詩)鵺の夜に

BE◆TpTpjDLL/PcC

鵺の夜に

炎帝の来たりて我を焼くと言う

面白いから燃やせと俺は叫ぶ

メラメラと燃えはじめた身体から

肉の焦げる酷い臭いが立ち昇る

面白いもっと燃やせと歓喜して

まだまだ燃やせと俺は叫ぶ

女がいい加減にしなよと喚く

まだまだ足りぬと俺は嘯く

鵺の出没する闇夜の中で

我を燃やせと鵺は叫ぶ


親父を孤独死させた我ならば

焼かれるに相応しい

天から落ちて地に還るまで

鵺となりて俺は蠢いている


雷帝の来たりて我を焼くと言う

面白いから燃やせと鵺は叫ぶ

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