核心に辿り着かない!#14
行政による介護サービスは、断固拒否の母。
でも、何とかしないと、母の身も心も壊れてしまうと切羽詰まった私は、ワラをもつかむ思いで地域包括支援センターに電話してみた。
事情を長々と説明する。
結局、一番困っているのは服薬管理ができないことですね、ということになって、保健師が本人の様子を見に行って、訪問看護の体制が取れるかどうか検討してみると言う。
それがいいのかあまりピンとは来なかったものの、保健師なら違った視点で何か策を考えてくれるかもしれないと思い、一応期待した。
1週間以上待たされた。
そして、やっと来た電話。「こちらではできることがないので、地区の民生委員に見守りをお願いしてはどうか」とのこと。今さら、見守り??
でも、たまたま母のマンションの部屋の向かいに民生委員が住んでるのは知っていたので、その人が担当するのだろうと思って、私の連絡先を教えてもいいと承諾した。
すると、すぐに電話がかかってきた。
「ずっと娘さんとお話したいと思っていた」と切り出した彼女から、思いがけない話をされた。
実は、母は顔見知りの彼女の部屋をたびたびピンポンし、自分が余している食べ物を「よかったら食べませんか」と持ってきていると言うのだ。
それは、手つかずの菓子パンやカップ麺の場合もあるけど、多くはお弁当のおかずの食べ残しや、コンビニの唐揚げの残りの数個だったりするそうだ。
ショックだった。
いくら「この部分は手を付けてない」とはいえ、ほかの部分は食べているその残りをもったいないからと人様に持っていくとは。。。
明らかに、健常な判断能力じゃない。
私は、驚きながらひたすら謝った。
彼女も怒っているわけでは全然なくて、「一人暮らしが無理になってきている状態じゃないかしら」ということが言いたいらしかった。
その行為が認知症のせいかどうかはともかく、何か理由を付けて人に接触したい気持ちがあるからそうするんじゃないか、と。
そして、訊かれれば大丈夫と言うし、さびしくない、一人で自由にしてるのが好きと強がっているけど、トシを取ってくると今まで平気と思っていたことが不安になってくるし、本当はさびしいんだと思いますよ、と。
自分も70を過ぎて、そういうふうに思うんだそうだ。
そんな彼女のアドバイスは、誰か同居するか、サービス付き高齢者住宅(いわゆる施設の一種)などに入るっていう手があるということだった。
彼女の話はありがたかったし、知らなかった実情がわかってよかった。
しかし、話が違う方向に大きくなってきた。
「今すぐ・便秘の思い込みを何とかし・下剤飲み過ぎの下痢を治したい」。
どうして、そのピンポイントの解決法が見つからないのか。。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます