第3話 僕と彼女と彼女の母と
「あの…母に会ってイジメのことを言うんだったら辞めてください」
大方母親に心配させたく無いのだろう
「わかった。元々言うつもりはなかったのだがな」
「それならなんで…」
「大事な娘さんを貰うんだからな」
あれっ…、これだと結婚の挨拶に行くみたいだな
亜夜もそう思ったのか顔を少し赤らめている
「そうだ、俺の住んでる階空いてるから住まないか?」
「いやいや、そこまではできませんよ…」
「そっか…」
こんな話をしていると亜夜の家に着いた。
「ただいま」
「亜夜、学校は!?」
「お邪魔します」
娘が突然帰ってきたこと、そして男を連れてきた事に驚きを隠せていない様子だった。
「初めまして、私は柊誠と申します」
「ど、どうも。亜夜の母の柚月です」
「突然の無礼をお許し下さい」
「いえいえ…、それよりどうかなさったんですか?」
俺の体と亜夜の事について正直に話したいので亜夜には別室にいるように頼んだ。
「すみません、わがまま聞いてもらって」
「いえいえ、それよりお話とは?」
俺は娘さんを買ったと、後2年の命だと、本人には内緒という事でイジメのことも話した。そして、自分の過去を話した後どこか似ており惹かれたと。
俺が死んだら残りの財産は彼女に全て渡すと。
「そうですか…」
「はい、もし良ければ俺の住んでる階の部屋が空いてるんですが住んで貰えませんか?」
「いえ、そんな事は出来ないですよ」
「いえいえ、その階自体を買ってるので住んでもらいたいんですよ」
事実これくらいしか使い道が無かった。
寄付しろと言われるかもしれないがしている。
「でも…」
「お願いします、娘さんを少しは甘えさせてあげて下さい」
土下座をして頼んだ。彼女はまだ先がある
「頭をあげて下さい…、住むのはありがたく受けさせて頂きます。それと、ありがとうございます」
そういうと、土下座をした。
「辞めてください、俺がやってる事はただの自己満足…、本当なら殴られるくらいの事を言っているんです」
「明日業者を呼びますのでお願いします」
「こちらこそよろしくお願い致します」
「おーい、終わったよ」
別室の扉の前で声をかける
「随分と長かったですね」
「まあね、それより明日からこの家じゃ無くなるから準備しといてな」
「はぁ…?」
困惑しているようだが、後で理解するだろうと踏み俺は家に帰った。
僕と彼女と2年間と 黒猫 @Yazakai
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