第16話 転生案内人 案内人1

 ここは、地球とは違う惑星名前はカンザリスこの世界には人とは違う知的生命体が数多く存在しており、それらが共存し、世界を作って来たと言えるだろう。

  そんな世界は今では土地の名前が国の名前になり王国や帝国、聖国と後ろに付き、公爵や勇者など何処かのフィクション作品のような役職が現れ世界の建物は様変わりし、ギルドと呼ばれる組織が出来たりと世界が大きく変わった。

 

 転生者という異物のせいで。


 俺は案内人1と書いてファーストと周りの者には呼ばせている。


 案内人というものは神がこの世界に転生して偉業を成そうとする転生者達のサポートと管理をする役職として最初の転生者53人に与えたもので案内人は案内人53までいた。


 そもそも、最初の転生者53人はこの世界に堕ち世界に厄災を振り撒いている堕神だじんという存在の討伐という使命を神から与えられ転生したらしい。


 だが、一向に堕神は討伐されず50年の時が経ち最初の転生者53人の中で寿命の近付いている者が現れたので神は追加の戦力投入のために転生者を呼び案内人と協力して堕神討伐に当たらせようとしたが今はその辺は曖昧になっている。堕神を討伐したら神からなんでも願いを1つ叶えてもらえるので未だに堕神を狙っている案内人と転生者達がいるらしい。

 

 俺はこの話を先代案内人1から案内人を引き継いだ時に聞いた。


 それと案内人達も一枚岩ではない。堕神討伐のため協力してまとまっていたが、裏切り者が現れたため堕神討伐は失敗した。


 その後、案内人という役職が出来てからは転生者が案内人の役職を得るために、案内人を殺害する事件が起きた。


 そのため案内人の仕事を放棄し、担当する転生者を持たない案内人が出たり、自分と自分が呼んだ転生者でまとまり、他の案内人と転生者と関わらない案内人や中立の立場を保とうとする案内人がいたり案内人は様々な形になっていった。

 

 二代目案内人1をしといてあれだが、俺は転生者をあまり好ましく思っていない。皆前世の記憶があるからかハイスペックな肉体と異能力を手に入れたせいか自分勝手で自己中心的な奴ばかりで苦労をさせられるからだ。


 この前連れて来た転生者は放心状態だったかと思えば転生と聞いただけでラノベがどうのアニメがどうのと捲し立てきて、俺からの話を全然聞いてくれず、転生してからは自分は別に普通ですけど周りから見たら天才なんですかみたいなスタンスでいて本当に腹が立った。


 なのでその子より先に転生し、この世界に順応した子に先に転生した先輩としてその子の教育とこの世界のルールとかを改めて教えて上げてくれと頼んだら、あろうことか自分の後輩を殺しかけやがった。


 それでも、俺は案内人1としてやらなければならない。堕神との契約を遂行し、元の世界に戻るために。


 

 

 

 

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転生案内人 @YukatukiNikora

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