第32話「妹アクファル」 ベルリク

 三七番居住地改め、三七番補給基地。以前に閲兵を受けたところが補給基地に改装されていた。スラーギィへの北路開通により、ここが一番中継地点、物資集積所として適当な土地であると判断されたそうだ。

 倉庫が増え、一般住宅が減り、周囲の木々が伐採されて地面が均された。土塁に空堀、木より高い監視塔、防御設備は拡張中の様子。

 中央広場には”初代にして永遠、第二の太陽、常勝無敗、我等が国家名誉大元帥ベルリク=カラバザル・グルツァラザツク・レスリャジンその勇壮たる騎馬像”がある。そう銘板が打ってある。台座は像に対して大きめで、栄光の歴史を伝えるよう彫刻が四面に掘られている。光臨、指導、勝利、希望、というような感じで物語になっている。当人ならば史実と神話の違いがよく分かる構成だ。

 極端な美化は今に始まった話ではないが、こうして形になると首筋が気持ち悪い。

 像は銀色にギラギラ輝いている。青銅に銀箔を張っていると思いたい。良く出来た顔は、顎を上げて威圧的に仕上がっている。三角帽、魔神代理領の将官用の軍装姿は正しいが、風になびく外套は一体何だろう? 突き出す右手に刀、下ろした左手に――真鍮じゃなくて金箔か?――黄金の玉を持っている。意味はあるはずだが……強い指導力と希望の太陽? 今更どうでもいいか。

 この像は待ち合わせ場所だ。目立つし妖精が群れてくるし、偵察隊が排除に大忙しだ。殴る蹴る、威嚇射撃、あっ銃剣で刺した。

 こんなことしなくても良いように妖精全体への指導要領を――暇になったら――ラシージに作って貰おう。

 そんな中、一人が偵察隊の実力行使を華麗な足捌きですり抜け、立ち塞がった偵察兵を足払いで転ばし、銃剣の刺突も優雅に紙一重で避けて身も長い髪も回転しつつ、優雅に目前に立った。同時にルドゥが銃口と銃剣を頭に突きつけるが、そいつは動揺せずに踵を合わせ、背筋を伸ばして敬礼する。

「旅団長閣下、報告します」

 ルドゥが銃剣の峰でそいつが目深に被った帽子を跳ね落とす。踊り子妖精だ。

「普通に来い馬鹿垂れ。殺すぞ」

「お邪魔よ根暗野郎。犯すぞ」

 彼女は兵士のように精悍な面構えになっており、前に会った時のそこらの妖精のような雰囲気は消えている。複雑な任務をこなせる自我の強い妖精であり、今はリーデルの隊商に便乗して情報収集を行っている。妖精だけでスラーギィを越えるのは現状では不自然なので、人間率いる御用商人一行という皮を被せたのだ。リーデルには”私よくわからないけど、こういうお仕事頼まれてるの。そうしないと偉い人に怒られるの”みたいな感じを醸し出せばどうにでもなる。

「改めて報告します」

 踊り子妖精には内外合わせた情報を調査させている。妖精相手だと内部調査も外部調査並みに大変で、報告を上げる方法が独特なのでミザレジのような特別な能力を持っていないと数値化どころか概要化も難しい。

 ミザレジは多忙で、任せる人材もいないので委任している。妖精なので人間と組織構造は違うが、彼女は情報局局長に相当する。さて、お手並みは?

「我々の商人はアッジャール朝ペトリュク領まで進出しております。それより先へ進むには商品の種類と量からして不自然になりますので状況が整うまで控えております。レスリャジン、オルフ、アッジャールの商人もマトラ県に顔を出すようになってきています。マトラ県では輸出入制限があり、交渉不可能な定価定量売買です。その点に関する苦情に、マトラ県以南にも進出したいという申請が合わせて来ています。ミザレジ県知事が直に対応しており、つまり話になっていないということです」

 あいつの口真似はちょっとできないが、労働者への正当報酬供給源防衛のために資本主義的攻勢を退ける……やっぱ止めた。マトラ県以南についてはルサレヤ総督の守備範囲だ。まさか総督にあのわけ分からん言葉でその案件の手紙を送っていないだろうな?

「またスラーギィより南に文明圏があると知れ渡ったことにより密入国者が増えています。森での狩り出しは順調です。オルフ人難民も多いですが、アッジャールの手の者もいます。またエデルト、バルリーの者もいました。情報員のほとんどはイスタメルの状況を探りに来ている者です。特にマトラの様子を探りたがっているのはアッジャールの者です。雇い主に関しては各国情報局の下部組織といったところで面白い事は無く、現状想定内です。また見込みのある者には教育を行っております」

 無い者にはどうなんでしょうね。家畜の飼料かな?

「マトラ県から出す輸出品は木材、鉱石、石炭のような原材料類で、オルフは内戦で価格高騰中。マリオル県の塩も同様で高騰中。順調に貿易黒字が増加中です。魔神代理領側の商人からの武器弾薬輸入量は増加中ですが、イスタメル州への販路がまだ確立しておりませんので遅々としております。民兵認定を受けておりますので不条理な値上げがされていないのが不幸中の幸いですが、金余り状態でもあります。装備調達を優先目標にしているため、利益の見込みが不確かで資金回収も容易に行えない金融部門には資金を回しておりません。借書取引を間に噛ませる方法も考案されましたが、妖精への信用が薄い状況なので保留しております」

 何時でも金を返してくれる借用者がいたら苦労しないよな。

「またアッジャール側の商人からは敵の武器を研究するために少数購入しております。こちらからの武器輸入を主流にすれば調達目標数に到達する時期は早まりますが、銃砲弾の規格が違って補給面で支障が出ますのでこの案は保留中です。なおアッジャール製の銃の発射試験結果ですが、悪いところはないという評価です。それから驚異的な点で言えば、製作した工廠の名前が違っても部品規格が全て統一されている点です。分解して複数の銃同士の部品を交換しても問題なく稼動します。中にはやすりを入れる必要があった物もありますが、簡単に調整可能です。更に種類の違う銃同士でも共通規格の部品が使われています。大砲に関してはまだ輸入できておりませんのでそちらは現地での調査となりますのでお待ち下さい。確実に彼らは先進工業国家としての力を持っています」

 ただ規模のデカいだけの馬賊じゃないというわけだ。

「オルフ圏で発生した内戦ですが、ペトリュクの王子イスハシルを指揮官に二十五万近い大軍で、ほぼ無血で鎮圧して回っております。オルフ全体で、正規軍のみで反乱勢力も数に入れれば三十万に迫る兵数を保有しております。各王子の兵とアッジャール王傘下の兵の混合ですので、情勢次第では王傘下の兵が消える可能性はあります。またオルフ人を速やかに徴集する手順も確立しているようで、内戦中にもかかわらず瞬時に一つの旧王領から二万以上を徴集した事実があります。内戦終結の日も近く、処罰されている王子達のほとんどが跳ねっ返りですので、終結後のオルフ全体の統率が強まる見込みが大きいです。最大動員数は、外征出来るかを度外視すれば五十万以上と試算されております」

 良い報せだなぁ。

「当初、イスハシルはお飾りの指揮官と思われておりましたが、頭角を表しつつあります。大軍に振り回されることなく指示を出し、機動と包囲で無血勝利を続けています。内戦ということで評価に一考の余地はありますが、現地では英雄扱いです。また故意にそういった噂を流している”節”があります」

 ”節”か。自分の勘も情報に足ると自信たっぷりなのか?

「一ついいか?」

「は」

「自分の勘はどの程度信じている?」

「は、的中か近似どちらか以外ありません。経験則です」

 マジかよ。

「ルドゥ」

「間違いありません」

 マジかよ。

「続けろ」

「は。そのイスハシルには魔性の魅力があるという噂は事実と確認が取れました。洗脳とまではいかないようですが、目を見て声を聞けば服従したくなる効果があります。劇的なようで、魔術の可能性が非常に高いです。ただし万人に有効ではありません。しかし周囲の熱狂に揉まれればそういう者でも乗せられます」

 外交交渉の席がある時はご注意ってか。嫌な相手だな。

「黄金の羊に関して、実体を煙に巻くような噂だらけです。故意に撒かれた噂が多く、暗殺防止策と思われます。実体を知るのはアッジャールの上層部のみか、身近な一部、そのような状況と思われます。噂の中で最も信用できるのは、その黄金の羊という異名と、稀に見るほど有能だという当たり前の情報です。その情報を元に本人と思しき人物を発見しました。これが似顔絵です」

 踊り子妖精が革鞄から絵を一枚出して手渡してくる。見れば、眉毛の形から小皺の位置まで精巧に描かれ、正面、横顔の二種類、その上色使いまで実像に迫る似顔絵だ。金髪巻き毛の中年女で、疲れた感じはするが結構愛嬌のある顔をしている。絵を返す。

「ペトリュクの都シストフシェに立ち寄った時、商人に混じって怪しい雰囲気の人間が多数おりました。情報員が紛れ込むのはお互い様ですが、その中に”におう”その女がいました。我々の畑の”におい”がしませんでしたが、異様に余裕がありました。磐石な土台のある支配者独特の余裕です。異名というのは色々なつけ方がされますが、単純に外見から来るということは多い話です。隻眼だの隻腕だのとは代表的です。その女は妖精達との会話を試みておりました。当たり障りの無い内容で妖精との会話方法を探っていました。喋り方、言葉の順序を変える、表現を具体的にしたり抽象的にしたり感覚的にしたりと試行錯誤。それぞれバラバラな会話内容を繋いでいくと、妖精との連絡手段を確保したがっている”節”がありました。ランマルカの同族は世界に先立つ技術を保有しており、マトラにも一部輸出されています。以前に見学なさいましたね」

 水力紡績機か。稼動しているところを見たわけではないが、あれはちょっと凄いよな。

「実質の宰相とされる、内政屋の黄金の羊がそれを欲しがるのは当然です。今後なんらかの交渉がされる可能性が大であります。それも旅団長閣下とです」

「それは何故だ?」

「妖精相手に人間が話し合いを求めるのが厳しいと理解したでしょう。交渉事ならば尚更です。私のような会話が成立する妖精もいますが、皆相手を選びます。窓口であるはずのミザレジ県知事が人間との話し合いを嫌がっているせいもあります。ならば、話が確実に通じる”妖精使い”旅団長閣下に直接交渉をしてくる可能性があります。以上です」

 直接交渉ね? 当たり障りなく挑発したいが、どうしたらいいかな? まあ、先の見えない話だけども。

「そうか、ご苦労だ。引き続き頼む」

「は」

 前に会った時の踊り子の格好の上に外套一枚羽織っただけに見えるが、顔つきだけで全然別人に見えてしまう。手段を選ばないような怖さだけならルドゥと同等。これが猫の皮被ってニャンニャンすれば馬鹿な男はメロメロになるというのが、今だけは想像がつかない。

「ところでリーデルとの旅はどうだ? 問題無いか?」

「彼は簡単に誘導が出来て労が少ないです。旅団長閣下の人選に感謝申し上げます」

 リーデルが聞いたら泣くな。

「適当にご褒美くれてやってるか?」

「今後の展開に期待させる程度にやっております。それから」

 急に踊り子妖精は微笑んで、

「私にもくれますか?」

 と外套をはだけ、露出の多い踊り子の服を見せながら顔を近づけてきたが、ルドゥがその可愛い顔の鼻の穴に指を突っ込んで「用事が済んだらあっち行け」と押し返す。

「失礼します」

 踊り子妖精はこちらにびしっと敬礼した後、ベーっと可愛くルドゥに舌を出して、帽子を拾って去る。

「付き合い長いのか?」

「幼い頃からの、人間で言う戦友に近いです。俺の子供を二人産んでいます」

 長い上に深いってか。それに子持ちかよ!

「結婚、ってお前等しないもんな」

「それに近い風習もありませんが、お互い別格ですから。うん、そう言っていいかもしれません」

 リーデルが聞いたら首吊るな。

「そうだ、あの子名前は?」

「ありませんが」

「そうか」

「つけますか?」

「今度でいいや」

 口にはまだ出していないが、踊り子妖精呼ばわりじゃ勿体無い働きだ。召使い頭もそうだ。今度ラシージにでもちょっと相談するか。もしかしたらそれを期に、埋もれていた有能な奴等が顔を出し始めるかもしれない。

 用は済んだので食糧、水を補給して移動。今回も塩商人に扮しているが、まともに売りに行く気は無い。


■■■


 森の道は以前の未開状態と比べようも無いほど拓かれている。木が根から引き抜かれ、草や大きな石が退けられ、段差は非常に緩い坂に均され、小さな沼や池も干拓され、道になったところに砂利が撒かれている。進んだ距離を報せる塚もある。馬車の車列の先頭で御者をしているが、揺れによる尻への負担はさほどでもない。

 橋は手すりつきになり、幅も道幅程度の大きな物になり、人二人と馬車二台が安全に並んで同時に進める。

 要所に休憩施設つきの警備所があり、武装した民兵が睨みを利かせている。橋の警備所は、まだ建設中だがちょっとした要塞になりつつある。そこでは内臓の漬物をごちそうになった。マトラの森の狩人の得意料理とかで、かなり好みの味だった。クセが凄くて臭みが好みにはまれば最高に病みつきになる。

 道に沿って流れる川の名前はダルプロ川と、スラーギィの人間が使う名をそのまま取り入れた。草原の部分のみをその名で呼んでいたが、山の源流まで名前を延長した。この川はスラーギィまで直通で流れているのだが、川幅が狭くなって流れが分散したり、逆に広くなって水深が足首程度になったり、段差あり、巨岩あり、水草だらけだったりと整備しないと小船も通れない。現在工事中。

 森を抜けるところに関門が現れる。そこがマトラとスラーギィの境界線。

 関門の防備は薄く、軍隊を足止めするようには作られていない。戦争になれば早期に放棄し、森の深さを利用した縦深防御を行う。あくまでも武装民間人を追い返せる程度。関税が設定されるとか状況が変わればまた税関職員のあれやこれやで拡大することになるだろう。

 スラーギィ側の関門に差し掛かる。こちらは建設中ながら、石垣に堀に土塁と豪華絢爛になる予定に見える。

 アッジャールの者らしき官僚が一人と、その兵士が少数、そして大半を占めるレスリャジンの兵が見張る中、開かれた門の前で停止。その官僚がキョロキョロと我が隊の顔を見て回っているので手招きしてやる。

「あ、人間だ。良かった」

 マトラ県から妖精だけの商人も一応出ている。あれの対応をするとか、ご愁傷さまだ。

「えー、越境する理由は?」

「行商です。荷は全部塩ですよ」

「荷の検査をするから手は……」

「分かりました。お前等これから検査だ、手は出すな! やって下さい」

 官僚は脂汗を袖で拭ってから、兵士に手で合図して検査を始める。

 護衛は精鋭、偵察隊。鋭い上に何考えてるか分からない目付きで、樽に入った塩を確かめる人間の兵士をジトぉっと見る。アレは大分気分が悪くなりそうだ。

 アッジャールが関門を設置した時の積荷検査の時に、状況が理解できなかった妖精と小競り合いになったと聞いている。アッジャール側が冷静に一歩引き、交渉を上手く進めて死人は出さずに済んだとか。ただの小国相手なら大国の威光と実力を振りかざして豪腕一撃とやってしまうところだが、お互い大国、それも今を輝くアッジャール朝ですらくすんで見える古くてデカくて強い魔神代理領。おまけに上手くやっているとはいえ内戦中という弱みがある。政治的配慮で胃が荒れそうだな。

 検査が終り、官僚が入国検査を終了させた証明の、署名をする帳面を出してきたので、イスタメル州マトラ旅団外資調達部、と書いておいた。ある人があると言えばあるのだ、嘘ではない。


■■■


 越境後は北のトクバザルがいるアラザン村へ直行した。以前と違い、村の周りを幕舎に家畜を囲う柵だらけになって規模が拡大している。家畜が混ざらないようにするのが大変そうだ。目印にそれぞれ飾り紐が括りつけられているが、全てではない。既に柵から出てヒョコヒョコ歩いている子羊がいたりするので、ある程度は諦めているようだ。

 これが恐らくは亡命希望者。ざっと見て百戸以上はある。更にざっとで四百人? 若い女も戦えるなら動員するっていうレスリャジンのやり方なら、二百人以上は兵力に数えられるか。

 何時から待ってたか分からないが、馬で周囲をトコトコ歩いていてた、疲れ顔のトクバザルが手を振りながら迎えに来た。馬車を通交の邪魔にならないようなところに置き、小道具を用意させて偵察隊を連れ、村の広場へ案内されて行く。

「よく来てくれた。希望者は全員、あー大体揃ってる。端の方までほじるみたいにやれねぇからよ」

「一応聞くが、怪しいのは混ざってるか?」

「家族丸ごと来てるのが証明だ。欠けてる家は無ぇよ。農民みてぇな間抜けな忠誠心振って家族を生贄になんてしねぇさ。しねぇから集まった」

「分かった」

 トクバザルが「家長は広場に集まれ!」と口に手を当てて上向きに大声を上げると、静かに、物がゴトゴト鳴る音が村中に響く。話声はわずか、あとは赤子や家畜の鳴き声。

 広場北側の端に立つ。偵察隊は全周警戒の配置につく。二人だけ、魔神代理領とマトラ旅団の旗を持って両脇に控える。これでこれから誰の下につくのか目で教える。

 各家長が椅子を持ち込んで、希望的な顔はせず、そわそわと不安そうにして広場に座りだす。自分と家族と子孫の将来を決めるだけに、全員が緊張している。個人間でひそひそ話をしている程度だ。

「思ったより多いよな」

「長老どもと仲が悪くなって居辛くなったんだよ。娘出せって言われて断ったんだ。そうなりゃ長老の方でどっからか用立てねぇとならなくなる。その先でも嫌だって言えば、面倒になるのが道理ってもんだ。俺達は家畜じゃねぇ。アレとコレとで種付けしてくれって言われて素直に、はい分かりました、って言えるかよ。声かけたのが俺じゃなきゃまだ倍以上集まってたぜ」

「そんな人望無ぇのかよ」

「俺は悪く無ぇ。爺さんかそのまた爺さんがその辺から普通の女拾ってきたせいだ」

「その血に寄ってくるのは蚊だけか」

「だな。蚊は選り好みしねぇし……うるせぇボケ」

 トクバザルが目を細めて、人差し指で列席者の顔を指しながら、うんうん小さく唸って数える。

「全員揃ったか? 来てねぇのは!?」

 家長達が回りを見やって、頃合を見て一人が「全員だ」と言う。

 小さく咳払いして声を作る。

「初めて見る者も、子供の頃に会ったことがある者も、最近顔を合わせた者もいると思うが、私が魔神代理領イスタメル州第二師団マトラ旅団旅団長、ベルリク=カラバザル・グルツァラザツク・レスリャジンだ。セレード王国イューフェ・シェルコツェークヴァル男爵ソルノク、レスリャジンのマリスラの息子だ。三角頭、妖精使いなどとあだ名を最近貰った。さて諸君の亡命についてはイスタメル州総督ルサレヤからの許可を得ている。亡命の条件としては、全員が我がマトラ旅団に加わり、今後騎兵隊として活動してもらうことにある。注意事項として、イスタメル州には空いた土地は確かに多いが、ここのスラーギィのようには広大ではないし、イスタメル州全体に散らばって放牧は出来ず、マトラ県内に収まってもらうことだ。今の人数ぐらいだったらまだ問題ないが、将来的には、今までのような暮らし方をするのなら確実に土地不足になる。息子の独立と放牧地の拡大も今までのようにはいかなくなる。代わりではあるが騎兵隊としての給料が出る。馬に乗れて馬を持っている者には給料に手当てがつくから貧窮することはない。今後、状況の変化は十分にあり得るが、どうしても今まで通りの生活が出来なくなることは覚悟してくれ」

 自由が奪われるという、かなり遊牧民にとって嫌なことを言ったが、渋い顔をしても不平を口に出す奴はいなかった。トクバザルが人を集める時に覚悟させたおかげだろう。

「マトラへ行く関門突破の方法だが、普通に通る。別に関門が塞がれても森から入ればいい。ここには現地に詳しい妖精がいる。森には森林警備の、密入国者狩りの妖精もいる。彼らに道案内をさせれば大丈夫だ。この点の注意事項としては、絶対にはぐれないことだ。森林警備隊は密入国者を殺すように命令されている。死にたくなかったらはぐれないことだ」

 こちらから話すことはこれくらいか? あとは現地で細かく言うくらいだし。家畜が迷子にならないようにとか、本職にわざわざ言ってもしょうがないだろう。

「質問を受け付けるぞ。挙手してくれ、指名する。答えられることには全て答える」

 数人挙手したので、端の方から指名する。

「そこの赤い服の白髪の父っつぁん」

「マトラってのはそんなに土地狭いのか?」

「スラーギィと比べたらかなり狭い。妖精のほとんどが森に住んでるからそっちは気にしなくて良い。平原の方は前の戦争で人はほとんどいない。それから水だけならこっちよりは豊富だ。セルチェス川って大きいのが一本あるし、支流やら湖もそこそこだ。それから一つ、給料が出るからそれで家畜の飼料買って育てるって手がある。家畜の買い手もここよりは多いから値もまあまあだろう。土地が狭い分を金でどうにかは出来る。県の外に放牧地を広げるって話は、それこそ向こうに移住してから役人との相談ってことになる。ちゃんと戦働きすれば邪険にはされない」

「面倒臭ぇのはどこも一緒か。ま、水場争いが少ねぇならいいや」

 一つ答えて、手が下がったりまた上がったり。次を指名。

「そこの目の玉足りねぇ兄さん」

「税はどうなってる? ここみてぇに軍役だけじゃねぇんだろ」

「魔神代理領で遊牧民が気にする税は所得税と住民税だ。所得税は給料や商売利益から引かれる税金で、金をたくさん貰っている奴ほど多く差っ引かれる。住民税は十六歳以上の成年に掛かる税金だが、初めて聞くと頭痛くなる話だが、扶養控除って減額される制度が結構あるんだ。例えば働けないような、十六歳以上の障害者や年寄りの分は免除、給料が規定額に達していない場合は減額……専門家に聞かないとちょっと説明しきれない。会社を作るなら法人税ってのが掛かる。手を広げて商売をするんならこれは勉強しないとダメだ。今まで通りに遊牧するならいいが、土地建物に掛かる固定資産税がある。幕舎には掛からないが、普通の家建てたり、農地作ったりした時に必要だ」

「全然分かんねぇぞ」

「とりあえずアレだ、稼いだ分以上を取られることは絶対に無い。人頭税減らすために家族ぶっ殺すようなことはしなくていい。あと人頭税は無いからな、宗教税も無い」

 他の顎の太い男が手も上げずに喋る。

「なあ、そもそも何で税金払うんだよ?」

「軍人には給料が出るだろう。それは税金だ。道路や橋を作る金も税金だ。税金の制度みたいに素人じゃ分からない仕事をする役人にも給料がいる。それも税金だ。国の皆で金回して豊かに、安全になるためにある。血ぃ流す代わりに金流すんだよ」

「やっぱり分かんねぇ」

 国家の檻の外で自由に生きてきた人間に理解してもらうのは難しい。そもそも税務署の役人でもないのに分かりやすく説明できるかよ。

 質疑応答は続いて、皆真剣なだけあっていい加減に答えられるものではない。

 遊牧社会と定住社会の差をよくよく認識させられた。一番が土地問題だ。土地権利については、県から公用地として借り上げて軍用にしてしまう等、返答出来ることもある。

 土地が足りなくなって県の外へ出ないとならなくなったら? これにはこの場で確実な答えられなかった。子供を作るなとも成長するなとも言えるわけもないし、暮らしを完全に捨てろなどとも言えない。何度か言うことになったが、軍功を上げて地位を向上させて発言力を得ろ、としか言えなかった。

 これ以上は話し合っても意味は無いというところで切り上げる。亡命前に決められる話はもう決めてきた。これ以上は無理だ。

 全員を納得させるというのは無理だと分かっていたが、いざ説明してそうなると気分が悪い。ただ、ここに隣接県の知事やらルサレヤ総督なんて連れてこられるわけもないし、これが最善だったと自分が納得するしかない。

 トクバザルの幕舎へ行き、蒸かしたニンニクとパンに、柔らかい山羊の肝臓の燻製を擦りつけながら食事を取る。

 溜息を吐き出して首を捻ると、トクバザルが首を撫でてきた。

「悪かなかったぜカラバザルよ。あれ以上は贅沢だ。話聞いて分かんねぇのはただの馬鹿だけどよ、馬鹿は馬鹿で何とか折り合いつける知恵はあるんだぜ。あれだ、歳食って何言ってるか分からねぇ糞ジジイの話聞いてるフリしてうんうん言うみてぇな? あ? 違うか、まあいい、それだ」

 そう言えば近くでこういうこと言ってくれる奴っていなかった。ラシージは仕事完璧で不満が漏れる隙も無いし、ルドゥは兵隊真っしぐら、召使い頭はそもそも会話が成立し辛く、踊り子妖精は付き合いが浅過ぎる。あれ、妖精ばっかりじゃないか! イシュタムは雑談に付き合ってくれるけどそういうもんでもないし、ルサレヤ総督は賢者のババ様みたいに有難いお言葉をくれるけど、違うな。ハゲ師団長はどっちかというと敵、というか仇か? 泣き虫師団長は、そういえばまともに会話したことも無い。側に居るだけで全て良しのシルヴは海の向こう側……予想以上に孤立している”におい”がしてきた。セリンがいるけど、あれもまた方向性が別だ。家族とは素晴らしい。

「凄ぇ文句垂れられると思ったけど、そうでもなかったよな」

「そりゃ住んでたところ捨てるってんだ。そういう覚悟はあるぜ。行った先で誰とも殺し合いの必要が無ぇだけで儲けもんだ。狭くても、実際草の生え具合も見ないとあれだが、今時空き地なんて蒼天の神の恵みってなもんだ。砂漠でも無けりゃ、”死の風”だってないんだろ?」

「”死の風”って吹雪か?」

「ここじゃ幼獣は雪に埋まって、成獣は動けなくなって死ぬ風のことだ。土地土地で具合は違うんだけどよ、とにかく蒼天が血に飢えてる日のこった」

「マトラに住んで一年以上にはなるが、そんな目に遭ったことないな。セレードよりゃ気候はいいぜ。まあ半端に寒いせいで気持ち悪ぃけどよ」

「そりゃいい」

「スラーギィに吹くのか? その風」

「冬の初めあたりだ。いつもならマトラ山からの吹き降ろしの空っ風で終わるんだけどよ、北風吹くのが早いとそれとぶつかってよ、草原だから遮るもんも無ぇし、凄ぇ風でとぐろ巻くんだ。北と南が交互に風吹かすんだから風向が変わっても全然弱くならねぇんだ。おまけに両方強い日にゃ外に出られたもんじゃねぇし、両方弱い日見つけて動くしかねぇんだ。北風が雪降らすのは毎年のことだがよ、南風がまた積もった雪を巻き上げやがる。地面に大した雪積もって無ぇのに生き埋めになってくたばるのもいるぜ」

 トクバザルの奥さんが出したお茶に息を吹いて冷ましながら飲む。

「おうそれと、馬鹿息子の足が治ったぜ。気づいたか? お前の目の前にいたぜ」

「あ? 全然分かんねかったな」

「あれだよあの馬鹿垂れ、税金なんで払うんだって言った馬鹿だよ」

「あいつか? 何であんな馬鹿なんだよ」

「あいつなぁ、母さんが教えるってのに字も覚えねぇでよ。男の仕事は外にあるんだよとか言ってな、まあそういう奴だ」

「それで足折ってんのか?」

「おうよ。ホント、ガキん頃から何発ぶん殴ったか分かんねぇ」

「へっへへへ、あーそりゃ後で良いや。アクファルはいるか? 顔見たいんだけどよ」

「その前に、お前とこの前話した時と事情が変わってな、先に聞いて欲しいんだよ」

「おう?」

「アクファルがあの後求婚されたって報せが来てな、お相手がアレだ、あいつ、あいつだ」

 トクバザルがまぶた抓ったりして苦しそうにし始める。

「誰だよ」

「イスハシル」

「どこの?」

「黒鉄の狼イディルの息子、王子イスハシル本人からだ。本家筋の一番良いとこのフルンって女との婚約を初めにしたんだが、アクファルと結婚できるかどうか確認するまでそれは保留ってな形からの申し込みだ。カラバザルに親権移譲する話になってるから返事を待ってくれって言ってある。たまげたぜ。手紙なんざ書いたの、あー、うん? 三十年振りくらいか」

 珍しく頭が真っ白になった気がするが、首が繋がっているという最大の利点を思い出す。生きてればどうにもなるのが人生だ。

「俺がはい、いいえって返事するのをお偉いイスハシル殿下に、フルンって女の親が刀研いで待ってるってことでいいんだな?」

「そうだ。亡命する前の俺じゃ、はい以外の答えが出せねぇんだよ。分かるか」

「それくらい分かる。本人は何て言ってる?」

「誰に似たんだか、家長が判断することです、だと。その王子様から直接求婚された時、目の前で言ったんだとよ。あいつ男じゃねぇよな? 男でもそんなタマついてるのいねぇか」

「何じゃそりゃ。母さんにやっぱ似てるのか?」

「マリスラはもっと感情的だ、それに無駄に喧嘩腰だ。堂々してる度胸はやっぱりあいつか、親父に似たな……喋り方は誰に似たんだ?」

「こっちの親父が分からねぇってなんだよ!」

「うるせぇな。おう母さんや、誰だ?」

 奥さんが縫い物を補修しながら言う。

「誰でしょうか」

 この人か。そう言えばトクバザルにまるで似合わない上品さがある。どっかから略奪してきたお嬢さんか?

 お茶を飲み干す。少し目を瞑って、熱さが過ぎて、意外に簡単に考えが固まった。家族だ。

「考えは決まった。呼んでくれ」

 トクバザルが奥さんの方を向いて頷き、奥さんが外へ行く。

 トクバザルが継ぎ足してくれたお茶に口をつけるかつけないかぐらいで、若い女が幕舎に入ってきた。まぶたが重そうな切れ長の目をしている。服と帽子の色が赤な上に羅紗で派手だが、それに負けてない”華”が何故かあり、どこにあるかが良く分からない。歩き方は力強く、男の兵隊が入ってきたかと思ったぐらいだ。国の兵隊として訓練されたように直立して礼を行う姿はそれを”におわす”。どんな育て方したんだよ。

「お初にお目にかかります、お兄様。アクファルと申します」

「カラバザルだ。思ってた以上に美人でびっくりだ。従兄妹だったら俺が嫁に貰ってるとこだ」

「ありがとうございます」

 礼儀正しいと褒めるべきか、他人行儀は止めてくれと言うべきか。

「座ってくれ。あとそんな固っ苦しいのは止めてくれ、部下でも上司でもないんだ」

「はあ、性分ですので」

 手先を上下させ、とりあえず座れ、とやる。アクファルは座る。

 どういう話題から振るか考えたが、今の内に面倒な話は済ませてしまうかと考えた。

「面倒そうな話を先に済ませるぞ。俺にアクファルの親権を移すって話は聞いたか?」

「はい」

「どう思う?」

「そちらへ亡命するとなった以上は合理的かと思います」

「そうじゃなくてだな、嫌か嫌じゃないかって話だ。気持ちの問題だ」

「ですので私は合理的だと思っております。お義父様より立場が強いお兄様の方が何かと裁量が利くのでしょう」

 おっとアクファルちゃんめ、小娘らしからぬ理屈を言いやがる。

「それは分かった。次にイスハシルの王子様との結婚はどう思っている?」

「私は生まれてからまだ十数年、幼く未熟です。お義父様、お兄様のように世間を広く知っているわけではありません。考えるまでもなくお二人は正しいこと、すべきことについては私より遥かに多く理解されています。また私の将来について真剣に考えてくれているものと信じております。であるならば、私のいくら熟考したところで浅慮となる意見を出したところで自分のためになりません。この身はお預けします」

 反論出来ないほど論破してくる奴が世間知らずを自称するとはこれ如何に?

「じゃあ、まずそのイスハシルって男についてどう思った?」

「体格も良く、誠実さも認めるところです。私に対する理解も少なからずあると見えます。あの方以上の男性との縁談というのも今後有り得ないでしょう。所謂奇跡だと思います」

 なるほど、非の打ち所無しってことか。

「結婚したいか? アクファルがしたいのなら俺は駄目だなんて言わないぞ」

「それで先ほど言ったとおり、私の意見は所詮浅慮なものです。お任せします」

 腕を組んで考える。あちらに嫁いだ場合の長所、短所だ。長所は無論、帝国様の王族の仲間入りだ。場合によっては産んだ子が未来の王になる可能性がある。しかし、アクファルがそのような地位、権勢を欲しがるか?

「アクファル、もしお前が未来のアッジャールの王を産むかもしれないと考えたことはあるか?」

「可能性はあります」

「魅力を感じるか?」

「感じません」

 長所は意味無し。短所だ。

「伯父さんよ、アッジャールの貴族って政治の都合で良く死ぬか? 最近の話だ」

「もう処刑されて本国に送られたって王子が何人かいるのは知ってるか? 嫁さん方の話まではハッキリ入ってきてないが、良くて故郷に身一つで帰れたってぐらいじゃねぇかな。居ても無駄飯食らいで良いことは無ぇ。邪魔だろ」

「縁談は断るが、少しでも気になることがあるなら今の内に言ってくれ」

「ありません」

「しつこいけど、いいんだな? 奇跡の縁談が無くなるぞ」

 近寄って、顔を近づけて目をジっと見る。

「信頼しております」

 相手の機微を見ることが出来るこの目でも、嘘偽り後悔すら一切無しと読み取った。この子、頭が変な方向にキレてるんじゃないか?

 思いっきり笑顔を見せてみると、アクファルは全く表情を変えない。目に動きすらない。頬を両方抓ると、肌は若々しくプルっとしている。そんなことより指先から強張り、緊張も伝わって来ない。これでも多少人間らしい反応をしないということは、感情がちょっと欠けてるのかもしれない。

「数少ない俺の家族にお前はなる。他の全てを捨てることになっても守る気でいる。それは時に厚かましかったりする、息苦しいかもしれない。いいか?」

「信頼しております」

 また目に動きは無かった。大体付き合い方は分かった。もう少しじゃじゃ馬の方が楽しいかもしれないが、聞き分けが最高に良いのもそれはそれで良い。

 何はともあれ、家族に理屈は不要。

「分かった。ルドゥ!」

 幕舎の中へ、チラっとルドゥが顔だけ出す。

「何だ大将」

「今後、このアクファル、俺の妹を俺の様に守れ。俺の二つ目の心臓だ、分かるな」

 ルドゥが、暗い目でアクファルを見据える。短い時間だったと思うが、空気が油にでもなったかと思うほど重苦しかった。相変わらず基準は分からないが、受け入れ難いのか?

「了解だ大将。死守する」

 ルドゥが顔を引っ込めると空気が元に戻る。言動一致の妖精ならば問題は無い。自我の強い妖精の場合は”応用”を利かせてくるだろうが、そこまで考えてもどうしようもない。

「妖精見るのは今日が初めてか?」

「はい」

「あいつら人間と頭の作りが違うからな、変なことしてても気にするな。今日連れて来た連中はむっつりしてていかにも兵隊って感じで目付き悪いが、普通の連中は頭のネジ外れたガキみたいな感じだ。慣れれば可愛いぞ。言葉喋る犬みたいでな」

「はい」

「さっきの目付きが特に悪いのがルドゥだ。あいつの他にもラシージっているんだが、そいつは普通の妖精と違って話がまともに通じる。それとさっきあいつは死守するって言ったが、本当だ。あれで死んでも守ってくれるぞ。妖精達はな、人間が思ってるより遥かに自分の命を軽く見てる。それを分かった上で、何かあったら遠慮なく死んでもらえ。あえて言うと、覚悟しろ」

「はい」

「まあ何を言っても後は実際に会ってみるしかないな。妖精がアクファルにどんな反応するか分からないしな」

「はい」

 全部「はい」で答えやがった。いい加減に聞いていた風でもないが、無味乾燥な感じだ。まあ、感情を引き出すような無理な駆け引きをすることもないか。

 今日は村に泊まり、明日の明朝には村を立ち、なるべく早くマトラへ入る。だから酒は無しだ。

 アクファルとは寝る前まで話をしたが、こちらの問いに対して「はい」「いいえ」「分かりません」の三つで対応し切った。反対に話を聞かれることはなく、何か無いかと問えば「必要あれば遠慮なくさせて頂きます」と、ぐうの音も出なかった。

 今は動きを見せていないのだろうが、アクファルの首をレスリャジンの本家筋は欲しがっている。イスハシルに殺したことがバレたらマズいから慎重なのだと思うが、機会は常に伺っていると見て間違いない。内戦でお忙しいイスハシル王子なんかがアクファルを守れるものか。イスハシルが守りたくても、その回りの連中が守りたいかは別だから更に信頼など出来ない。政治的にはそのフルンと結婚するのが正しいからだ。

 こんなところに可愛い妹を置いておけるわけがあるか。ここにいたら結婚する前も後も利益と怨念で狙われる。

 手紙を出す、宛てはイスハシル王子。ちょっと茶化す文面を思いついたが、それは止めよう。

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