魔法学の常識と魔法学の実体(設定)

☆魔法学の常識


 魔力を制御して変化させる魔法を体系化した魔法学は、

魔法使いが魔法石を構成する魔力を魔法記号で表した情報(口頭や書き出し)と、

魔法使いに成りたい人が魔法石から感じて得られる情報を一致させて、

魔力の共通認識を持てた場合に学ぶ最低条件を満たせる。


 魔法学を学ぶ〝魔法使いの才能(資格)〟は、

魔法記号と感覚を一致できるか否かで決まり、

先天性の影響が大きいと考えられる事から、

〝貴族だから成れる〟とか〝平民だから成れない〟と言う事は無い。


 魔法使いの社会にも、

貴族出身者を優遇して平民出身者を冷遇する社会は存在するが、

全ての魔法使い社会が該当する訳では無く、

魔法使いと言う立場は等しいと考える社会も存在する。



 未だに魔法学では解明されてない魔法が多い古代魔法は、

魔法が体系化される以前に主流だった魔法使い達が用いた魔法。


 古代魔法には共通の魔法記号が無く、

当人しか分からない方法で魔法を使い、

他者が理解できなくて当然の状態だった。


 古代魔法を使う者が残した文献には、

古代魔法を書き記した物も存在するが、

魔法記号で表現できない物が多く、

多くの古代魔法は未だに未解明。(研究は行われている)




☆魔法学の実体


 魔法学で古代魔法が解明できない原因は、

魔法記号の少なさに有る。


 魔法記号を定めた魔法使いは、

多くの人が感じる魔力を感じる事が出来た人物で、

多くの魔法使いが定められた記号を共有できて、

体系化が進んだ。


 多くの人が感じらない魔力を感じる者が考えた魔力区分を、

理解できる人は非常に少なく、

主流に成り得なかった魔力区別は発展せず衰退し、

何とか文献は残っても、

古代魔法へ一括りにされ、

雑に区別されている。


 感じられる魔力の違いは、

区別できる色に個人差がある事と似ていて、

Aさんは①②③を同じ赤と判断したが、

Bさんは①②③は異なる赤と区別した、

様に、

Cさんは①②③を同じ魔力と判断したが、

Dさんは①②③を異なる魔力と判断した、

事で、

魔法学で用いられる魔法記号と一致しない人物が存在する。


 ↑は細かい区分が出来る場合だが、

魔法学では①②③を異なるが、

①②③は等しいと区分する人は、

魔法学で用いられる魔法記号を用いる事は出来ず、

魔法使いの才能が無いと判断されてしまう。


 魔法学で等しい扱いの①②を異なると区分できても、

魔法学で異なる③④を等しいと感じる者は、

魔法学の魔法記号を用いる事が出来ない。

(五十音のさ行が使えない人は日本語を使い難いはず)


 詳細な区分が出来ても魔法学の才能が有るとは限らない。


 魔法学の才能とは定義される魔法記号を使える事と等しく、

魔法学の才能が無くても魔法が付かない訳では無い。


 魔法学で解明されていない古代魔法を使うには、

魔法学の範囲外に存在する魔力を感じられる必要があり、

魔法学に固執する限りは、

叶わない事と言える。


 魔法学で用いられる魔法記号が使えれば、

細かな違いを区分できても魔法学を学ぶことは出来る事から、

魔法学を学ぶ条件は、

〝魔法学で用いられる魔法記号を使える〟こと。


 魔法学の魔法記号では全ての魔力を区分できない影響で、

魔法には成功する確率が存在する。


 質の高い魔法石を用いる事で、

魔法の成功確率を高められる事から、

高品質な魔法石の需要は高く、

値段も高額で、

裕福な魔法使いか特別な理由が無い限り使えない傾向がある。


 魔力の詳細な区分が可能な魔法使いなら、

低品質な魔法石でも成功する確率……と言うより、

魔法石を構成する魔力の違いが詳細に分かれば、

失敗する魔法石と成功する魔法石の違いから、

失敗する理由や成功する理由が分かり、

魔法式を作り変えて確率を減らす事が可能。

(全ての魔力を区別できれば理論的に失敗する魔法石を避けたり魔法式を組み替えて魔法学では失敗すると考えられる魔法石で成功させられる場合もあり得るが、詳細な魔力の区分を理解できない者たちには嫌われそう)




☆魔法社会の闇?


 魔法学を学ぶ者が魔法使いの大半を占める現在は、

魔法学を学ばない魔法使いへ、

魔法の才能が無い劣等な存在だと、

魔法使いで有ること自体を否定する、

魔法学を高尚と認識する魔法使いは多い。


 古代魔法はひっそりと存在しているが、

数が少なく、

魔法学の発展に対して遅く、

体系化が難しい関係で、

一代で終わる事が多く、

古代魔法を使う者は凄く少ない。

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魔法使い ネミ @nemirura

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