急な病気と言うのは、誰にでも起こり得るものです。ですがおそらくほとんどの人は、いざそうなるまではどこかで自分は大丈夫と言う考えがあるでしょう。身近な誰かだって同じで、明日も明後日も、今日と変わらず会えると信じているのではないでしょうか。それが、高校生と言う若さならなおさらです。
蒼太と廉は、同じ高校のサッカー部に入っている親友同士。ですがある日、廉は病気にかかって倒れてしまいます。
入院した廉ですが、蒼太は何度もお見舞いに通い、いつか元気な姿で退院する事を信じています。
この二人の掛け合いが漫才のように面白く、病気と言う重い状況にもかかわらず、くすると笑う場面が何度もありました。バカなことを言い合って騒いだり、恋の悩みを打ち明けて一緒に悩んだり、そんな場面を見る度に、こんな風に笑って話せる親友がいるっていいなと思いました。
病気や、人の命を書いた作品。そしてそれ以上に、蒼太と廉と言う親友二人の絆を書いたお話でした。
蒼太と廉は、同じ高校のサッカー部に入っている親友同士。二人でレギュラーを取ることを夢見て、毎日練習に励んでいたのですが。ある日突然、廉が病に倒れてしまいます。
もう今までみたいにサッカーは出来ない。残された時間も、もうそんなに無いかもしれない。そんな中、蒼太に出来る事は何? そして廉は、親友に何を伝えたい?
過酷な状況に追い込まれても、恋の悩みについて相談したり、一緒に笑い合ったり。病魔に侵された親友と言うのは話の主題ですが、蒼太と廉の掛け合いが明るくて、時々クスリと笑う場面もあって、作品の雰囲気は暗いものにはなりません。
途中、蒼太が恋に悩む場面があるのですが、そんなウジウジしている蒼太の背中を、廉が押してくれて。廉、自分が大変だって時に友達の事で必死になれるだなんて、アンタいい奴だよ。
切ない瞬間もやはりありますけど、それ以上に男同士の友情が眩しくて、こう言うのを、『親友』と呼ぶのだろうなと感じました。