「人生、売ります«上,下»」 / 何処噺
本編▷▶▷https://kakuyomu.jp/works/1177354054889699694/episodes/1177354054889701665
2作目。上下物です。
コミカルでハッピーなサクッと読める軽い話を書こう!と思い執筆を始めましたが、気がついたら真っ黒黒で何か大分重い長いお話になっていました。解せない。
結構抽象的で曖昧な表現も多いですし、話の内容的にも大分仄暗いお話になったので、中々とっつきにくいし好き嫌いが分かれそうだと思っていたのですが、今では1作目より反応を頂いておりまして少々驚くと同時に嬉しく思います。
私のお話は私がよければ全てよし!というどこぞやのガキ大将みたいなものなので、付随した反応を頂けるといつでも嬉しいものです。
ここまでドロドロな展開にする予定はありませんでしたが、これはこれでアリかなぁと思っております。
上,下に分かれていますが、上巻は主に台詞が中心となりました。老婆という印象的な人物の台詞回しや言葉のチョイス、語尾に至るまで、色々迷いに迷った結果あのようなキャラ付けになりました。少しでも印象的に描写できたでしょうか。
長台詞の中に幾つか不可解な単語が紛れ込んでいます。今回のように連作を執筆する場合は、伏線のような「ん?」と思わせるような単語や、ほんの少しの違和感、好奇心を煽るような表現を心掛けています。少しずつどこかズレている。それが度重なることで初めて大きなインパクトのある描写が活きる。少しの歪みをなるべく違和感があり過ぎないように散りばめてから、一気に四散させるような描写が目標だったりします。
人生=錠剤という世界観で進んでいく物語。錠剤と揶揄することで、人間のちっぽけさというものを強調できればなと。
勿論これらの作品群はフィクションですので、実際お前ら人間ちっちゃ!などと言うつもりはない毛頭ございません(笑)
上巻では老婆の異質さが特に際立つ内容ではありますが、それだけでなく何処と無く"私
"も不気味チックな行動と思考を取っているという所が個人的にミソでした。
何故ここに露天があるのか、それに特に疑問も興味持たず訪れる私。異質さを持った老婆の話を全くもって相手にしない一方、錠剤を受け取ってしまう私。ちょっとの違和感、不可解さ。それを如何に素知らぬ感じで散りばめるか、というのはまだまだ難しいですが、楽しく面白い試みでした。
下巻は私のモノローグのような形式で進んでいきます。上巻ではじわじわ程度だった不気味さを一気にズドーン!と押し広げた感じですね。恐怖演出のような描写も上巻と比べて増やしました。
全く知らない少年少女からは言葉で、自らの父母は無言でという形で悪夢に現れます。何処と無くちぐはぐしている雰囲気をこの辺りでも出せればなぁと思いチョイスしたものです。
前半の悪夢の描写では生と死、私と悪夢というひっそりとした対比も意識しています。
悪夢の最後には私自身が現れます。問いは幸せとは何か。私は終始、平凡で退屈な人生に飽き飽きしている様子を見せますが、本当のところはどうなのでしょう。幸せとは、ちょっと哲学的な感じになってしまいました。
ちなみに本作品内の文章には全て意味を持たせたつもりです。一見無意味に思える文字列も出てきますが、実はちゃんと意味があります。色々頑張って変換しました、面白い。
こうやって文字を使って一風変わった表現をしてみたり、変わった要素を取り入れてみたりなどなど、ちょっぴり変な作品が多い作風かもしれません。ちょっと変なものが好きな作者です。
終盤に掛けては私の焦燥を如何に文章に出来るかが課題でした。短文を重ねたり、錯乱している様な文章を使ったり…。
そこから終結への持っていき方の落差も難しい点でした。焦燥、安堵から一転、絶望へと変化していきます。
前半にでてきた夢や神などという印象的な言葉を、目を醒ました私が違う考えで持って反芻させることで深みを持たせようと書き進めてみたつもりです。
上巻にも出てきた老婆も背負っている
同じ運命を辿るであろう私がこの先どうなるかは、皆様の受け取り方にお委ねしようかと思います。
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