第143話・第五章までの主要人物、国家

*ネタバレを含みます。いきなり読まない方がよろしいでしょう。

*作中では語られていない設定も少し含まれています。第五章終了時点までのことなので、疑問なところがあれば疑問のままにしておきましょう。

*第四章までの主要人物、国家紹介で説明した箇所の一部は省略します。

*地図は近況ノート参照



●9年目・冬

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○9年目・春

 01話:人捜し

○9年目・夏

 02話:神の鞭 ~ 17話:中央同盟結成

○9年目・秋

 18話:西部戦線開戦 ~ 19話:双頭の犬

●10年目・冬

 20話:北の獅子 ~ 21話:年末

○10年目・春

 22話:点数 ~ 26話:処刑と結婚


●魔神代理領

 戦災復興は凡そ遂げた超大国。神聖教会に対しては友好中立を保ち、中央同盟とロシエ王国に対しては敵対中立でもって間接的に戦争に関与した。

*レスリャジン部族

 新たにスラーギィ県にて発足した独立軍事組織。主要な産業は放牧と傭兵。


○ベルリク=カラバザル・グルツァラザツク・レスリャジン

 男:セレード人

 イスタメル州第五師団師団長 > レスリャジン部族頭領にしてマトラ人民義勇軍共同指揮官

 主人公。正規軍は辞めて独立軍事組織の長となり、初仕事を大成功させた。”神の鞭”と呼ばれてご満悦。二度目の結婚をした。

*レスリャジン部族八氏族

 アベタル氏族:旧セレード王国属

 スタルヴィイ氏族:旧セレード王国属

 シトプカ氏族:旧セレード王国属

 フダウェイ氏族:旧セレード王国属

 スラーギィ氏族:アッジャール人やオルフ人の混合新設氏族

 カラチゲイ氏族:アッジャール系

 ムンガル氏族:ラグト系

 プラヌール氏族:ジャーヴァル北部系

 ・レスリャジン氏族は部族昇格により表記無し


○アクファル

 女:レスリャジン部族

 ベルリク付き秘書

 あらゆる面で兄ベルリクを補佐。シゲヒロとの婚約は近い?


○ヒナオキ・シゲヒロ

 男:アマナ人

 ベルリク私兵

 突撃時にはベルリクの傍に付き、鏑矢戦法、大将首獲りにて活躍。アクファルの放った毒塗り弾丸を腹に受け、五章終了時点では苦しんでいる。


○カイウルク

 男:レスリャジン部族

 レスリャジン部族頭領代理

 頼もしく成長したベルリクの親戚。部族の統率、管理、指揮共に卓越してきた。


○ラシージ

 マトラ妖精

 イスタメル州第五師団副師団長 > マトラ人民義勇軍共同指揮官

 ベルリクの正規軍辞職に追随。期間を通して合計で十万に迫るマトラ人民義勇軍将兵と装備をマトラから戦地まで派兵し、そして無事に帰還させた。


○ルドゥ

 男:マトラ妖精

 ベルリク直属偵察隊隊長

 全自動スパイ発見機。ジルマリアの排除は配慮した。


○ゾルブ

 男:マトラ妖精

 マトラ人民義勇軍第一師団師団長

 見た目だけなら凡庸な男。常に堅実な行動を取れる安全牌。ランマルカ帰り。


○ゼクラグ

 男:マトラ妖精

 マトラ人民義勇軍第二師団師団長

 妖精にしては珍しく髭を生やした、バシィール城連隊結成以来の傷だらけの古参。ベルリクとラシージの戦い方を身に付けている。


○ボレス

 男:マトラ妖精

 マトラ人民義勇軍第三師団師団長

 妖精にしては珍しく太い体をしている。考え方や発想が特異で、”親分”ラシージにも遠慮無く意見を言う。


○ジュレンカ

 女:リャジニ妖精

 マトラ人民義勇軍第四師団師団長

 お洒落で美人の元高級奴隷。判断が素早く、壊走しかねない劣勢でも戦線を保ち続けた。


○ナシュカ

 女:アウル妖精

 料理長

 戦中は皆の舌と胃袋を支え、結婚式ではウェディングケーキを作成。

*給仕の妖精

 昔からタンタンに懐いていた妖精。


○ナレザギー

 男:メルカプール人

 持ち会社組織の長

 兵站業務と聖戦士作成で聖戦軍の戦局を優位にした。また南方物産の魅力を神聖教会圏へ改めて強力に宣伝した。


○アリファマ

 女:グラスト人

 グラスト魔術戦団筆頭術士、グラスト分遣隊隊長

 騎馬砲兵より軽快に、そして重砲より強力な火力を発揮して戦場と後方整理で活躍。実戦で経験した戦訓を持ち帰る。


○ニクール

 男:ギーレイ人

 ギーレイ部族傭兵隊隊長

 あだ名はタンタン。夜戦にて恐ろしいまでの能力を発揮し、ナレザギーの金でベルリクに部族ごとほぼ買われた。


●神聖教会

 聖戦軍を呼びかけ、長年の懸案であった聖領と俗領の重複を、聖領が優越する形で解消させた。そして聖王を敵から輩出させることによって事実上味方に引き入れた。これにより実質的に神聖教会圏は緩やかに統一される、はずである。

*グラメリス

 メノ=グラメリス枢機卿管領の中心都市。地方名、人種名、都市名等の重複は都市国家の名残。方言程度の違いでも独立言語と言い張るレベル。


○ヴァルキリカ・アルギヴェン

 女:エデルト人

 第十六聖女、聖戦軍指揮官

 神聖教会圏最強の女。体力、権力共に豪腕で唸る今代聖女。現代における実質的な聖王の役目を果たしつつ、同時に母国エデルトの悲願である北領の併合も実現させた。

*アタナクト聖法教会

 神聖教会の中でも一番の強権を持つ会派。組織的であり実務的で、聖領統治のための官僚を多数育成している。

*私の額の目

 聖女の信頼する密偵。聖王親衛隊に捕縛され、拷問に耐え切って死亡。

*ルベロ・アントバレ

 ロベセダ王、ベルシア王子。政治的駆け引きによる何の苦労も無く王座に座る。地縁との結びつきは無く、土地の諸侯は皆独立精神旺盛で極めて弱体政権であり、神聖教会の後ろ盾無しでは何も出来ない。

*メリオ=レドアール・トギラ

 ギローリャ=ヴァリアグリ王。ギローリャではシェルヴェンタ辺境伯を筆頭に地縁との結びつきは強い。ヴァリアグリでもそこそこ有効な程度にある。

*アーチャルス・ヘトロヴク

 下ウルロン王。ヤガロ人であり、現地のエグセン人や南部人種との結びつきが弱くて弱体政権。そのために神聖教会によって傀儡化されている。

*ホストロ

 上ウルロン修道枢機卿。面白い人物ではない。

*ウルラシュ・ゼケルフュルティ

 オルメン王。ヤガロ人であり、現地のエグセン人や南部人種との結びつきが弱くて弱体政権。そのために神聖教会によって傀儡化されている。


○ルサンシェル

 男:グラメリス人

 グラメリス枢機卿、聖皇特使

 聖皇の代理である聖皇特使を務めて中央同盟との講和条約をまとめた。ジルマリアとは学友。


○クロストナ・フェンベル > クロストナ・フェンベル=グルツァラザツク

 女:エグセン人

 工作員 > 秘密警察指揮官

 通名ジルマリア。唯一生存が確認されている聖王カラドスの血を受け継ぐ者。聖女から各種任務を帯びたハニートラップとしてベルリクへ派遣される。求婚を受けるが愛は無く、どっちかというと嫌い。秘密警察を動かしての虐殺任務は個人的に大層気に入っている。


○セデロ

 男:フラル人

 アタナクト聖法教会修道司祭 > ウステアイデン枢機卿

 ノリノリでベルリク等傭兵軍を先導して降伏勧告を出し、従わずに滅ぼされた都市や城を見て静かに絶頂していた聖職者。”神の鞭”というあだ名を発案。


●エデルト=セレード連合王国

 神聖教会の力を借りて悲願の北領併合を達成した。しかし、かつて精強で勇名を馳せたエデルト軍は、先の大戦での人的損害と、そして戦後の軍縮体制のせいでやや陰りが見えている。

*イューフェ・シェルコツェークヴァル男爵領

 イューフェ村と裏通りの関所、という意の田舎。株主配当で小金持ちになったソルノクの手により無難に発展した。


○ヴィルキレク・アルギヴェン

 男:エデルト人

 エデルト=セレード連合王国海軍名誉元帥/陸軍名誉元帥

 父ドラグレクが失敗した北領戦争を、姉ヴァルキリカの力を大に借りて成功。称号肩書きは用途に分けて付け替えが効く立場。


○イレキシ・カルタリゲン

 男:ハリキ人

 エデルト=セレード連合王国海軍中佐

 エデルト本国とアソリウス軍間の連絡役。機密情報を多数扱い、何を公開し、何を秘匿するか任せられていた。


○シルヴ・ベラスコイ

 女:セレード人:魔族(シェンヴィク)

 エデルト=セレード連合王国陸軍少将、アソリウス島嶼伯

 将兵共にベルリクの虐殺行に難なく追従。施条砲による曲芸射撃を習得。鉄の塊である戦棍がヘタれるまで敵を殴り殺した。

*イルバシウス・ユーグストル

 いつも影ながら精勤中。良き父、良き将校。

*マルリカ・ユーグストル

 従軍して軽傷者を奇跡にて治療。重傷者を後回しにするのは軍隊式。父に似てマトモ。母、母方の祖父ガランドに似て体形は太め。ムチムチ。


○ヤヌシュフ・ベラスコイ

 男:セレード人

 エデルト=セレード連合王国陸軍准尉

 シルヴの養子。魔術”烈風剣”の使い手。一般セレード人もドン引きの”セレードの男”になってしまった。まともな将校教育はまだ受けていない。


○ソルノク・グルツァラザツク

 男:セレード人

 イューフェ・シェルコツェークヴァル男爵

 ベルリクの父親。堅実で真面目な性格。義理で行った株式投資で成功。

*リュクリルヴ

 ソルノクが再婚した神聖教徒の女性。

*エレヴィカ

 グルツァラザツク家の長女。ベルリクから見たら次女である。

*サリシュフ

 グルツァラザツク家の次男。

*ヴァディリク

 グルツァラザツク家の三男になるはずったが死産。


●ロシエ王国

 財政崩壊によって王国は分裂の危機を迎えることになった。カラドス王朝としては分家とはいえ同族から聖王を輩出したものの、今やカラドス王朝そのものが排出されかねない状況である。レガリアであるロシエの王冠を被る者が王国の、ひいてはロシエ、ユバール、アレオン三王国の所有者であったが、それも過去の物になりそう。

*ユバール王国

 ユバール王妃が女王の椅子に座る王国。ユバールの王笏がレガリア。

*アレオン王国

 ロシエ王の第一継承者、王太子が国王の席に座る王国であったが、現在は魔神代理領ハザーサイール帝国の占領下。アレオンの王剣がレガリア。

*エルズライント辺境伯領

 忠義に厚いことで勇名なバルマン人の軍閥の中では筆頭株。ロシエ人ならば大公を名乗って良いくらいの規模。

*アラック地方

 アラック人は血の気が多いことで有名である。ロシエ化は程度進んでいるものの、ロシエに征服される前の歴史的記憶はまだ忘れられていない。

*南大陸植民地

 南大陸西岸部一帯の植民地。内陸部には魔神代理領も千年単位で手こずってきた部族が割拠しているので進出出来ていない。港の点と海路の線で繋がっているような状態ではある。

*新大陸植民地

 エスナル王国に一部を売却して減少。更に財政支援が滞っているので維持も困難。

*ベバラート

 正確にはロシエ領ではないが経済的には実効支配をしている。軍権は無い。準レガリアであるパシャンダの王珠、エブルタリジズを持つ者が利権代表者。


○アシェル=レレラ・カラドス

 男:ロシエ人

 ロシエ王子 > 聖王配偶者

 ヤーナに婿入りしたロシエ王国の第四王子。普通に可愛らしい少年。

*マリュエンス・カラドス

 王弟で外務大臣。

*カラドス朝

 聖王カラドスと血縁関係に無いことは公然の秘密。偉大なる一代目ご先祖様がそう名乗って大ロシエ王国の基盤を作り上げてしまった。あえてその点を説明するならば伝統の血より濃い継承と言い訳がされるのが伝統。


○ヴィスタルム・ガンドラコ

 男:バルマン人

 ロシエ王国東部軍元帥、エルズライント辺境伯

 ファルケフェンの兄。情勢的に長期戦は望めず、全正面同時侵攻による短期決戦を挑んで西部戦線突破を図るも無残に撃退される。


●北部

 かつての聖王の領域の北部。戦時には諸侯全てが北部諸侯連合に加入しており、エデルトとも中部とも違うという一体感が強い。沿岸部の諸侯は堤防を決壊させてまで抵抗し、講和条約のその日まで独立を維持した。

*ジーゲンホルク

 北部諸侯連合の要塞線の一角を担う都市。交通の弁が良く、攻められやすい。


○シアドレク四世

 男:南エデルト人

 ニェスレン公爵

 北の獅子公というあだ名を持つ。予言者じみた先読みを行う危機察知の奇跡を使える。先の大戦以来、ヴィルキレク王子とは友人の仲。


●中部

 かつての聖王の領域の中部で中心部。カラドス=ファイルヴァインを中心にした街道網が広がる。

*カラドス=ファイルヴァイン

 聖王領、そしてグランデン大公領の首都。ファイルヴァインと省略されることが多い。

*キトリン

 昔は銀が採掘されると騒がれた以外はド田舎。メイレンベル伯領に隣接。

*ザルムヘン

 ザーン連邦に近い都市。

*テオロデン

 メイレンベル伯領首都。

*アンブレン修道院

 上ウルロンのツゥトルレー伯領にある修道院。公的には農場。

*オルメン

 ウルロン山脈より北にある都市。サボ川とモルル川の合流地点、イーデン川の始点。河川交通の要衝である。

*ベイナーフォンバット

 オルメン王領東部防衛の拠点。


○マリシア=ヤーナ・カラドス=ケスカリイェン

 女:ロシエ人

 メイレンベル伯爵 > メイレンベル大公、中央同盟盟主 > 第二聖王

 親しい者からはヤーナと呼ばれる。政治に一切興味を示さず、領民を虐殺されても我関せずと農作業と酒造りと音楽に没頭。


○アルドレド・コッフブリンデ

 男:エグセン人

 グランデン大公 > 中央同盟名手補佐 > 聖王宰相

 古いあだ名は鉄心公、身内からはご老公と呼ばれる。三十年前の北領戦争では失敗した中央同盟の結成を成し遂げる。講和条約締結後に老衰死。グランデン大公は聖王の宰相とされていたので、極めて短期間ではあるがその立場にいた。


○ユルグスト・ナルバネスク

 男:エグセン人

 グランデン大公領財務長官、宮中伯

 ハルメリーの夫。フィルエリカには嫌われて暴力を良く振るわれる。普通に優秀な文官。

*ハルメリー

 フィルエリカの十四歳下の異母妹。人質にされた折、フェンリアが射殺。

*ディタバルト

 フィルエリカの甥。人質にされた折、フェンリアが射殺。


○フィルエリカ・リルツォグト

 女:エグセン人

 聖王親衛隊隊長、キトリン男爵

 副主人公。年増の独身女だがこれまで六人を産んで、七人目を妊娠中。暗殺任務を良くこなす戦いの名手。耳は音楽演奏と索敵に使えるほど優れる。偽名ユルグスト・グラーベ。

*アルヴィカ・リルツォグト

 長女。カラドス=ファイルヴァインで活動。色っぽい変態。

*エマリエ・ダストーリ

 次女。聖都で活動。細かやかな仕事に定評。

*ハウラ・リルツォグト=ロシュロウ

 三女。ロシエにて密偵として活動。

*フェンリア・リルツォグト

 四女。アルヴィカ保護下。事務仕事も出来る射撃の名手。

*ポルジア・ダストーリ

 五女でエマリエの養女。エマリエの後継として教育中。

*ルメウス

 カラドス=ファイルヴァインの画家兼画商。フィルエリカの元愛人。

*ヴィグレド二世・ブンタファルク

 ナウシャルベン子爵ヴィグレドの息子。ヴァッカルデン伯に滅ぼされ、盗賊に落ちぶれ、フィルエリカを襲って返り討ちに遭う。

*ハリーカルド・ボーエンデル

 ディッセン男爵。息子のストレンツ司教をフィルエリカに殺されて短い寿命が縮む程に落ち込む。

*アイゲストフ・グリュッヘン

 ザフリン公爵。中央同盟の盟約に反して参戦義務を履行しなかった。放火の混乱に紛れてフィルエリカに暗殺される。

*ライヘルム・ペンゼルコーヘン

 準男爵。有名な代闘士。マインベルト辺境伯軍の士官。ファイルヴァイン包囲戦でフィルエリカに射殺される。


○ハイベルト・ホルストベック

 男:エグセン人

 メンフルク伯 > グランデン大公軍指揮官

 フィルエリカの叔父。あだ名は傭兵伯もしくは借金伯。高潔が過ぎて金儲けが非常に苦手と云われるが、多少は不器用なりに裁量が効く。


○アブゾル・パンタグリュエン

 男:エグセン人

 傭兵 > フィルエリカのワンコ > キトリン男爵臣下の騎士爵

 没落貴族の生き残り。両手剣での一閃は縦に人間を両断する程。

*エゼリカ

 アブゾルの親戚。結婚に当たって親等では問題がない。

*アンブレン

 アタナクト聖法教会派で、無認可のアンブレン修道院の院長を務める


●西部

 かつての聖王の領域の西部。従来まで西部という区分は公式ではなかったが、ガートルゲン王領とナスランデン王領の出現で明確になった。

*ビュルベン

 デッセンバル公領で要塞の役目を持つ軍事都市。

*アトミュツ

 デッセンバル公領第二の都市。

*バールザール

 デッセンバル公領首都。

*ヘレンデン

 ガートルゲン地方を北、東、南に分ける交差点に位置。戦中は傭兵軍の工廠として活用された。撤退時には勿論破壊された。


○マロード・フッセン

 男:エグセン人

 ヴァッカルデン伯 > ガートルゲン王

 ガートルゲン戦役では決戦当日に裏切った。走狗伯とあだ名され、ガートルゲン王となり、走狗王に格上げ。野心が高い。


○シレム・パンタブルム=ユロング

 男:エグセン人

 クネグ公 > ナスランデン王

 老獪な年寄り。ほとんど戦わず、名誉も損なわずに領地を拡大して王号を獲得。愛郷精神が非常に高く、周辺地域の者を外敵と見做している。


●東部

 かつての聖王の領域の東部。東部は中部の範疇であったが、主流派のエグセン人ではなくヤガロ人が多数住み、文化も言葉も異なるので別途分けられる。

*セナボン

 フュルストラヴ公領にある、東部と南部の玄関口。

*チェストラヴァ

 ブリェヘム王領西国境の都市。

*ニェルベジツ

 ブリェヘム王国首都。


○ヴェージル・アプスロルヴェ

 男:ヤガロ人

 ブリェヘム王

 処刑した者達の剥製で飾った食卓を持つことや、他の貴族とは価値観が違うことから狂王とあだ名される。即位前は枢機卿就任を確実視された大司教だった。


●南部

 かつての聖王の領域の南部。俗領と聖領との重複が無数にあった。

*イスルツ

 南部とイスタメル州の国境近辺にある要塞都市。

*フェレツーナ

 市街地砲撃後、守備隊と市民を嬲り殺しにしたら降伏。

*ユーグフォルク城

 建物全てが破壊され、住民も皆殺しの憂き目に遭った。

*ニレキア

 ティレマ伯領。賢明にも即刻降伏。

*オペロ=モントレ城

 破壊後にヴァリアグリ方伯が降伏。

*アピラン

 羊の放牧が盛んな村。


○セベスハルト・ギューネンビュルゲン

 男:南エグセン人

 イスルツ市長

 寝耳に水の勢いで降伏した。後の惨状を考えれば英断である。


●ファランキア共和国

 南部沿岸にある都市国家。攻撃を受けてから降伏した。今回も損しかしていない。


●ペシュチュリア共和国

 南部沿岸にある都市国家。聖戦軍に素早く協力姿勢を見せ、海外貿易利権を手中に収めた。


●バルリー共和国

 ブリェヘム王国東隣の貧しい山岳国家。今回の戦いでは五万の傭兵をブリェヘム王国へ派遣した。一応は部外者面を決め込むことに成功している。


●ベルシア王国

 何の苦労も無く、政治的な要因で王子を一人派遣するだけでロベセダ王国を獲得した。そして一層神聖教会に対する依存度を深め、属国化されつつある。


●ザーン連邦

 緩やかな軍事同盟を結んだ都市国家連合。産業も乏しく、土地も湿地帯ばかりで耕作が困難で貧しく、海賊、河賊や盗賊が跋扈している。講和会議が首都で行われたので多少は権威が増した。

*スコートルペン

 貧しいザーン連邦内では一番裕福な街。連邦議会が設置されている首都。


@おまけ

 神聖教会圏の爵位等の定義。時代が経るに連れて名と実の不一致が発生している。

 聖皇:神聖教会の長。神聖教徒の長。聖なる神の代理人。

 聖王:神聖教会の守護者。聖戦軍指揮官。

 聖女:神聖教徒の擁護者。聖なる神の慈愛の象徴。

 枢機卿:聖領統治。直轄領地無し。自治法制定権は無い。聖皇を補佐する顧問。枢機卿管領の利権代弁者。国王位に相当。

 国王:世襲可能。世襲領地有り。独立している。王号は聖皇の認可が必要。

 大公:公爵の中でも力と名声に秀でている者を特別に尊称。聖王喪失以来、実質的に王号と同等。

 大司教:聖領統治。直轄領地無し。自治権が有る。神聖教会より一時的に大教区を任せられた高位聖職者。公爵位に相当。

 公爵:世襲可能。世襲領地有り。自治権が有る。国王より広範囲な部族領域を任せられた家臣。

 宮中伯:世襲不可。管理領地無し。自治法制定権は無い。国王を補佐する各部署の長官に与えられる名誉爵位。

 方伯:世襲不可。管理領地有り。自治法制定権は無い。国王より一時的に一地方を任せられた家臣。軍令権が制限されている。

 島嶼伯:世襲可能。世襲領地有り。自治法制定権が有る。辺境伯位より更に独立性が高い。エデルト独自で諸外国からは辺境伯と見做される。

 辺境伯:世襲可能。世襲領地有り。自治法制定権が有る。外勢力との国境地帯を任せられた爵位。免税特権の代償に常備軍維持の義務がある。

 伯爵:世襲可能。世襲領地有り。自治法制定権が有る。上位契約者から一地方を任せられた家臣。

 司教:聖領統治。管理領地有り。自治法制定権は無い。神聖教会より一時的に教区を任せられた高位聖職者。伯爵位に相当。

 子爵:世襲不可。管理領地有り。自治法制定権は無い。国王より一時的に一拠点を任せられた代官。軍令権が制限されている。

 男爵:世襲可能。世襲領地有り。自治法制定権が有る。上位契約者から一拠点を任せられた家臣。

 騎士爵:世襲不可。管理領地有り。自治権は無い。重装騎兵と供回り等の高水準な兵力を供給する能力が期待される。

 準男爵:世襲不可。管理領地無し。褒賞として身分と生まれと素行が確かな平民に与えられる。士官への昇進、官僚への就職、貴族との結婚が許される。一代では準男爵以上になれず、子の母が貴族の女でなければ二代目は平民。

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