ハチミツを探すオーガ二人組
先日、人間のメイドとペストーニャが、
人間が食べるデザートを作ったということで、ナザリック内で話題になった。
そして、
人間は、自分達が食べる食肉用か、愛玩飼育用でしか
使い道がないと思っていた下位モンスターや下位悪魔達は驚いた。
「人間は料理がデキるラシイ・・」
「ニンゲンって頭がイイのか?」
「人間ハ食べラレルダケジャナクテ、ツクレル・・・」
新たな人間の価値にようやく気づいた下位のモンスター達は、
人間を食べる用以外に遊ぶため欲しがった。
「ニンゲンツレテキテ料理ツクラセル!!」
「ツクラセル!!ツクラセル!!」
「ツクラセテ、ソレト一緒ニニンゲンタベル!!」
「デミウルゴス様ノ牧場デ、モラエナイノカ?」
「ソレ良イ案!!!ヤロウヤロウ!!!」
下位のモンスター達は少ない脳みそで、最善だと思われる案を導き出した。
そして、人間で新たな遊び方をしようという案に、
賛同した下位のモンスターたちは、仕事の持ち場から離れた。
現在ナザリック内いる下位のモンスター達は、
まだまだ戦争の作戦に参加しない者たちばかりなので、
すぐに行動に移す事が出来た。
また、デミウルゴスや上司にあたる上位のモンスターや
上位悪魔たちは外出中のため、勝手に動いても大丈夫な可能性が高い
という理由あったからだった。
(現実は、変な動きをしたらすぐデミウルゴスに気づかれる
という可能性すら、気づけない知能が低いモンスターしか集まらなかった)
デミウルゴスの牧場から人間を攫う事に
賛同したモンスター達グループの一つ、人食いオーガの二人組がいた。
「本当ニウゴイテダイジョブナノカ?」
人食いオーガ1が尋ねた。
「ダイジョウブ、ダイジョウブ、モンダイナイ」
人食いオーガ2が何の根拠もなしに答えた。
「オレタチ、ココノナザリックに連レテコラレテカラ、タノシクナイ」
「ソウダ、命ハ助カッタガ自由ガナクナッタ。自由ニ酒ノメナイ、人間クエナイ」
人食いオーガは、ナザリックに飽きていた。
最初は自分の命が助かりたい一心で、配下になったのだが、
ナザリックに配属されると、頭の悪い人食いオーガ達は、
ただただ自分の権利、自分の役割が欲しいと騒ぐだけで
悪魔やデミウルゴス達には相手にされないどころか、
自分達の存在が見えていないような対応ばかりされていた。
野生の勘で、このまま騒ぎ続けると殺されそうだったので、
初日に騒いだだけでその後は静かにしていた。
そして、ナザリック内で静かに過ごし、言われた仕事をこなして、
よく分からない肉をミンチにしたりする日々が続いたため、すぐに飽きたのだった。
人食いオーガの二体は、ナザリック地下大墳墓内の廊下を歩く。
何名かホムンクルスのメイドとすれ違ったり、他のモンスターともすれ違ったが
皆忙しそうに仕事をしていて、2体の人食いオーガには目もくれなかった。
廊下を歩いていて誰にも相手をされない2体は、何も起こらなくて不安になった。
「ナンカ、ウマク行キスギジャナイカ?」
不安そうな人食いオーガ1が話す。
「オレタチハハ、運ガ良インダ。ダカラ気ニスルナ」
人食いオーガ2はのんきに答えた。
「ソウナノカ?ソレナラバイイガ・・・」
不安そうなオーガはそれ以上言わなかった。
「人間クウマエニ、ハチミツヲモラッテコヨウ」
のんきなオーガは、提案をした。
「ハチミツッテナンダ?ハジメテ聞ク」
「ハチミツハ、コノマエ仕事中ニ偶然、見ツケタ」
「人間ノメイドガ、皿ヲ運ンデイル最中ニ、忘レテイタ壺ヲ覗イタラ、
スライム状ノ液体ガ入ッテイテ良イ匂イガシテ、舐メタラ美味カッタ」
のんきなオーガはそう語った。
「ソンナ旨イモノヲ人間ニカケテ食ベタラ、絶対ウマイ!!」
「オ前ガソンナ事ヲ言ウナラ、探ソウ」
人食いオーガの二人組は、食糧庫に向かった。
その頃ツアレは、食糧庫にいた。
「ふう~、在庫整理ってすごく疲れるわね~。
モンスターの皆さん、様々な食物を食べるから整理整頓にに時間が掛かる~!!」
と、言いながら腰をトントンと手で軽くたたくツアレ。
ツアレが来る前は、人肉や人間の頭がそのまま冷凍されていたり、
不気味な食糧ばかり置いてあったのだが、
セバスがツアレが精神的に傷つかないようにと、何種類か食糧庫を分けたのだった。
(しかし、ツアレはそのことを知らない)
「プジングが好評で良かった~。
またナザリックの皆さんを、喜ばせられるような料理がしたいな~。
だからこそ、ここナザリックの食糧の種類覚えなくっちゃ!!」
よし!!とツアレはメイド服の袖をまくり上げ、
食糧の種類と数の確認を進めるのだった。
オーバーロード セバスのほのぼの日常 きりんじ @kirinjisann888
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