第2話 娘を出産‥
新しい世界に飛び込んだ旦那は、半年ほど専門的なことを学ぶため、学校で生活することになりました。離れ離れの生活が続きます。
義父母ともに、若く働いていたので帰宅も遅く、私が夕飯の当番に自然となっていました。旦那が留守で、息子も1歳、正直負担に感じていましたが、本音も言えず我慢して家族の食事を作りました。その代わり義父は義母より帰宅が早く、夕飯の支度をする私を気遣ってか、息子が夕泣きすると外に行き息子の大好きな車を見に道路まで連れて行ってくれました。
義母の帰宅は平日はほとんど8時ごろ。毎日、ごめーん、と言いながら帰宅する祖母が正直羨ましかった。毎日私の携帯を鳴らして、夕飯の材料を買って帰った方がいいのか聞いてくるのです。気遣っていたのかもしれないけれど、当時の私からすれば、今日の私の分の夕飯はあるかしら?と言われているようで、電話が鳴るのが憂鬱でした。それでも、旦那が不在だからなんとかうまくやっていくしかない、毎日私なりに必死だったんです。
そんな慣れない生活を送りながらも、旦那も仕事に慣れて行き、色々なことがありながらも、長男が2歳の時に私の妊娠が発覚しました。不在がちな旦那だったので、正直不安もありましたが妊娠がわかった時は嬉しかったです。そして、長男が3歳の誕生日を迎えた翌月に娘が産まれました。
可愛くて可愛くて、また男の子とは違う柔らかい可愛らしさで、本当にニコニコ笑顔が可愛い赤ちゃんでした。旦那に似て、三ヶ月にはぱっちり二重でよく、ハーフ?なんて聞かれたものです。幸せの絶頂でした。
でも、その日は少しずつ、少しずつ近づいてきていたんです。
娘が4ヶ月を迎えた、ある朝、目眩がしました。横になってもぐるぐると景色が周り気持ち悪い感覚が襲います。今まで目眩なんてあまり経験がなく、ちょうど暑い日だったので、座敷の涼しい部屋で横になることにしました。
止まらない目眩。でも1時間ほど経つと良くなったので気にしないでいました。
また旦那は忙しい毎日に戻り、相変わらず義父母も多忙です。2人の幼子を見ながら、義父母の家族の夕飯作り。
無理をしたんでしょうか。
ある夜、すごい激しい動悸と、悪夢で目が覚めました。
目が覚めてからも動悸は止まらず、汗もびっしょりかいています。
旦那に、相談しましたが、疲れてるんだよ、そういわれ、相手にもされず。
私も気にしないでおこう、またいつもの日常に戻りましたが、その激しい動悸が毎晩のように続き、これはおかしい、と内科で診察してもらっても異常はなし。仕方なく、娘を出産した婦人科で軽めの抗不安薬を出してもらいました。
それでも、治らない動悸‥
とうとう、心療内科に行く決意をしました。
病名は、パニック障害。
目の前が、真っ暗になったような感覚は今でも覚えています。
腕の中で、ニコニコ笑う娘を見ながら、こっそり涙を流しました。
おかあさん @yumiko-hayakawa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。おかあさんの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます