第15話 天弓のアイリス

 大会表彰式。アイリスがチーム内で最も多くのヒットを記録していたので、太一は表彰状を授与される役をアイリスに任せようとしていた。だが、そのアイリスの姿が消えた。一体どこへ! 太一は聞いてみた。


「更衣室だと思いますよ」

「えー、もう着替えているの! 表彰式に参加してもらいたかったのに」

「それなら、ご心配には及ばないかと思います」


 優姫が答えた通り、アイリスは迷彩服のままやってきた。


「あれ? 着替えたんじゃないの」

「ええ、着替えましたよ。ブラジャーを!」


 アイリスは、スポーツをするときは汗を掻くのでこまめにブラジャーを交換するようにしている。太一に対して警戒心が皆無のアイリスは、使用済みブラジャーを太一に見せた。赤・橙・黄・緑・青の5色が揃っている。


「今は、藍色のを着用しています。最後に紫色のを着用する予定です」


 要らない情報だが、太一にとっては何故かありがたい情報だった。この日以来、太一はアイリスのことを『天弓のアイリス』と呼ぶようになった。天弓というのは、虹のことをいう。


「そうだわ。鱒宮司、お願いしても良いですか?」


 表彰状を片手にアイリスが言った。太一は何のことだかわからなかった。


「お願いって、何?」

「はい。乳休めです。今のブラジャーは清潔ですから」

「マスター、まりえももう1回だけ、お願いー!」

「何よ、乳休めって?」

「あぁ、あおいちゃんには必要ないと思うよー」


 まりえがあおいにピシャリと言うと、頭の上に板を乗せようとした。


「鱒宮司。板は不要です。これ以上のご負担はかけられませんから」


 アイリスはそれを制止しながら言うと、そのまま頭の上におっぱいを乗せた。アイリスのおっぱいはハリがあって、板はなくても太一の頭だけで充分に支えられた。


「なんか、とっても重いよ」


 サバゲー場のASOBIBEYAに伝説が生まれた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

サバゲー編 世界三大〇〇 @yuutakunn0031

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ