魔族と人族の争いが収まって五十年、長らく魔界を出ることのなかった魔族が五十年ぶりに人界を訪れる。
日記の筆者は敬愛する魔王様の指示に従い、人族と魔族の関係改善のため、人族と交流することになった。
お人好し愛され魔族が辺境の村で生涯の親友達と出逢い、人界中を廻って歴史に刻んだ足跡、その実情を綴った日記は、千年の時を経てその子孫や後継者の手に渡る。
聖書とも禁書とも呼ばれた日記は、魔王の足跡と共に偉大な祖らの少女時代をも鮮やかに残していた。
本筋が面白い上に、千年後の視点を覗かせる各章末の「閑話」を読むのが楽しみで、章単位で一気に読み進めてしまいます。読み始めてから読了まで毎日朝5時就寝の日々が続いてしまいました。
笑いとバトルアクション、別れと絆を詰め込んだ、最後まで読ませる長編です。