近所の人の会話を盗み聞いて、推理しまくった。さて、私には何ができて、何ができないんだろうか?
第5話 彼と私
ー次の日ー
朝起きて食事して、今日も元気に背後霊な一日行ってみよー! おー!
・・・よし、学校行くか。今となってはそんなところにわざわざ行く必要などはないのだが、私についての情報を探らなくてはいけない。という建前はさておき、背後霊が背後から離れることができるのかとか、離れることによって存在が消滅してしまうのではないかという不安もある。
ー学校ー
学校に着き、くだらない授業を左耳から通し右耳に流していると、急にトイ・・・お花を摘みに行きたくなってきた。霊体尿意とでも呼ぼうか。
幽霊になってからも、感覚は生々しいな。もしかして、死んでしまったことを認めたくなくて、生きている人間を
そんなことを考えていたら、尿意がやばい。
・・・よしトイレに行こう。先生には言わなくてもいいだろう。
理科室の前を通り、トイレに行く。
これはトイレに出る幽霊みたいだなと思いながら、手を洗っているときに、窓が開いていることに気が付いた。少し後から考えたのならばこのことに気が付かなければよかったと思ったかもしれない。
やけに寒い風が入ってくる窓に近づき・・・。
その光景がフラッシュバックした。
私は窓の前に立っている。ここは女子トイレだったはずなのだが、彼が目の前に立って何か話しかけてきている。光景だけなので声は聞こえないし、表情も見えない。
その後、私は外のほうを向き、景色が高くなった。窓のふちにでも上がったのだろうか? おかしいな、私はそんな危険な遊びをするような子じゃなかったはずだぞ。
そして後ろからの衝撃とともに、私の足元を支えていた感触が消えた。
一瞬の浮遊感に浸っている間もなく、私の体は無情にも重力に引っ張られていく。ぐんぐんとスピードが上がっていくのを感じ始めたあたりで、光景は途切れた。
・・・・・ああ、そうか。私はきっとここで死んだんだな。
彼に突き落とされて。
そうだとすると私は彼の背後霊をしている理由もわからなくはない。
冷静に結論を出した瞬間に、私は逃げ出した。必死に走った。気が付けば家に戻っていた。私は怖かった。そう、ただ怖かった。
ー自宅ー
・・・ふぅ。私はいったい何がそんなに怖かったのだろう? よし、推理タイムだ!
まず、彼に殺されたと気づいた時も真実に驚いただけで、恨めしい気持ちはしなかったと思う。それだけ生前の私は彼を好いていたのだろう。それに、私は殺した相手をいつまでも恨み続けるほど、心の小さい女ではないはずだ。
いくら私の心が寛大だったとしても、自分を殺した相手の後ろにわざわざ守護霊として憑くとは考えにくい。ならば、やはり私は地縛霊なのだろう。
わかったことをまとめると、『私は、私を殺した彼を恨んではいないと思う。』『しかし、私は地縛霊である。』『私の心は寛大である。』の三つだな。
う~ん。ならば私が感じた恐怖とは、『私が彼の後ろに
・・・よし。こんなテンションでいるとまずいから、気分転換に風呂でも入ろう。今なら風呂に入って着替えもできそうだ。
やっぱりこの状況なので、湯舟には入れなさそうだが、体くらいは洗えるだろう。
水道代ドロボウとかで彼に迷惑をかけているのかなぁ。
っと、それはさておき、彼から離れても大丈夫なことが判明したので街中のほうに出てみようと思う。幸い、午前中のうちに家に帰ってきたのでまだ時間はある。
幽霊ながらに腹ごしらえと、視える人に会っても恥ずかしくないような
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