13.読み専が嗜む「光小説計画」

 前エピソードはむちだったので、今エピソードはあめで。

 

 私には、読み専としての密かな楽しみがあります。……ここでばらしたら密かな楽しみで無くなりますが、仕方ありません。全ての作者様たちのために打ち明けましょう。こんな読み手もいるのだという希望を持てるために。

 前回のエピソードで偉そうに語ったお詫びでもあります。


 その名も「ひかるげん計画」……ならぬ「ひかり小説しょうせつ計画」

 

 何じゃそら? と思う方。あなたは正しい。

 私が勝手に作りました。ネットで検索してもヒットしないので、きっと私が世界初の使用者でしょう(笑)

「光源氏計画」ってありますよね? 「光小説計画」とは、その似て非なる「小説」版です。


 いや、「光源氏計画」の本来の使い方からして、そこから取るのは微妙というか間違っているでしょうが、それはこの際おいておきましょう。「あしながおじさん」とも思ったのですが、それはなんか違うし、かっこ良くない。

 

「光源氏計画」。なんていい響きなのでしょう……。

「光小説計画」? うーん、どうでしょう?

 まあ意図するところは伝わるはず。


 では、どんな計画か。

 

 まずは、小説を見つけます。

 

 好きな小説ですよ。「これはすごい! こんなのが読みたかったんだ!」というようなやつです。見つけた時に「やったー!」と叫ぶような小説です。


 そして、その小説があまり読まれていないと思われる場合に、この計画が始まるのです。

 

 星が一桁前半、とくに3以下とか、PVが3桁以下とかの場合です。

 連載始めてすぐとか、古い作品を一括掲載しただけ、とかもその範囲ですね。

 もしくはある程度星があったとしても伸び悩んでいる作品とか。

 

 

 まずは、作品をフォローし、読んだエピソードにハートを付けます。もっとも、見つけて読んで面白いと思った時点で、これは既に付与済みですね。

 私はそういう小説は、読んだ分ハートを付けます。

 そして、適度にコメントする。これも、自然にコメントしたくなるので、まあ済みです。

 ここで作者様からの反応が良ければなお良い。

 コメント返しがなかったら、この計画は頓挫かな?

 

 えー、何度も言いますが、です。私は義理や他の目的では決してそんなことはしません。

 それは、読み専としての矜持です。

 

 

 そして、星を付ける。

(なお、私はある程度読んで「これは!」と心に響いた瞬間に星を付けます。はじめの方の場合もあるし、最後まで読んだ場合もあるし、作品によります)

 

 すると、カクヨムでは数時間後にトップページの「注目の作品」に載るのです。

(注:私は今まで星がつくと注目の作品に載ると思っていましたが、どうも星を付けなくても、ハートが連続で付けられる、または、複数の読者がハートを付ける等でも載るようですね。なかなかうまくできているアルゴリズムだと思います)

 

 ここに載ると、ある程度の人目につき、PVを稼げる。

 

 さらに、可能ならばレビューを書く。

 

 レビューを書くと、カクヨムトップの「新着おすすめレビュー」に載るわけです。そうして、さらにPVを稼げる。


 そして、レビューがあると、他の読者にも目につきやすいし読んでもらえやすい。

 特に、その作品にとっての初の「書かれたレビュー」の場合、それは強力な宣伝の武器になります。

 

 私はレビューを書くのはあまり上手くありませんが、それでも、この作品はすごいんだ! という事を強調して書いています(……つもりです)。実際すごいと思っているので、その心の思うままに書くようにしています。

 

 なお、どうしても書けない場合があります。その時はすみません。書けない理由は自分でも分かりません。感動してもそういう場合があるので、間を空けたり、もう一周読んだり、まあ努力しています。

  

 さらに、ツイッターで紹介する。意外とフォロワー様にRTしてもらえます。

 定期的なツイッターでの紹介も……たまにします。

 作者様がツイッターを使っていて、連載中で投稿のアナウンスがあればRTする。


 こうやって、ささやかに人目に触れるお手伝いをする。

 

 作品によってはその後、その好循環でPVが増え、ランキングが上がり、どんどん星が増え……と、日の目を見るようになるのです。

 もちろんそうなったとしても私だけが理由じゃありません。作品自体が良ければいずれ勝手にPVも星も増えるでしょう。

 しかし、その場合でも、私は早期に見つけたんだぜ! という意味不明の喜びがあるのです。

 

 

 もちろん作品自体の質とか、作品と読者の相性、ジャンルや、読まれやすさ、タイミングとか、他の読者がどれだけ貢献するかとか、いろいろあるので必ずしもうまくいくとは限りません。

 

 うまくいくかどうか。それは人生ならぬ「作品生」。作者様とその作品の生き様と行く末をただ見守るのみです。


 陰ながら宣伝して、自分のお気に入りの作品や作者が読まれるようになるのを見てその成長を楽しむ。

 最初はPVや星がずっと少なかったのに、あるとき気づいたら星30とか100とか。

「やったー!」という気持ちになります。

(もちろん自分の行動とは全く関係なく伸びたのかも知れません。まあでもそれはどうでもいいのです。結果読まれたのなら、少なくとも少しは貢献できたはずです)


 このように、まるで我が子の成長を楽しむように幸せになれるのです。

 

 められません。

 

 これが「光小説計画」の全容です。

 

 

 ところで、ハート付けたり、コメントしたり、星付けたり。

 これはある程度カクヨムになれた人なら誰でもしていますよね。

 

 この計画が通常のそれと違うのは、まだ日の目を見ていない小説をあえて探し出してそうするという点が一つ。つまり、スコッパー活動も含むという点です。

(今ここまで書いて、この瞬間「スコッパー」という言葉を思い出しました。すでに言葉あるやん! せっかく考えたのに……。いや「光小説計画」の方がしゃれてるやん……?)

 

 さらに、単なるスコッピングではなくて、この計画の場合は「」「」という気持ちが強くて、長期でそういう行動をするという点がもう一つ。

 定期的にチェックしてPVが増えたか、星が増えたか気にしたり。ツイートで紹介したり。コメントで応援したり……。DMしたり。

 他の方が星を付けたりレビューを書かれた場合は、少し間を空けたり。同時にするよりも間を空ける方が、トップページに載る時間が増えるからです。こういう細かい気配りが「育てる」という行動の一環なのです。

 あとは作者様が弱気になっていたら励ましたり。

 応援コメントの一言がどんなに勇気づけられるか、わたしは身をもって知っています。なので、その気持ちを他の作者様に分け与えたい。


 

 別に「光源氏計画」の本来の意味のように、自分好みに育てるとか、自分の物にするとかは当然ありません。

 しかし、かいがいしく世話をして、成長を楽しみ、飛び立っていく姿を眺める。

 なんだか「光源氏計画」っぽくないでしょうか?

 その作品・作者様に光を当てる手助けをする。そういう意味では「光小説計画」は言い得て妙じゃないでしょうか?

 

 

 なお、私以外にも同じようなことを楽しんでいる読み専(だけとは限りませんが)がいるのを知っています。なので、アイドルの追っかけのごとく、推し作家ができた読者がいつかは見つける楽しみなのでしょう。


 読み専としては、推しの作者様が羽ばたいていくことが何よりもの幸せなのです! そうなった時、その作者の小説がもっと読める。

 それが私にとってこの計画の最高のご褒美です。


 

 私は結構ジャンルに関係なく読みまくる方なので、いつかあなたの作品にも目を付けるかも知れません。もしくは既に目を付けられたかも!?(笑)

 その時はよろしくね! 仲良くしてもらえれば幸いです。

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