悪役令嬢はとりあえずフラグをフンッ! とへし折っていく(百合)

野口マッハ剛(ごう)

短編小説です☆

「起きて、ガブリエル~」


 姉エルモがまだ寝ている妹ガブリエルを揺り動かしている。


「眠い……お姉ちゃん…………」


 悪役令嬢ガブリエルは寝坊している。


「もう、起きてよ?」


 姉エルモはため息をついた。


 じっと、妹ガブリエルの寝顔を見つめる。


(私がしっかりしないと、この子はどんどん悪役令嬢って呼ばれちゃう)


 姉エルモがそう思った時だった。


 ガシッ。


 妹ガブリエルは、姉エルモの腕をつかんでこう言った。


「お姉ちゃん……寝ようよ…………」


 これを聞いた姉エルモは鼻血がツーッと流れた。


(え、えっと?! 私の可愛い妹ガブリエルがそんなこと言うなんて……!?)


 そして、グイッと姉エルモを引っ張って顔と顔が近づいた。


「ガブリエル……?」


 姉エルモは妹ガブリエルの寝顔にドキドキする。


「グーグー……」


 どうやら妹ガブリエルは寝ているようだ。


 姉エルモはこう思った。


(~~?! 私たちは姉妹なのよ!? いけないわ?!)


 すると、悪役令嬢こと妹ガブリエルは目を覚ました。


「え……!? お姉ちゃん、どうしたの?」


 ガブリエルはその顔の近さに驚いた。


「おおおお、おはよう……?」


 姉エルモは顔と顔の距離をあけた。


「お姉ちゃん? まさか、キスをしようと……?」


 妹ガブリエルはそう言った。


 すると、姉エルモは、


「ガブリエルの顔にホコリっぽいのがついていたから取ろうとしただけよ……」


 と言って、鼻血を手で拭く。


「うーん、お姉ちゃん、それにしては顔の距離が近かったような?」


「……先に朝食を食べるね」


 そう言って姉エルモはガブリエルの部屋から出て行った。


 残された悪役令嬢こと妹ガブリエルはこう言った。


「お姉ちゃんって可愛いなぁ」


 クスクスと笑うガブリエルなのであった。


終わり☆

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悪役令嬢はとりあえずフラグをフンッ! とへし折っていく(百合) 野口マッハ剛(ごう) @nogutigo

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