チトセネズミは春の月に腹を空かせる
チトセネズミは春の月に腹を空かせる。夏月の光を頼りに夜空に登り、熟れた秋月をかじり、冬には土中で眠る習性を持つ。故に冬には月はないが、齧って落ちた月の欠片は長く灯りに使われる。
ある村人もまた欠片を集めていたが、家に帰り確認すると、その内煤色の何かが混ざっている。それを摘むなり、何かは急に動き回って謝って机から落ちてしまった。
村人が床を確認すると、黒い何かと欠片が散らばっていた。籠にはいつの間にか、欠片が少しなくなっていたらしい。
ところで、毛皮の中に詰め込まれていた欠片は、籠の物よりも一層青白く、冷たく光り輝いていたという。その欠片はさながら「冬の月」と言うらしい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます