そこまでやるの!?(1)#74
母の自宅を引き払って正式に引っ越してから2週間くらいの間は、どうしてもまとまった時間が取れなくてなかなか施設の部屋が片付かなかった。何よりも、狭いせいで家具がうまく配置できず、せっかくのタンスの引き出しが開かない、カラーボックスの棚から出し入れができない、だからそれらの中に物を入れられないなど、サクサクと片付けられるような状況でもなかった。
それでもある週末、やっと半日強の時間が取れて、汗だくになりながら私が一人で八割方の物を収めた。あとは時間をかけて母とじっくり思い出の品を眺めながら要る要らないをやって、収納しきれない物は本人納得のうえで処分していくことになるかもしれないと思っていた。
そんな矢先、施設から電話がかかってきた。「模様替えしてもいいですか」と。
えっ!? と驚いて、まだ片付いてないのは重々承知しているけど、あとはどこをどうすれば片付くかメドは立っているので、まだ見苦しい状態であることには多少目をつぶってほしい、というようなことを言った。
すると、「収納が使えてない状態なので、それを使えるようにできると思う。家族さんだけでは大変な力仕事でできないだろうけど、こちらは男手もあり人数もかけられるので、やってみたい」と言うのだ。
収納家具が十分に活かせるようになる?
話では、大きい家具の移動だけということだったので、それならお願いしてもいいかな。
そう思って、「細々した中身の収納は自分たちでやるつもりだったけど、大きな部分だけやっていただけるのは、むしろありがたいです」と答えた。
結果、すべての収納家具が使えるようになり、これはこれで本当に助かって、こんなことまでやっていただけるなんてと恐縮至極だったのだけど、「こんなことまで」の中身が問題だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます