第4話血の涙。
季節は意外と早く過ぎていくものだと、あたしは感じていた。
もう・・・あっという間にあたし達は3年生になっていた。
アパレル販売の仕事は計画の邪魔になると判断したあたしは、潔く身を引いた。
小遣いは全部お母さんに渡した。
これから親不孝者になるのだから、せめて、受け取って欲しかった。
あたしからのプレゼントだから。
さて、ここからあたしの計画は進んだ。
2014年9月30日-。
長谷川さんと今日もにらめっこ。
相変わらずあたしは何も話さない。
話したくない。
誰にも理解されないエゴと欲求。
「凪ちゃん・・・捜査に協力して欲しいんだ・・・君は何故、川口大智を殺害したんだい?」
取り調べが始まって以来ずっとこの質問だった。
「・・・・・・あたしのものにしたかったんです・・・たいちを殺害したら、たいちは永遠にあたしの傍にいるから・・・だから殺しました・・・たいちはあたしに愛してるといいました・・・愛してるならあたしのものにしたって平気でしょう?」
ニンマリ答えたあたしに長谷川さんはハッキリと答えた。
「愛してるからと言われたって人を殺す理由に何かならないよ・・・凪ちゃんだって本当は悲しかったんじゃないの?傍に居て欲しかったんでしょ?川口大智に・・・どうして素直に言えなかったんだ?・・・君は少なくとも最愛の人を殺さずにすんだはずだよ」
まぁ確かにそうかもしれない。
でも・・・生きていたら、ヒラヒラどこかへ行くでしょう・・・?
永遠にあたしの傍に居て欲しかったからだから殺した。
どこにも行けないように、ね。
人魚姫の涙。 @mariariri1212
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