白鯨郷ベルンカテラ東部に洋館があるが、誰も住んでいる者はいない

 白鯨郷ベルンカテラ東部に洋館があるが、誰も住んでいる者はいない。

 定期的に地主の知り合いらしいものがただで譲ると言っているものの、いつも目にするときは無人だ。そこに住んでいた者すら、未だ知らない。

 室内は至って豪奢という。海中には目立つ金の海上遺跡の数々、廃墟でもなければ、不気味なくらいに奇麗だと聞いた。

 しかし、最奥の書斎を開けてはならないと最初に言われるらしい。開けてどうなったかは――誰が言ったかすら忘れてしまった。

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