この時期に他クラスと揉めるのはきっと間違っている⑥
トレードが決まった翌日から春埼夜空と澄風隼瀬は2組になった。
これでこの件は終わり、そう思っていたがそうでもなかった。
昼休みになると相手のクラスである3組は、怒って2組の教室へとやってきた。
「おい!お前らどうゆう事だ?」
あれは
「おい!澄風!どうゆう事だ?説明しろ!」
そう言い放ちながら愛甲は澄風に距離を詰めていく。
澄風は何も言わずに黙っていた。
「おい!このクラスのパトロンは誰だ?」
一応このクラスのパトロンは僕、春埼明空、弥武玲奈、立花優、藤咲光である。
輝音が言うにはパトロンであることは、無所属チームの人に情報が漏れてはいけないらしいので、無所属チームの人は知らない。
それにこの状況で『自分がパトロンである』とは言いたくはないだろう…
そんな中、四尾真希が言葉を発した。
「私は誰が、パトロンか知ってるわ!」
「誰なんだよ?」
ここでパトロンの名前が出てしまうとまずいことになるが…
「教えるわけないでしょ!それよりあなた誰よ?」
「俺の名は…」
「聞いてないわ!勝手に名乗らないでくれる?」
面倒臭い奴相手によく相手するものだ。あんなやつ無視しとけばいいのに…
「あ?お前舐めてんのか?」
そう言うと愛甲は拳を四尾の体に向かっていく。
まずい…そう思った時には遅かった。
殴られた音と同時に後ろに飛ばされた。
それを見て、数人の女子が悲鳴をあげた。
だが、殴られたのは四尾ではなかった。
四尾は何もなかったように、平然とその場に立っている。
「あなた、誰を殴っているの?」
「お前!」
そう言うと愛甲はまた殴ろうとする。
また、殴られた音がなるがまだ四尾は平然と立っている。
そして四尾はクスッと愛甲をバカにしたように笑った。
「あ、なんだ?」
「あなたずっとを何しているのかと思うと、笑けてきまして」
そう言うと大声で笑った。
するとそこに先生がやってきた。
「おい!お前ら何やってんだ!」
そう言いながら入ってきたのは1組担任の柿本だった。
「大丈夫か…」
そう言って先生は四尾の代わりに殴られていた澄風の元に駆け寄った。
「いえ、お嬢様を守るのが僕の使命ですから」
そう言うと何もなかったかのように立ち上がった。
「お嬢様、お怪我はございませんか?」
「えぇ、おかげで。」
確かにお嬢様というのは四尾のことで間違いないだろう…四尾は国内有数の会社の令嬢だし…でもあの言い方だと…もしかして澄風は四尾家の執事なのだろうか?
「澄風!」
「なんでしょうか?三谷くん」
「澄風って…」
「そうです。僕は四尾様に小さい頃に中東のスラブ街に1人でいたところを拾ってもらいまして、それからずっと働いています」
ということは、あのトレードは四尾が意図して澄風をトレードしたということになる…
「澄風も職員室に来い!」
そうして愛甲と澄風は職員室へと連れていかれた。
この物語に正解を求めるのはきっと間違っている ハシノアサヒ @Hasinoasahi
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。この物語に正解を求めるのはきっと間違っているの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます