7.読み専の持久力とエピソード文字数

 その数字については多くを語る必要は無いでしょう。既にいろいろな方がエッセイで分析していますよね。

 Web小説の場合、一エピソードあたり最大三千文字前後くらい。

 これが大体の合意された文字数ではないでしょうか?


 では、なぜか? 読み手として考えてみます。

 

 第一の理由として、電車の通勤・通学時間または昼休みなど、時間があるときにさっと読む事が多い。その間に読み切れないとダメとよく言われます。

 

 では実際どれくらいの時間がかかるのか。

 計ってみましたが、私の場合、三千文字で2分前後。意外とあっという間です。

 これくらいの時間だと、電車の待ち時間や、ふとした休憩、電車やバス内で読む場合のになるのかなと思います。2~3分単位に話が区切られていれば、電車内で没頭しすぎることなく安心して読めるということですね。

 そして、そういう小説に慣れると、それ以上の長さの場合に「長い!」と感じてしまうわけです。つまり、実際はと。

 

 

 第二の理由としては、それ以上の時間だと集中力の持続が必要です。

 つまり、読者の持久力・忍耐力へのチャレンジになるのです。


 私も、六千字くらいで5~6分になると、いったん読むのを止めたくなります。しかし当然必ずしもそうでもない。面白い話だと没頭して時間を忘れることもある。そう、面白い、もしくは既に好きになっている小説の場合、エピソードの長さが長くても関係ないのですよね。

 

 では、長くてもいい?

 

 もし、あなたが自分の小説に絶対の自信があって、誰が読んでも面白いと思ってくれる! と思っているのなら、いいのではないでしょうか。

 

 しかし、そうではなく、そして新規の読者を獲得したいと思っている場合。

 その場合は、できるだけ各エピソード(特にはじめの方)は短い方がいいでしょう。

 なぜなら、新規読者にとって読み始めたばかりの小説は、いわば、まだ助走段階なのです。短くて息継ぎが頻繁にある方が、長続きするのです。読者にとって読書はマラソンのようなものなのです。精神にも息継ぎが必要です。

 いったん好きになり没頭し始める、つまり走るペースが確定すると、長くても大丈夫になります。

 つまり、に、短めにするのです。

 

 実際私も、関門を突破したものの、これどうだろうな~と思いながら読み始めることも多いです。そう思った瞬間、もし残り六千字あったら、読むのをやめます。その小説はとりあえずは読まない。

 しかし、残り千字なら、とりあえず読みます。

 いったんエピソードを終えることができると、続きを続けて読むか、後で戻ってくることができるのですね。

 

 そうやって、とりあえず続く事ができて、かつ、だんだんとエピソードが面白くなる。そうすると、その小説が好きになる。

 エピソードを読み終えると言うことは、そのミニ起承転結を経験すると言うこと。その最初の印象と経験は大きいです。

 そんなもんです。

 


 さて、あらすじに「一話○○字で読めます」とか書いてある場合、私は結構つられます。お! じゃあサクッと試し読みしようかな(?)なんて思うのです。なので、サクッと読めるが売りなら、それも主張しましょう。


 だからといって、例えば、一話1万字あります、と書いてあっても、じゃ読まない、とはなりません。まず冒頭から少し読んでみて、気に入ったらフォロー、パソコンで読もうかと思うだけです。もちろん、タイトルなどで面白そうと思った場合ですが。

 

 全く警告なく、いきなり最初から五千字以上とかになると、息切れして途中で止めると言うことになる可能性大です。

 ということで、必要だと感じれば、字数についてあらすじて述べると、読者への無意識の緩衝材になると思います。


 なお、前半は文字数は少なめにして読者が読みやすいようにして引き込み、後半は増やすと言うこともできます。

 先に述べたように、ある程度気に入って読み始めれば、たとえエピソードあたりの文字数が増えても、喜んで読みます。

 少なくとも私は、いったん気に入った小説であれば、一話一万字でも読みます。もっとも多いと読み疲れる場合があるので、少なめの方が助かりますが。



 さて、別の観点から。

 投稿サイトのしおりの仕組み。それが大体エピソード毎なのです。

 なので、エピソードが長いと途中で止められない。(カクヨムの「続きから読む」は、一応エピソード途中の位置も覚えているようですが、いまいち信用ならない)

 なので、エピソードが短い方がこまめに最後に読んだ場所を記録しておけるので、読者は無意識に短いエピソードを好むという気がします。私はそうです。

 

 

 なお、この項目は、作品が「純文学」の場合や、公募作品で残念ながら通らなかった作品を一括投稿したものの場合は当てはまりません。

 あらすじにその旨明記してあれば、そのつもりで読みます。

 たとえ空行が無くてぎっしり詰まった小説でも、一エピソードが1万字を超えようと、私は問題ないです。

 そういう作品はじっくり腰を据えて読みます。


 ということで、こういうことを考えながら、一エピソードの長さを考えてみるといいのではないでしょうか?

 

 

 さて、予想外の長さになってしまいました。本エピソードは約二千文字です。長く感じたでしょうか? 短く感じたでしょうか?

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る