無いわけではない。ただ天政の北海と東海からアマナ海、ウレンベレ海まで広い沿岸線に兵力が分散しているので局所的に強力ではない。

 東洋軍はアマナ海賊はもとより、内陸の山奥、水系、荒野、島々などに逃げた旧レン朝の遺臣が賊と化して未だに各地に潜んでいて常に牽制、討伐していなければならない。普段から賊として動いているなら対策も出来るが、ここぞという時にしか動かない者ばかりが賊狩りの結果残存している。今はその意志が無くても、何かの拍子で芽生えるのではないかと思われている者達も多くいる。中には遺臣と呼ばれているが普通の賊だとか色々いる。特に金南道は旧東王の時代から自治が強く、忠誠心が誰に対しても低く海賊が多い。沿岸防衛に手を抜けばすぐに牙を剥くだろう。

 遊牧軍の後方に配置される東洋軍の兵力は少ないが、その更なる後方に存在する禁衛軍の影響力を伝播する中継機能を発揮させることで限界まで両遊牧軍を酷使して貰いたいところ。ジン江沿いに絶対防衛戦を構築している禁衛軍から、一部でも現地に派遣した方が良いと意見具申はしているが、検討中とのこと。

 検討中とは消極的な意味ではなく、積極的な検討である。他にも北征軍にも南覇軍にも入れられなかった員数外の旧レン朝の残党を寄せ集めた軍がいて、時期が来れば投入すると龍人になった時に黒龍公主から直々に話を聞いている。それが東洋軍内陸派遣軍の代わりになるらしい。詳細は不明で、おそらく反乱防止に機密に囲っているのだろう。当然の処置である。天政は広いので十万単位の集団を隠すことは造作もあるまい。おそらく当人達も把握出来ないよう反乱抑止に騙し、分散させて、その時期になって初めて会合するのではないか?

 灌漑事業に人を出し、集めておいてある日突然に武器を持たせて作業組織そのままに軍隊として編制して戦いへ赴かせた事例は過去にある。


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 敵が南へ抜ける道はランダンで固めた。東へ抜ける道はトンフォ山脈が危うい。南東へ抜ける道は無いという状況。

 南東へ抜けられないのはオング高原は北陸道側から南下出来る地形ではないからだ。道も無く、峻厳で広大で不毛な山岳地帯。水路はあるが急峻で船は使えず、東西を分水嶺が完全に遮断して抜け道は無い。現地は馬もまともに住めず、高地遊牧民が少しいる程度で略奪補給は出来ない。あれは天然無敗の長城。バルハギンですらここは越えてこなかった。

 この状況を作り出した結果、固めたランダンが攻撃目標となって包囲されている。規模と展開から敵軍は北のコルチャガイ方面を助攻面、西のダンランリン方面を主攻面としている。東の北陸道を繋ぐアリダス川方面は監視する程度で消極的。

 そしてもう一つ予想外なのは、大きく南から迂回出来るコショル川を上るヒチャト回廊方面からの攻撃が行われていることだ。

 ヒチャトの回廊高地を取りに来た敵山岳兵の強さが尋常ではないと報告が上がり、軍隊が通るような場所ではないと思われた方面から浸透される危険性が発覚し、対処が準備段階から良く出来ていない。

 かの回廊高地は峻厳で環境も悪く、一応回廊と言うだけに道にはなっているが大軍はどう工夫しても配置出来ない。しかし敵の山羊頭、ダグシヴァル兵は人には踏破不能な場所にまで到達可能だから迂回機動も自在に、正面を広く、高い位置も取れて、射程に優れる小銃、重小銃と山砲を使って効果的に火力を集中させてくるので不利は必須。

 こちらは準備の悪い山岳兵部隊で、狭い正面しか取れない状態でしかも戦力を逐次投入する形で戦っている。追加の兵士を送ろうにもヒチャトはランダン南のアインバル高地より遥かに空気が薄くて寒く、高地に適応出来る山岳民を送らなければ戦うことも出来ない程。しかもその山岳民等は中央統治から遠く恩恵も薄くて忠誠心が低く、学も無くて徴兵経験すら乏しく士官級人材が少ない上に天政官語の普及率が低くて意思疎通も難しい。加えて方術使いも人口から稀。

 ヒチャト回廊方面からの報告は上がってくる度に悪いことばかり。こちらの山岳兵が運用していた高地用の毛牛騎兵が敵に鹵獲されて真似され始めたとのこと。技術に関しては寝返ったヒチャト人が伝えている様子。

 防御の利として要塞、要塞化した村も備えているが、魔術を使った素早い坑道爆破や、奇襲攻撃、残虐な見せしめに対する恐怖で陥落が相次いでいる。

 要塞に限らず山を自然要塞に見立てて篭っても、遥かに山岳機動力で勝るダグシヴァル兵が先に山頂部へ伏兵として潜伏していて、それから麓の側から包囲をされて全周挟撃を仕掛けて来るので逆に殲滅の機会を与えてしまうらしい。

 加えて心理戦要素がたぶんにあるだろうが、ウートイマースーなる異形の山姥が遊撃浸透的に前線後方問わずに出没しており、誘拐、惨殺、死んだ方がましな生存者が出る襲撃が多発。士官や山岳民と中原の者との中継ぎ技能を持つ人物が特に狙い打ちにされているという。

 兵士も武器も戦術でも負けている。どう足掻いても不利。敵が絶対に勝てるヒチャト回廊地帯はランダンを迂回して直接朱西道へ抜けられる。西域軍が二個軍団、そこへ配置されているので回廊を制圧されても容易に侵入を許すことはないが、兵力が拘束され、作戦展開時にこの危機を考慮に入れなくてはならなくなってしまった。

 ヒチャト回廊方面を守る目的は副次的であるが、ルラクル湖にて会戦を挑んで解決を図る。これに成功すれば回廊に侵入した山羊頭のダグシヴァル兵達の後方を切断して孤立させられる。

 湖面が凍結し軍が通れる固さと厚さになったら大々的な攻勢の機会となる。敵軍が仕掛けてくるかどうかはルラクル湖周辺の山岳地帯に潜伏させておいた偵察部隊と虹雀を介した連絡で把握している。敵軍は繰り返される攻撃とハイロウ側からの増員を行ってはいるが湖を利用する素振りは見せていない。動かなければこちらから仕掛ける。

 北域軍を、北陸道を見捨て、トンフォ山脈を危うくしてまでランダンに引っ込めた理由は複数あるが一番はこれだ。凍結して広い平原と化したルラクル湖に大兵力を集中し、湖の北岸方面、そしてダンランリン方面から攻撃してくる敵南方総軍を叩く。

 帝国連邦軍は精強で膨大だが兵士を補充する人口に乏しい。一度数を減らせばあとは足萎えに崩れ出す。例えこの大攻勢で敵を撃退出来なかったとしても、大出血を強いることに成功すれば目標達成である。

 西域軍十個軍団百万、北域軍十個軍団百万、補充兵を現地から徴兵し、中原から送る体制も完備されている。いくらでも戦えるぞ。


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 コショル川の凍結前は良く持ち応えていたダンランリンが陥落した。繰り返して突撃する南ハイロウ軍は氷上を進み、度重なる重砲射撃でランダン一壮麗とも呼ばれた都市は白骨死体のような姿に成り果てている。

 防衛を北征軍第一軍団から代わった西域軍第一軍団は無理をしないで廃墟を放棄して後退。そして北征軍には出来なかった防御戦術が展開された。

 ダンランリン西方に築かれた塹壕は以前の物より強化されている。胸壁のみならず背壁も築いて、塹壕後方に着弾した砲弾の爆風、破片を防ぐようにして被害を抑制。正面塹壕と予備塹壕だけではなく、その中間に支援塹壕を設けて多様な状況に対応。長い戦いに備えて部隊毎に正面勤務二回、予備勤務、完全休息と四交代制にして疲労と士気低下対策を行った。

 新型中、大口径砲の投入で遂に敵火砲に撃たれてた状況から対砲射撃を行えるようになり、攻撃に出る機会が増え、防御効率が上がった。

 加えて新しい符術、繁茂を活用。針葉樹を植えて異常成長させた。これにて葉が茂って視界を塞いで観測が難しくなり、根が異常に深く張って坑道掘りを阻害し、砲弾銃弾を防ぎ、破壊されても再度術をかけて再生出来る。これは塹壕の傍にではなく、正面前方の無人地帯や塹壕間に築いて障害物や、建設資材、燃料にする。この人工林を敵が突破して来れば前後を分断、後方部隊との連携を攻撃時に妨げる。逆襲時に敵に逆利用される点は受け入れる。防御戦闘が今の我々の本業。

 更に新しい符術、妨害。これは敵の術を封じるもの。敵は工兵働きに魔術を多用するので、その動きが見られるところへ指向して発すると作業妨害が出来る。坑道掘りがされていると思われる場所へ予防的に発動させると良い。坑道爆破の頻度が激減する。

 そして文明的ではないが必要に迫られて導入された符術、超人。一時的に人体を強化し、痛みを忘れて死ぬまで戦える。強化が切れると生きていても瀕死の重傷を負い、助けることは出来ない。救えない有志の負傷兵に使い、特攻部隊として使う。敵も聖戦士なる薬物と催眠術で強化した者達を時折投入してくるのでそれを真似たような形になるのが卑しい。

 このハイロウで行われた塹壕戦から発展した戦いで南ハイロウ軍の突撃とその後方に控える重砲射撃に持ち応える。受け止めた。

 南ハイロウ軍は廃墟のダンランリン入りを果たした結果、東の第一軍団と南の山岳側を守る第二軍団に半包囲される形になった。そして正面と側面から逆襲を行って撃退した。

 この時期に凍結したルラクル湖の氷の厚さが十分になったと採掘調査で確認された。反攻作戦を発動する。

 今まで防戦しながら後退する一方だった。殴られ続けている感覚で、士気も下がっていた。この大攻勢、凍結攻勢は転機になるかもしれない。

 北から、第四軍団はルラクル湖沿岸を迂回して進攻するユドルム方面軍の相手を北岸でしていた。今まで防戦一方だったが、多少は無茶でも可能ならば攻勢に転じるように命令する。

 東岸に待機していた第五、第六、第七軍団は氷上を渡り、ダンランリンを回転軸に長い右翼を展開して旋回し、敵南方総軍側面を全面的に覆うように機動をする。第五軍団は第四軍団の左翼南方につき、第六軍団はその更に南方を抜けてユドルム方面軍を三方から囲んで西へ追い込んで包囲殲滅することを先に狙う。

 ダンランリン方面を守る第一、第二の予備軍団だった第三軍団はダンランリン北の氷上へ展開。敵も氷上へ展開してくるのでそれをまず抑え、第七軍団との連携が出来てから攻勢に転じる。その抜けた予備軍団の役目はその後方の拠点ティーツンから第八軍団を送って代える。

 これら西域軍八個軍団の攻勢に対する予備軍団として、北域軍から湖面凍結を見越して事前にランダンから派遣させていた第十九、第二十軍団をルラクル湖東岸へ移動させる。更なる予備に第十七、第十八軍団が首都サルラに居残る。残る西域軍の第九、第十軍団は朱西道にてヒチャト回廊からの敵突破に対する準備を行いながら待機中。何れにせよ土地に詰め込んで維持出来る人と物の数には限度がある。

 氷上通過用に滑り止め用の土砂、ゴミだったが廃棄しないで取っておいた藁に灰に木屑を持ち込み、氷面削りの鍬、靴や蹄鉄につける滑り止めを各軍団に配備してある。

 この凍結攻勢は敵も予測していたと思われる動きがある。

 ランダン北方で敵北方総軍の攻勢が強まり、コルチャガイ方面は北域軍の三個軍団でまず防いでいて手が抜けない。東方のアリダス川方面は一個軍団で警戒していて音沙汰がほぼ無いが、勿論配置転換をするわけにはいかない。両方面の後方ハヤンガイでは二個軍団が予備軍団として待機。当面はこれで防げると思われるが、もし劣勢となるのならばランダン中央で待機する二個軍団を増援に送る。

 このランダン中央の第十七、十八軍団はダンランリン方面で劣勢になった場合にも備えているので簡単には動かさない。

 ランダン南方では早くも南ハイロウ軍後方にいたシャルキク方面軍が氷上へ進出。第三軍団と対面する位置に出て来る。

 逆襲を受けた南ハイロウ軍は後退しているが、その代わりにしばらく南ハイロウ方面で活動していたザカルジン軍が前線に到着したのでそのまま逆襲距離を延長することは叶わないだろう。

 ユドルム方面軍からシャルキク方面軍にかけての、敵の柔らかい腹になろう長い氷上の空白地帯には新たに後方から到着した騎兵軍が投入された。そこでは散発的で機動的な戦いが始まると思われるが、歩兵の数はおそらく少なく、持久力に欠ける。氷上にて第五、第六、第七、第三軍団四十万の攻勢を持ち応えられるだけの兵力は、この一時期にはどう捻出しても敵には無い。

 どう上手く後退して、損害を最小限にしてハイロウへ後退出来るかが敵の目標になるだろう。


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 ルラクル湖上に双方の戦線が形成された。

 第四軍は陸路、第五軍団は氷路から共同してユドルム方面軍を後退させた。包囲は失敗、後退を許したとも言える。

 帝国連邦軍全体に言えることだが、騎兵は騎兵でも重火器を装備して足が速く、場合によっては下馬騎兵、歩兵となって粘り強く戦うので尚更手強い。正面からぶつかれば固く、逃がせばあっという間、らしい。ユドルム方面軍の兵士はそのような騎兵が主体。下手に騎兵だけで追撃してもあっさりと撃退されるとのことだ。数と攻撃正面の広さだけで勝てるわけではなさそうだ。

 第六軍団はそんなユドルム方面軍の退路遮断に失敗した。原因は氷上にて敵騎兵軍の一部と遭遇したこと。本格的な会戦はないが、散発的な戦闘が多発して遅滞戦闘に持ち込まれた。堅実に砲兵を配置すれば問題無いと報告にあるが、そうまでして陣地を築いて足を止めて戦わないといけないということ。尚、騎兵軍の内実はキサール騎兵だという。帝国連邦騎兵程の強さは無いだろうが強敵であることは間違いない。術に長ける異形の魔族の存在も確認されている。

 第三軍団はダンランリン北の氷上にてシャルキク方面軍と対峙。北側に到着し始めた第七軍団と共同して互角に戦えている。拘束出来ている。

 ダンランリンから伸びる第三、第七、第六、第五、第四と続く長い右翼の回転は始まったが楽観的になれる戦果報告が届いたというわけではない。目的が少しだけ失敗している。

 回転するこの五個軍団五十万は強行軍に移動し、遮る物も掘る地面も無い吹き曝しで凍える氷上を突進している。長くは勢いを保っていられない。そこに敵がなんらかの付け入る隙を見つけ出すだろう。何か対策を講じられる前に素早く物量で圧倒したいところ。

 第一軍団はダンランリン奪回後、氷結したコショル川を渡ってそのまま南ハイロウ軍を追撃。ザカルジン軍と対峙する頃には攻勢前からの疲労と損耗で頼りなくなってきているので予備軍団である第八軍団も送る。

 南部山岳地帯のマトラ方面軍に対しては今まで防戦一方だった第二軍団にもコショル川を渡って攻撃を仕掛けさせる。これでこちらも拘束出来る。

 シャルキク、マトラ方面軍がこれで拘束出来るので南岸からの逆襲に展望が見える。

 予備として回していた北域軍第十九軍団は第六軍団の後を追わせ、回転する右翼の予備軍団とする。

 第二十軍団はダンランリンに向かわせ。第一、八軍団の南岸攻勢の予備軍団とする。

 ダンランリン西の、ハイロウへ抜ける隘路に敵南方総軍を殺到させることが出来れば、大半は逃げるかもしれないが、その残る大半を殲滅出来るだろう。隘路を抜けた先の敵の安息地であるリヤン市までは遠い。

 キサール騎兵の確認は敵の大きな動向を把握する助けになる。遂に敵中枢からの増援が前線配備となる時期が到来したということだ。

 帝国連邦軍にザカルジン軍、大内海連合州軍は未だ健在だが損耗している。これに新鮮で無傷な軍が加わり始めている。南ハイロウ軍は相当に痛めつけたが、無慈悲に人民を充当してまた復活するだろう。敵もまだまだ余力があるということ。そして未だに到着していない魔神代理領主力の親衛軍が控えていることも忘れてはいけない。

 戦術面で目立った不利がある。兼ねてより確認されていたが、前線だけではなく後方からも、自分がいる総司令部からも、対空射撃対策を講じて銃弾砲弾も届かぬ高空を飛ぶ竜の偵察部隊が見えている。流石に高地の上空とあって晴天でしかも風の無い日にハイロウと違って極短時間しか飛んでいないが、断片的にでも天の視点からこちらの軍の動向を探られているのは厳しい。どこへ攻撃するか、どこに予備兵力が投入されるか丸見えだ。

 また敵の前線には観測気球が飛ばされていて、竜のように危険を冒さずともこちらの最前線の動向は見張られている。事実上、こちらの考えていることは全て間諜無くとも漏れ出しているような状態だ。

 こちらは天の視点は持たず、ルラクル湖周辺の山岳地帯に少数の偵察部隊を複数配置して虹雀を使った通信で出来るだけ情報を集めているが、情報量ではおそらく負けている。

 ……塞防軍二百万ではその四分の一の敵相手でも不足かもしれない。


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 凍結攻勢は遂に、敵南方総軍全体をルラクル西南岸にまで追い詰めた。回転する右翼が敵を押し下げた。

 更に後退するユドルム軍を引き続き、第四軍は陸路、第五軍団は氷路から共同して攻め上げる。

 戦線も圧縮され、第四、第五、第六、第七、第三軍団は直線上に連結して強固で隙間が無い戦線を築いて敵騎兵軍の浸透も許さず、陸上にまで追い詰めた。その後方には第十九軍団が予備として配置されており、余程に奇跡的な反撃でも無ければこれを粉砕出来ない。

 第三軍団も第七軍団と共同してシャルキク方面軍を押して陸上まで追い詰めた。

 第一、第八、第二十軍団の陸路、南岸攻勢も進み、コショル川西岸に大軍を配置出来る土地、かつて南ハイロウ軍が攻撃拠点にしていた場所を確保。相手取るザカルジン軍は損耗疲労少なく強大であるが、問題無く戦えている。帝国連邦軍に比べればかなり弱い。

 南部山岳地帯のマトラ方面軍に対しての第二軍団の拘束目的の攻勢も成功しつつあるという。

 上手く行き過ぎている? どこに罠がある?

 第一軍団が突出気味であるのは否定出来ないが、仮に敵が他の正面をなんらかの手段で安定させたとしよう。そしてシャルキク、マトラ、ザカルジン各軍が一斉に三方から攻撃を加えれば壊走させられる位置関係にある。譲って第一軍団がこれで皆殺しになったとして、まだ損害の無い第八軍団に第二十軍団がその後方に控えている。

 あの優勢の限りに回廊を進むダグシヴァル兵が急反転して第二軍団を抑えつけてからの行動だとしてもまたコショル川を挟んだダンランリンを中心にするせめぎ合いに戻るだけで南岸の状況は進展しないようなもの。その一方でルラクル湖の回転する右翼の攻勢はこちらの圧倒的優位のまま。

 敵の得意は騎兵と砲兵と工兵、とにかく全てだが……。

 騎兵はまず、重武装の西域軍が隙間無く戦線を構築しているので突発的な奇襲や迂回はあり得ない。強行的に一点突破からの後方迂回、包囲があったとしても北域軍の二個軍団が後方で予備待機しているので簡単に潰せる。

 砲兵は確かに脅威だが全般的に戦力の底上げをしているだけであるし、重砲の集中運用は最も危険だが一正面か二正面を優位にし続けられる程度で奇襲要素は無い。連絡を密にしていれば対応出来るだろう。敵が無理な砲兵の高機動を行って来ても、今やこちらには新型火砲がある。そう簡単に遅れは取らない。

 工兵。敵の洪水戦術は脅威だが全面凍結している今はあり得ない話。後退するときに巧妙に地雷を設置して足止めに使い、尚且つそれを攻撃準備射撃のように使って逆襲に出て凄まじい攻撃力を発揮するのだが、それも限界がある。上手く嵌ってしまったとしてもこちらは百万兵力を攻勢に集中しており、半減させるという異常な事態がない限り――敵南方総軍は五十万程度――優勢は崩れない。勿論こちらも設置に撤去も出来る工兵はおり、無抵抗にやられはしない。コショル川渡河後には相当数の地雷を撤去している。

 ランダン北方での劇的な攻勢が用意されている? コルチャガイとアリダス川方面以外の進入は困難を極める地形だ。ハヤンガイとランダン中央に十分な予備もあり、そちらから一挙に南下してくることは有り得ない。

 仮に、今の南方総軍はこちらが知っている五十万規模より遥かに数が多いとしてみよう。こちらに出来ることは、今と変わらず戦線を構築して隙間を、敵に突破する点を見せないようにして敵の強弱に合わせて攻勢と防勢を使い分けるしかない。後退することになったとしてもそれは変わらない。そのような不利な状況に陥ればランダン中央から更に二個軍団を派遣し、足りなければ朱西道からも軍団を、そんなにまで劣勢ならば北征軍の早期復帰、禁衛軍の派遣も、ということになる。やることが変わらない。

 ザリュッケンバーグ中将と最悪を想定し、今の順調が崩れる想定で机上演習を繰り返していると悲報が届いた。

 悲報である。軍事作戦中にそんな言葉は無いものだが。

 情報は錯綜しているが、雑音を省き、重複情報を整理するとこうなる。

 戦線を整えた回転する右翼の軍団が西南岸に到達し、氷上を越えて半ば上陸した頃に全前線から敵軍が一斉に信号火箭を発射する姿がほぼ同時刻に目撃される。その後、湖が立ち上がったような大爆発が起きて第五、第六、第七、第三軍団は三つに分断された。

 一つは上陸したが爆風と氷に兵士に兵器、荷物を破片効果のように背中から浴びた者達。

 二つは天高く吹き飛ばされ、数えられる程の時間が経ってから陸上、氷上、水中、友軍の頭上へ、氷と噴き上がって氷になった水と兵器、荷物と共に降り注いだ者達。

 三つは爆風と氷に兵士に兵器、荷物を破片効果のように正面から浴びた者達。

「シトレを破壊した魔術かもしれない」

「以前お話していた七十万都市を一撃で壊滅させた術ですね。大仕掛けで大量の工兵を動員しなくてはならない、ですね」

「その通り。シトレではその大規模工事の様子が目撃されている。目撃者が術の素人ばかりで、それからもっと別の忌まわしい作業の方に目がいっていて詳しいところが不明なのが残念だが」

「シャルキク方面軍が待機していた場所だけで行われたのならばまだ理解出来ますが、キサール騎兵ばかりだった工兵もろくに投入出来ていないはずの戦線まで一緒に吹き飛んでいるのは? 心当たりは」

「あの長さを大爆破、となれば火薬では到底不可能だろうから術で間違いない。未知の呪術刻印だろうか」

「調査しなければ推測しか出来ませんね」

「被害は大きいが、ここで麻痺をしていては付け込まれる。まずは攻撃を止めずに敵の次の手を封じつつ、被害を受けた軍団を再編、戦線を立て直す。それから後退か前進かは双案練っておこう」

 謎は多いが怯んではいられない。


■■■


 大爆発には巻き込まれずに無事だった第四軍団は陸路、ユドルム方面軍と戦闘中。一個軍団だけで孤立しては危険なので第十九軍団を応援に向かわせる。他の戦線でユドルム方面軍が動かないように攻撃だけは続けさせる。

 第五、第六、第七、第三軍団の前衛は安否不明で、爆破地帯はしばらく再凍結しても氷が薄く、通行不能。生存した後衛は、足場の氷も衝撃でひびが入って不安定なので早期に後退させて再編を急がせる。兵士も兵器も指揮官も大量損失したので再度組織化を図らねば使えない。

 第一軍団は三方向、シャルキク、マトラ、ザカルジン各軍から逆襲を受けて敗退。後援していた第八軍団もそのまま後退させる。第三軍団の戦線離脱でこの方面の攻撃態勢が崩れた。防御へ移行しなくてはならない。

 第二軍団はマトラ方面軍が隙を見せたと思ってコショル川を渡ったが、急反転してきたダグシヴァル兵に拘束される。またそこを突破口に出来ると思い第二十軍団に応援を要請していた。ルラクル湖での攻勢が順調であれば正解であったが、今は非常に良くない。第二軍団には後退を、第二十軍団には第二軍団の後援を命令する。間に合うか?


■■■


 その後、第二軍団は壊滅状態になりながらも何とかコショル川東岸に逃げ延びた。彼らを攻撃していたダグシヴァル兵の主力は用事は済んだとヒチャト回廊攻略に戻った。その間にも侵攻は進み、回廊への進出は着々と進んでいる。山岳兵を増員、編制しているがどこまで効果があるものか。龍人兵が欲しいが、白龍甲兵の壊滅、後送からの解隊以来黒龍公主は前線に送って来ない。

 ダンランリンの防衛は第八軍団が、その南の山岳地帯は第二十軍団が受け持つことで以前の状態に復帰出来た。逆襲に食い込まれることは防いだ。

 壊滅状態に陥った第一、第二軍団はその後方で再編制する。

 氷上の大爆発でおそらくそのまま再編しても第五、第六、第七、第三軍団は二個軍団分にもならないと見られている。待機中の補充兵全てを投入しても足りないが、充足させねばなるまい。

 安否不明だった、陸に取り残された四つの軍団の各前衛は混乱している最中に主に騎兵軍から一斉同時攻撃を受けて壊滅したと判明。そして殺されて小人や一部の過激な遊牧兵の食肉となるか、捕虜となって即座に酷い姿で返って来た。にゃんにゃんねこさん、ぴょんぴょこうさぎさんというふざけた残虐刑である。

 この凍結攻勢でこちらが得た捕虜だが、これは悪く扱わずに中原へ送って再教育を施していずれ、戦後にでも戻す。目前の熱戦だけに意識を奪われてはならない。布華融蛮策ならば文明的に戦うのだ。

 この緊急事態にはランダン中央から二個軍団、第十七、第十八軍団を呼び寄せることでこの場を凌ぐ。これで戦線は以前の状態に戻さなくてはならないが、その時に行われるであろう苛烈な後退戦時に多くの犠牲が予測される。犠牲を払った後のことを考えれば少し遅れても予備兵力は投入出来る位置に置いておきたい。

 日は冬至、下天の節に至る。

 寒さと暗さは天候だけのせいではあるまい。

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