意図地獄(仮

@yosiharagoro

1.意匠地獄

思えば子供の頃からそうだった。

テスト問題の「作者の意図を答えなさい」という設問に、誤った答えを出す級友たちの思考が不思議でならなかった。

何故、間違えるのか。間違えられるのか。

感じたままを書けばそれが正解ではないのか。

人が意図して「造り上げたもの」には意図が、露骨に、それはくどいくらい露骨に滲み出ている。


時々はその意図を鬱陶しく感じることもあった。

美術や国語の教科書、道徳の読本には、あまりにも意図に溢れた、そしてどこか押し付けがましく図々しい(と私は感じていた)作品をいくつも見つけることができた。

そのようなものを目にするのは少し苦痛ではあったが、正直に言うと、「これぞ感受性」という恥ずかしい自負心があったことも事実だ。

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