クラスメイトをトレードするのはきっと間違っている⑤

3組とトレードに関してのパトロン同士の話し合いが日曜日の午前より行われた。


いざ話し合いの時間になって驚いた。3組のパトロンはたった1人だからだ。

最初の時に先生はパトロンは奇数人でいいと言っていたが、まさか1人だとは驚きだ。

これでは3組のパトロンは独裁者であるため、もう終わったと言っても過言ではない。


「あ、初めまして…僕の名前は澄風隼瀬と言います」


まさかパトロン自らがトレードするとは思いもしていなかったので、驚いた。


「えっと…」


「正直に言うと相手は誰でも良いんです…ただ、3組のクラス代表候補がパトロンが誰かを見抜いてしまいまして…なんで…桃山だけはやめてくれということなんですが…」


「じゃぁ、なんで前のトレードは断ったの?」


「桃山をトレードにだしてきた、相手ならどうせこの2人もしょぼいんだろうと言われまして…」


「結局、3組は誰が欲しいの?」


藤咲が直球に聞いてくれたことによって話が早く終わりそうだ。


「正直…トレードする気はないらしいんです…」


「お前の意見はないわけ?」


「僕はどうでもいいですし、それにパトロンになりたかったわけじゃないんです…ただ放課後になっても寝ていたらパトロンになっていただけで…」


「そしたら、お前が2組に来る気は無いの?」


「僕はどっちでもいいんで…」


「そしたら決定」


そう言って藤咲はトレード用紙に名前を書き始める。


桃山桃々、吉岡望

↓↑

春埼夜空、澄風隼瀬


「でも、これでは…」


「お前、なにに怖がってんだ!興味ないなら、2組に来てうちのチームに入れ!そしたら、何も言わない!」


いい事言ったと一瞬思ったが、単に脅してチームに勧誘してるだけじゃないのか…


澄風隼瀬は泣いていた。


どこに泣くポイントがあったのかは僕には分からないが、泣いていた。


そうして、澄風隼瀬はトレード用紙にサインをした。


これにより、トレードが成立した。


これで春埼明空との最初の約束を守ることが出来た。








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