第2話 再会

 僕、斗賀奏心とがかなとは東京とは思えない静かな場所にあるポストの前に立っている。

 そのポストはもう使われていない。だが、このポストは未来に手紙が届くらしい。

 

 「あのー?そのポストもう使われてないですよ?」

 「えっ?」

 

 その声に高校の時の記憶が蘇る。

 

 『奏心、一緒に帰ろ?』

 『奏心、好きだよ』

 『奏心!』

 

 仲西柊馬なかにしとうま。今は大手ホテル企業「Eternal Bond」のトップ。テレビにも引っ張りだこの美形若手社長としても世間では有名だ。

 そんなやつと僕は高校の時に恋人同士だった。

 優しいその声も笑うと幼くなる笑顔も僕は大好きで・・・

 

 柊馬の父親が20代の時に創業したホテル「Eternal Bond」は、瞬く間に成長していき中学の頃には知らないやつはいなんじゃないかってほど、有名なホテルになった。

 

 

 でも、これからだって時に柊馬の父親が癌で倒れた。今までの無理が祟ったらしい。

 高校3年の冬ことだ。

 四十代前半での余命半年の宣告。

 柊馬の父親は自分が死ぬ前に跡継ぎを柊馬に指名したのだ。それも「高校卒業したら結婚しろ!そして、そいつと経営をしていけ。」とうい条件付きで。

 この事で柊馬はずっと悩んでいた。

 高校生卒業してすぐ父親の跡を継がなければならない、親が決めた結婚相手と結婚しなければいけないプレッシャーに押し潰されそうで見てるのが辛かった。

 そして、柊馬が結婚するという理由で僕らは別れた。

 柊馬は愛人になってもいいと、言ってくれたが僕はそんなの嫌だった。だって、柊馬を独り占め出来ないのが辛いから。

 それて最後の夜は何度も何度も体を重ねた。溶けて1つになれるんじゃないかってほど体を重ね。朝になると柊馬は居なかった。その代わりテーブルの上に手紙が置いてあった・・・。 

 

 そして、今はというと一切連絡を取らず。というより手の届かぬ人になってしまったので取れるはずもない。

 

 そんなやつが、なんでこんな古びたポストの前に。

 

 「あっ、あのー、聞こえてますか?」

 

 大丈夫。あれからもう10年もたってるんだ。気づくわけがない。

 

 「あっ、はい。教えて頂きありがとございました」

 「いえ、あっ」

 

 柊馬と目が合うと一瞬動きが止まった。

 

 「あのー、どこかでお会いしたことありますか?」

 「いえ、、、」

 

 まだ、ばれてない。

 

 「やっぱり、お会いしたことありますよね?」

 「な、ないと思いますけど。そ、それより『Eternal Bond』の社長さんですよね?こんなところにいていいんですか?」

 「う、なんで、この格好でも気づきますか?」

 「はい、すぐわかりましたよ?」

 

 柊馬、君だから僕は気づいた。

 ついそんなことを思ってしまった。

 

 「ま、まじですか。」

 「はい。それじゃ、僕は行きますね。」

 「ま、まって!奏心!」

 

 えっ!?今、僕の名前?

 

 「な、なにかいいましたか?」

 「奏心。だよな?」

 

 なんで、なんで気づくんだよ。

 気づいてほしくなかったのに。

 

 「い、いや?人違いじゃないですか?ぼ、僕みたいな人そこら中にいますし」

 「なんで、嘘つくんだよ!俺とそんなに話したくねぇかよ!」

 「だから、人違い、、、」

 「その、右目の下の小さな泣きボクロ。嘘をついてる時の服の裾を掴む癖も。全部が奏心なんだよ!」

 「うっ、う・・・さぃ」

 「ん?」

 「うるさぃ!うるさぃ!捨てたくせに奏心なんて呼ばないで!!」

 「お、俺は捨てたなんて思ってねぇーよ。」

 「じゃー、なんで。結婚なんて、、、」

 「それは、仕方なかった。それは、奏心も分かってるだろ?」

 「で、、、も、、、」

 

 そう、分かってたはずなのに今さら何を言ってるんだ。

 目が熱くなり涙が溢れだす。

 

 「ごめん。僕もう、帰る。」

 「わりぃー、俺も言い過ぎた。あとで、これに連絡くれ」

 

 そう言って柊馬の連絡先を渡された。

 

 「わかった。」

 

 なんで、僕あんなやつが好きなんだろう。

 前はもっと優しく接して、僕を見てくれていた。でも、さっき目の前にいた柊馬は僕の知ってる柊馬じゃない。どこか冷たい目をしていた。

 柊馬。僕の知ってる君はどこ。

 

 家に帰る途中に柊馬にメールをした。

 

 『今日はごめん。数年ぶりだったのにあんなこと言って。それに、柊馬仕事大変そうなのに。TVでよく見る。』

 

 そう、送ると思ったよりも早く返事が来た。

 

 『あぁ、俺も悪かった。少し、大変だけど大したことない。それより、一緒に飯行かないか?』

 『僕はいいけど、柊馬が大変でしょ?』

 

 ご飯に誘われ少し浮かれてしまい断れなかった。

 

 『いや、俺は大丈夫だ。明日の7時でどうだ?』

 

 明日か。別に予定はない。でも、柊馬と会うのか。何着ていこう。

 いやいや、なにを考えてるだ。

 

 『わかった。』

 とだけメールを返した。

 

 次の日、柊馬との約束の場所にいくと柊馬はもう着いていた。

 すごい量の視線を集めている。

 胸が締め付けられるように辛かった。

 

 「ごめん。待った?」

 「いや、今来た」

 「それより、柊馬。ここいていいのかよ」

 「あぁ、だな。」

 

 そういい、柊馬の車に乗り込む。

 

 車内では特にこれと言った会話もなく行き先も知らされないまま遠ざかる東京の夜景を静かに眺めていた。

 

 そこから車を3時間近く走らせると海が見えてきた。

 

 さすがいまどこに居るかさすがに気になる。

 

 「ここは?」

 「海。」

 「それは見れば僕だって!」

 「ここ、奏心と一緒に来た。」

 「は?」

 

 そう、言いながら手を握ってくる。

 

 「やめてよ!手なんて!」

 「なっ、ごめん。」

 

 そんな、傷ついた顔するなよ。僕が悪いみたいになる。

 

 「そ、それより柊馬。奥さんとはうまくいってるのか?」

 「別れたよ。」

 「えっ!?なんで?」

 「もともと、親が用意してくれた相手だった。相手にも元々付き合ってる人がいた。」

 「浮気か」

 「あぁ」

 

 寂しそうに笑う柊馬。

 

 そんな柊馬を気づかいあえて明るく振る舞った。

 「そ、そうなんだな」

 「あぁ」

 「なんかわりぃ。」

 「いや。」

 「仕事の方?TVでみるけど?大変なの?」

 「まぁまぁ。名前だけのトップだからな。」

 「でも、TV出てるんだから暇って訳でもないだろ?街は歩けないだろうし。」

 「あぁ。そうだな。」

 

 あの、優しくて甘えたな柊馬。今はもう面影すら見えない。

 恋するのすら必死だった高校生の僕たちはどこに行ったんだろう。キスをするだけに必死になっていた僕らは、もう遠い思い出にしかいない。

 

 

 『奏心いい?』

 『ぅ、、、ん』

 

 照れた顔でそんなことをいいゆっくりと顔を近づけてくる。

 ほんの、一瞬触れ合うだけの短いキス。

 でも、そのときの僕らは良かったんだ。それで何もかもが満たされた。

 

 

 「なぁ、奏心。」

 「ん?」

 「奏心は、、、」

 「なんだよ!はきっきり言えよ」

 「奏心はどう思ってんだ。俺のこと。」

 「は?」

 「本心を言ってくれていい。」

 「じゃー、言わせて貰うわ。」

 

 柊馬。自分から言って傷ついた顔をするのはなしだぞ。

 でも、「本心」か。僕の片想いが・・・

 

 「会社の為に僕のこと捨てられる最低なやつ。あと、それも親が用意した相手と結婚して相手に好きなやつが居るからって別れた?ふざけんな!」

 「っ、、」

 

 だから、言ったのに。でも、もうやめられない。もう、どうにでもなればいい。本心を知りいって言ったのは柊馬の方だから。

 

 「好きなやつを会社を経営する為に知らないやつに譲らなきゃいけない。気持ちでは分かってても、なかなか受け入れられなかった。」

 

 なんで涙なんか。

 

 「ごめん。ごめん奏心。」

 「謝らないで。謝られても、もうどうしようもない。」

 「・・・」

 「それなのに」

 「えっ!?」

 「それなに、そんな最低なやつなのに、僕は、、、嫌いになれない。本当に最低なのは僕なのにこんな風に当たり散らして。バカみたい。」

 

 涙を流しながら話す僕の話を静かに聞く柊馬。

 

 「柊馬のことが好きで好きで。TVに出てる柊馬見て、会話できる人たちが羨まっしぃ」

 

 柊馬にいきなり抱き締められた。

 

 「ごめん。本当にごめん。奏心にそんな思いさせてるなんて。」

 「別にいい。勝手に僕が思ってたことだし。」

 「でも、、、」

 

 僕の勝手な片想いがに付き合わせた。もう、僕らはもう本当に終わりなんだってそんな気がした。

 

 「それより、この海綺麗だね」

 「あぁ」

 

 どこかに寂しさを隠し持ってるこの海から見える夜景は僕の心と何処か似ている。

 

 「この、海から見える夜景は東京。何処か刹那さを秘めていてそこには確かに優しさも存在する。」

 「・・・」

 「この、夜景が一望できるホテルを建てた。」

 「ぅん?」

 「その、ホテルをオープンさせたら社長の座から降りようと考えてる。」

 「えっ!?いいのかよそれで。」

 「いいんだ。好きなやつの為に。」

 「そっか。まぁ、その好きな子も彼氏が社長って荷が重いもんな。」

 

 好きなやつか。僕が口を出せる話じゃない。別れてる僕には「他のやつと付き合うな」なんて言えるはずもなく。

 

 「まぁ、頑張れよ!」

 「あぁ」

 「今度はちゃんと捕まえておけよ!自分から手放したりしないように!」

 「あぁ」

 「好きならちゃんと伝えないと伝わらないからな!」

 「あぁ」

 「じゃ、帰ろっか?」

 

 好きな人の好きな人がいる宣言はさすがに堪える。

 

 「待って。奏心」

 「ん?」

 「俺、ポストの前で会ったとき嬉しかった。奏心とはもう会えないと思ってたから。でも、奏心はすぐに俺だって気づいたみたいだったけど」

 

 はにかみながらそう言ってる、柊馬は僕の知ってる柊馬に見えた。

 

 「それに、俺は捨てたつもりねぇよ。手紙読まなかったか」

 「えっ!?」

 「『俺は必ず迎えに来るから待ってて。』って書いただろ」

 

 あっ、あの手紙。

 

  奏心へ

 おはよう奏心。これを最後に直接言ってあげたかった。でも、これを言ってしまったらもう、戻れなくなるから。本当にごめんなさい。俺知ってたからな奏心が本当は無理してるの。それでも、笑顔で居てくれるだけで俺はすげー嬉しかった。ありがとう。愛人にしたいだなんて言ってごめん。奏心がそういうの嫌いだって知ってたのに。

 奏心と居るだけで俺は何もかもが幸せだった。

 もしも、辛くなっなら誰かを頼れ!

 そして、10年たっても俺のこと好きなら手紙を出してこい!そしたら迎えに行くから。

 じゃ、元気でいろよ。

             柊馬

 

 涙のあとがいくつもあった。

 

 

 「あっ、」 

 「俺は奏心を愛人にしても良かった。でも、それは奏心が許さないとおもったから」

 「だから、なに?」

 「相手から別れを告げられなくても、本当は俺から言ってるつもりだった。」

 「は?」

 「社長の座も元から降りるつもりだった。本当に好きな人の為だけにホテルをオープンしたら」

 

 柊馬は何を言ってるんだ?父親から頼まれたんじゃないのか?

 僕の為にホテルをオープン?

 状況についていけない。

 

 「でも、そのためには地位も名誉も必要だった。完全プライベートのためのホテルを作って文句を言われなくなるくらいには必要だ」 

 「・・・」

 

 全く状況についていけないどう言うことだ。

 

 「親父に言われたんだ・・・」

 

 

 

 

 

 親父が倒れた。

 末期癌で余命半年の宣告。

 そんなある日。俺だけが病室に呼び出された。

 

 「柊馬。2人で話すのは久しぶりだな」

 「まぁ。それよりなんで俺だけ。」

 「そんな急かすなよ。なんかあるのか?」

 「いや別に」

 

 その日はいつもと比べると比較的元気な方だったと思う。

 

 「柊馬。お前は『Eternal Bond』の意味を知ってるか」

 「あぁ。絆だろ。永遠の絆。」

 「よく知ってるな。これは父さんの約束なんだ。」

 「約束?」

 「あぁ、お前は一生一緒に居たいやつは居るか?」

 「いる。」

 「居るのか・・・。」

 「・・・」

 「これは母さんとの約束だ。お前を産んだあとすぐ母さんは亡くなった。でも、死ぬ前に言ったんだ。『約束。柊馬をよろしくね』」

 「それと、なにが関係あるんだよ?」

 「『永遠の絆』いい言葉だろ。母さんは俺に一方的な約束で柊馬を任せた。だから俺は、望悠と俺は『永遠の絆』で結ばれてる。だから、離れられないよって父さんからの一方的な約束だ。」

 「は?」

 「柊馬。俺はもう長くない。お前に「Eternal Bond」を譲る。」

 「は?いらねぇよ」

 「頼む。10年でいい。その間結婚もしていて欲しい。」

 「いや、無理だろ。好きなやつが居るんだよ。」

 「分かってる。」

 「分かってるならなんで。」

 「Eternal は今だれかに任せたら確実につぶれる。」

 「それでも、俺は社長とか向いてねぇし結婚なんて出来ない。」

 「大丈夫。お前なら出きる。望悠と俺の子だから。結婚の相手もかわいいくて優しい子だ。すぐ、仲良くなれる。ベッドの関係ももたなくていい。ただ、結婚して誰にも漬け込む隙を誰にも見せるな。愛し合っている感じを装え!」

 「いや、無理つってんだろ!今、付き合ってるやつがいんだよ!そいつ人一倍傷つきやすい。それに、誰にも頼ることを知らない。そんなやつ、俺が今突き放したらアイツは誰に頼ればいい。誰に助けを求めればいい。」

 「・・・」

 「なんで、俺なんだよ!おじさんとかいただろ!それも、なんで、高校生の俺なんだよ!」

 「お前しか信頼できない。頼む。」

 

 そう言うと、親父の様態が急に悪くなり、今夜が山だと先生に言われた。

 

 そして、最後の言葉は

 「お前の大切なやつの為だけのホテルを作れ。そしたら、そいつを迎えにいってやれ」

 だった。

 

 葬式を終えると親父の秘書らしき人が話しかけてきた。

 

 「社長!」

 「俺はまだ・・・」

 「いえ、社長です!」

 「高校生卒業するまでまって下さい。」

 「そんな、時間はありません」

 「お願いします。卒業したら父の遺言通りにしますから。」

 「分かりました。その間の業務は私がやっておきますので。」

 「すいませんお願いします。」

 

 

 

 

 柊馬。そんなことが。

 「なぁ、奏心。お前は俺に手紙出さなかった」

 「いや、出した。」

 「え?」

 「使われてないあのポストに。」 

 「なんで」

 「届いたら迷惑!だから・・・」

 「迷惑じゃない」

 

 いきなり、柊馬の方に引き寄せられた。

 そして、耳元で

 

 「You’re my everything.」

 「え?」

 「貴方は、私のすべてです。」

 「え?」

 「ホテルに行こう。奏心と俺だけのホテル」

 「あぁ」

 

 驚きのあまりそのままついてきてしまった。

 中は思ったよりもずっと広くてビっクリするほどだった。

 

 「はやく!奏心行くぞ!」

 「テンション高いな」

 「嬉しいんだ。奏心とここに居られることが。」

 「あぁ、僕も」

 「はやく!エレベーター乗って!部屋を見せたい!」

 

 高校生のときの柊馬にもどったみたいだ。

 

 「あぁ」

 

 最上階の部屋に着くと海と夜景が一望できた。

 

 「柊馬。」

 

 きれいな夜景。それより、隣に柊馬がいることの方が嬉しくてたまらない。

 

 「奏心、10年も待たせて悪かった。」

 「柊馬」

 「おいで奏心」

 

 そう言うと柊馬は自分の腕を精一杯広げた。

 そこに僕が飛び付くと今度は力いっぱに僕を抱き締めた。

 

 「奏心だ。」

 「そうだよ?」

 「俺、嬉しいよ。会えないかもって思ってた」

 「・・・」

 「本当に奏心だよな」

 「そうだよ!」

 

 そんなことを言い合いながら僕たちはキスをした。お互いを求め合うような深い深いキス。

 

 「んっ、と、柊馬。」

 「奏心」

 「会いたかった」

 「奏心、俺も」

 

 そういいベッドに押し倒された。

 ゆっくりと柊馬の手が僕の服の中に入ってくる。

 

 「奏心。俺と別れてから何人とした?何回ヤった?」

 「か、数えるくらいだよ」

 「何人だよ!」

 「4人くらい。」

 

 そんなことをいいながら僕の固くなった乳首を触ってくる。

 

 「本当に?」

 「ほっ、んと。あっ、いや。」

 「声で出るよ」

 「し、仕方ないじゃん!最近してなかったんだから」

 「そうなの?」

 「ぁあ」

 「まぁ、そうだよね。じゃなきゃこんなに下元気にならないよね。」

 

 ゆっくりと体を這うように柊馬の手が下半身にのびて行く。そして、僕のそれを出した柊馬は。


 「お、おい!くっ加えんな。」

 「ひひじゃん」

 「よっ、よくない」

 「あんで?」

 「す、すぐイッちゃうから〃〃」

 「いいよ、イッて」

 「んっ、あっ、い、イッく」

 「いいよ」

 「んっ、あっ、あっ、」

 「濃いね、奏心一人でもしてなかった?」

 「う、うん。」

 「可愛い」

 「可愛いくないよ!もう、28だよ!」

 「それは俺も。それより、俺もそろそろ我慢できない入れていい?」

 「う、うん、久しぶりだからいきなりは困るけど」

 「大丈夫!ローションちゃんとある。」

 「なら、いいけど」

 「でも、奏心。ローション要らないくらいトロトロじゃん」

 「い、言わないでよ」

 「指も入っちゃうよ」

 「あっ、いや、、」

 「気持ちいい?指増やしてもいい?」

 「うん、、、」

 「増やすね」

 「う、あっ、うん」

 「あっ、見つけた!奏心のいいところ」

 「いや、そ、そこ、ダメ。」

 「ダメじゃないじゃん!気持ちいいでしょ?すごい絞めてくるよ。」

 「んっ、いや、柊馬の欲しい。柊馬のおっきいの」

 「そんなこと言わないでよ。俺がもたなくなる」

 「はやく!ちょうだい?」

 「分かった。入れるよ」

 「んっ、あっ、」

 「奏心の中ヤバイ。気持ちいよ。もう、俺にしかこんな姿見せちゃダメだよ。」

 「んっ、あっ、み、見せない。と、柊馬だけ、」

 「うん、あっ、イッく。」

 「いいよ、一緒にイこ」

 「うん、あっ、イッく」

 「柊馬気持ち良かった。」

 「ねぇ、奏心もう一回しょ!」

 「ぅん!」

 

 そのあと僕らはお互いの10年間を埋めるかのように愛し合った。

 そして、僕は柊馬の耳元で

 「You’re the one I’ve always wished for.」

 と囁くと顔を真っ赤にした。

 そこから僕の記憶はない。ただ、気持ちが良かったのだけは記憶にある。

 

 「You’re the one I’ve always wished for.」

 あたは私が望んだひとです。

 

 「I Love you」では足りない。僕が望んでいるのは柊馬しかいない。

 

 

 朝起きると柊馬が隣にいた。

 

 「おはよう」

 「あぁ、おはよう。奏心」

 「トイレ行きたい。」

 「行ってらっしゃい!」

 「いや、立てない!誰のせいだ!」

 「ご、ごめん。つい、嬉しくて」

 「連れてて!」

 「わ、分かったよ!」

 

 そう言いながら笑う柊馬は僕の知っている柊馬だった! 

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みらいポスト 杏璃 @You-me

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