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桃化陶仙

桃化陶仙

安良巻祐介

おすすめレビュー

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★★★
★21
9人が評価しました
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本文ありのおすすめレビュー

  • 森町シマ
    10件の
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    ★★★ Excellent!!!

    淡々と忍び寄り、捕らえて、離さない

    主人公は物語の中で蝶のような何かに変貌してしまうのですが、文章は違います。読者にひっそりと迫りくるような、じめっとした、でもよく分からない気持ち悪さはまるで「蜘蛛」のようです

    蝶と蜘蛛というのは自然界では食う食われるの関係であり、この奇妙な作品世界に飲み込まれる読者は蝶、作者は蜘蛛、ということなのかもしれません

    それから語り口は落語そのものなのですが、会話がなく、内容はまさしくグロやホラーであるのに、恐怖はとんと湧いてこないのです

    また一文が長いのにテンポがよく、スラスラと読めてしまいます。不思議、奇怪、内容も含めて名"奇"文。素敵です

    • 2019年6月1日 00:17