愛していてくれて恨みます。
@karuhapapa
第1話
山下 美咲と佐藤 翔真は高校の頃から付き合っている。最初の方こそ蜂蜜を砂糖でにつめてそれこそ吐き気がする程甘い言葉を囁きあっていたが今では家に遊びに行っても体を触れ合わせるだけで幸福を感じるようになっていた。
営みは月に2回ほど。友人には少ないと言われるが2人はそれで満足していた。2人はそんな日々がずっと続くと信じて疑わなかった。
事実弊害なく高校生1年から大学4年まで付き合い春まで来れていた。
就活ももう始めていたし失敗したら親の自営業がある。それを手伝って気に入ったら継げばいい。親もそう言っていたので翔真はこのまま美咲と結婚すると考えていた。
衝突もあった。他の女性に目がいくこともあった。
それでも美咲は自分を信じていてくれたのだ。これ以上の女性はいない。
体の相性も抜群。これを運命と言わずしてなんと言うのか。
同棲している部屋の中で2人は
将来について話し合う。
「ねぇ翔真くん。子供は何人欲しいか考えてる?」
「そうだね…」
就活は人より早く始めていたので
絶対成功するだろう。早くに貯めておけば
子供は2人は育てられる。
しかし美咲に対する苦労は掛けたくない。
「2人とかどうかな?」
「良いね。2人なら私も頑張れると思う。何より翔真くんとの子供だもん。」
翔真は照れて顔が赤くなる。
全くいつまでこの子は俺を惚れさせればいいんだ…と大学生らしい大人だかどこか子供なことを思う。ポエマーになってしまうのは仕方が無いと翔真の親友の圭太が言っていたので彼は今の考えを「クサイ」だとは微塵も思っていない。
「明日デートだね。明日は初めて貰ったプレゼントのイヤリングをつけて行こっかな。」
「あれ?神社祭りで無くしたんじゃなかったの?」
三日前にあった神社祭りで彼女はプレゼントを無くしてしまったと大泣きしていた。
それを慰めたのは記憶に新しい。
だが、それ程美咲が自分のプレゼントを大事にしてくれていたのだと思うと何だか嬉しかった。これは美咲に一生言うことは無いだろう。
「イヤリングあの後圭太くんが一緒に探してくれたの!」
そういう美咲の顔は少し笑っていてよっぽど嬉しいのが見て取れる。
「流石圭太だな。俺の親友は良い奴だな!」
そんなことを話してるうちに12時になる。
軽快なミュージックがそれを知らせてくれる。
話していると時間が経つのがあっという間に感じる。
2人は明日寝坊しないように等のジョークを言いながら微笑み合い寝室に向かっていった。
愛していてくれて恨みます。 @karuhapapa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。愛していてくれて恨みます。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます