第5話 結成!チームPARALLEL

 新歓、神代理明日との夕食の次の日、早速サークル活動が始まった。

「では皆、いつも通り研究に取り掛かってくれ」

永見先輩の合図で先輩達は、それぞれの研究を始めた。このサークルは別に必ずしも教室でやらなくてはならないわけではなく、図書館で調べたり実際に何処かへ行って研究するなど基本的に自由だ。おまけにノルマもない。

「あの、先輩。僕達は何をすればいいんでしょうか」

僕は単純な疑問を先輩に質問した。昨日入ったばかりの僕と神代さんには勿論、研究課題などが存在しない。

「あぁ、そうだね。では改めてこのサークルの活動方法を説明させてもらうよ」

 永見先輩の話によると大体こんな感じらしい。まず、研究課題を各自で決める。次に、それと同じ、あるいは近しい研究課題を持つ部員とチームを組む。そして、基本的にはそのチームとして共に課題を研究していくとの事だ。

「2人は何かやってみたい研究課題はあるかい?」

「そうですね…」

僕は一瞬考えるふりをしたが、実際は既に決まっているので直ぐに答えようとした。が…


「私、平行世界について研究したいです」


そう言ったのは僕ではなく神代さんだった。

「うん、わかった。遊真君はどうかな?」

「あ、僕も同じです」

結局、神代さんに何も考えず同意したように見えてしまったかもしれないが別にそれはいいとしよう。

「実はね、僕も今まさに平行世界について研究していた所なんだ。良ければ一緒にやらないかい?」

特に異論はないので永見先輩からの提案を僕と神代さんは素直に受け入れた。

「ところで先輩、他に誰か共同研究してる人はいるんですか?」

「いいや、いないよ。去年はいたんだけど色々あってね。だから今は僕1人だ」

「そ、そうですか…」

若干戸惑ってしまったが永見先輩と神代さんなら既に会話もしてるのでそこまで気苦労はないだろう。

「よし、じゃあ今日からチーム結成だ!これからよろしくね、2人とも」

「よろしくでーす!永見先輩!」

「よろしくお願いします」

こうして僕たち3人はチームを結成する事となった。

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未来の代理人ルナ 小金之麦 @kanne

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