文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
能因草子presents〝食事と魔獣の大革命研究発表会〟後篇
能因草子presents〝食事と魔獣の大革命研究発表会〟後篇
異世界生活百六十六日目 場所コンラッセン大平原、能因草子の隠れ家(旧古びた洋館)、魔法科学研究塔
「では、何故魔獣肉は食べられないのか……そして、クトゥルフさんの触手は何故食べられるのか……味や食感は置いといて。その辺りの説明をさせて頂きます」
取り出したのは新鮮そのものなゴム状のクトゥルフの足とコニヴェスラビットの死体だ。
その一部を【虚空ト異界ヲ統ベル創造ト破壊之究極神】で作り出した顕微鏡とプロジェクターを使い、拡大して映し出す。
「まず、何故魔獣の肉が猛毒なのか? 魔獣肉は見て分かる通り基本的に普通の肉と同じ細胞によって形成されています。簡単に言えば、動物系の魔獣は動物細胞、植物系な魔獣は植物細胞で構成されているのです」
顕微鏡とプロジェクターの接続を切り、事前に用意していた四つの画像を映し出した。
それぞれ、コニヴェスラビットの細胞、普通のウサギの細胞、ブラッドアルラウネの細胞、家庭菜園で育てているトマトの葉の細胞である。
「確かに……コニヴェスラビットの細胞と普通のウサギの細胞はほとんど同じですし、ブラッドアルラウネの細胞とトマトの葉の細胞もかなり酷似しています! これは大発見ですよ! 論文級です! 是非論文にしましょう!! 草子教授!!」
ウィルヘルミナ達は物凄い驚いているようだが……これ、まだ序章なんだけどな。
「では、何故トマトの葉やウサギは食べられるのに、コニヴェスラビットやブラッドアルラウネには【毒無効】を貫通するほどの猛毒があり、捕食系のスキルがなければ食べられないのか……その理由がこちらです」
顕微鏡から切り替えたスライドを二枚目に移動させる。
「…………これは、一体何ですか? 何かの魔法の呪文でしょうか? しかし、見たことのない言語で書かれていて分かりませんね」
ルシエラはこの画像に書かれた文字列を呪文と勘違いしたらしい……うん、呪文として解読するのは無理だと思うよ? これ、呪文じゃないし。
「これは、DNA……デオキシリボ核酸の塩基配列です」
「「「「「「「「「「「……………………??」」」」」」」」」」」
「…………草子さん、流石に異世界人に塩基配列の話をしても伝わらないと思います」
「いくらこの世界がカオスでも一応異世界なんですから私達の科学知識はそこまで通用しないと思います」
デクエゥシスと夏彦が揃ってジト目を向けてくるんだが、今回は俺が悪い訳じゃない。知らない方が悪いと思うんだが……。
「一応、ヴァルルス様からの依頼があった際に、科学系の本も一通り魔界中央図書館に入れといた筈ですけどね。正直、図書館に通われている方々は目を通していると思っていましたが……」
「「「「――ぎくっ」」」」
ああ、その様子だとヴァルルス、セリスティア、ウィルヘルミナ、ルシエラ……………「私、信じていたのに」……と心の中で追い討ちをかけてみる。
「まあ、いいでしょう。DNA……デオキシリボ核酸とは核酸の一種で俺達の住む地球の多くの生物において遺伝情報の継承と発現を担う高分子生体物質です。
まあ、要するに魔族や魔獣には魔力とタンパク質が結合して猛毒になるという特殊な遺伝子があるということだ。地球の者達から見れば意味不明だが、事実である以上は認める他ない。
「続いて、こちらの資料をご覧ください」
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NAME:ボスオーク
LEVEL:39
HP:500/500
MP:0/0
STR:300
DEX:120
INT:1
CON:260
APP:-60
POW:170
LUCK:19
SKILL
【両手棍】LEVEL:15
→両手棍を上手く使えるよ!
【豪打】LEVEL:20
→豪快に殴るよ! 【猛打】の上位互換だよ!
【爆裂槌】LEVEL:20
→爆発が発生するほどの威力で殴るよ! 【衝撃槌】の上位互換だよ!
【爪理】LEVEL:20
→爪使いの真髄を極めるよ! 【爪術】の上位互換だよ!
【突進】LEVEL:15
→突進が上手くなるよ! 【体当たり】の上位互換だよ!
【捨て身】LEVEL:15
→捨て身攻撃が上手くなるよ!
【跳躍】LEVEL:15
→跳躍が上手くなるよ!
【部分硬化】LEVEL:20
→体を部分的に硬化させるよ! 【硬化】の上位互換だよ!
【連携】LEVEL:25
→連携が上手くなるよ!
【威嚇】LEVEL:25
→威嚇が上手くなるよ!
【気配察知】LEVEL:15
→気配察知が上手くなるよ!
【物理耐性】LEVEL:10
→物理に対する耐性を得るよ!
【魔法耐性】LEVEL:10
→魔法に対する耐性を得るよ!
【威圧】LEVEL:15
→威圧感で相手を怯ませるよ!
【性豪】LEVEL:60
→性欲を上昇させるよ!
ITEM
・カシの棍棒
→橿でできた棍棒だよ!
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「これはボスオークのステータス情報ですが、おかしいところがあると思いませんか?」
「…………確かに、言われてみれば。魔獣肉には魔力が含まれている筈ですが、このMPはゼロになっていますね」
「流石はフィード様です。実は魔獣肉のタンパク質と結合した魔力は魔毒と呼ばれる特殊な毒へと変化します。これが、魔獣肉の猛毒の正体です。そして、完全に結合した場合、魔毒は魔力ではなくなります。だから、MPとしては使えないのです。要するに、魔獣や魔族は自らが使えない魔力を身体の中に溜め込んでいるということですね」
セリスティア達は驚きっぱなしだ。まあ、俺も研究してこの結果に行き着いた時に驚いたからね。
実は最初にヴァルジャ=ラ迷宮に飛ばされた時から疑問だったんだよね? その疑問がようやく解けて良かったよ。
「では、更に踏み込んでいきましょう。捕食系のスキルを使った時の経験値とスキルの獲得のメカニズムについてです。まず、魔獣肉を捕食系のスキルで捕食した時に魔獣を倒した時よりも多くの経験値を獲得できます。それは何故でしょう? インベルさん、どうぞ!」
「えっ!? ええ、ええっと……もしかして、魔毒を克服したから経験値を獲得できるということですか?」
「残念、まあそう言いたくなるのも分かりますよ。……元々、魔獣肉には大量の経験値が含まれているのです。しかし、魔毒があるためこの経験値の大量に含まれた魔獣肉を食べられない……と、こういう順序です。ちなみに、経験値は動物を食べても得られるようにこの世界産の物質には全て含まれています……一部スキルで作ったものに含まれていないのは元々がこの世界産ではないからです。スキル産ですからね。捕食系のスキルを使って食べた時に魔獣肉がゲキマズなのはこの魔毒が原因です。つまり、本来の魔獣肉はそれぞれの美味しさがある……だからこそ、植物と動物の違いがある筈なのに、魔獣肉から全く同じ味がするのです。ちなみに、経験値とスキルは別計算で、捕食系のスキルを使って捕食した時のみスキルを獲得できます。これはかなり重要なポイントとなる情報ですので必ず覚えておいてください。スキルを獲得することはできなくても、この膨大な経験値が欲しい――紫キャベツより美味しい上に、獲得経験値量が優っている場合もありますし、これは是非とも食べたいですよね。しかし、魔獣肉の魔毒をタンパク質と魔力に分解することは困難を極めます。正直なところ不可能に近い……そこで、魔力とタンパク質を初めからくっつかないようにすればいいのではという結論に至ったのです」
「簡単に言うけど、それができないから困っているんだよ!!」という視線を向けるセリスティア達……いや、デクエゥシスと夏彦にはここまでの話で察して欲しかったんだが。
「まあ、簡単に言えばゲノム編集です」
「…………それ、地球だと認められていない奴だよな」
おいおい、何を今更。遺伝子組み換え作物とかもあるし、ちゃんと
「夏彦さん、その辺りはちゃんと確認済みですから。……ってことで、説明に不要になったクトゥルフさんの足はサクッと頂いて、試しに作った魔獣を何体か見て頂きましょうか?」
【虚空ト異界ヲ統ベル創造ト破壊之究極神】でクトゥルフの触手を捕食し、虚数空間からあらかじめ作っておいた三体の食用魔獣を取り出す。
『……さらりとただでさえ意味不明な強さの存在が更に強化された気がするのじゃが、気のせい、じゃよな?』
ん? なんかクトゥルフが言っていた気がするが、多分空耳だろう。
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NAME:ビアンコラビット
LEVEL:99999
HP:600000/600000
MP:0/0
STR:600000
DEX:400000
INT:0
CON:300000
APP:50
POW:500000
LUCK:0
SKILL
【メガトン・ドロップキック】LEVEL:30000
→強力な飛び蹴りを放つよ!
【オーラフォース】LEVEL:30000
→物理攻撃力が上昇するオーラを纏うよ!
【アクセルフォース】LEVEL:30000
→敏捷が上昇するオーラを纏うよ!
【スカイウォーク】LEVEL:30000
→空中を自在に歩けるよ!
【調理時経験値上昇】LEVEL:30000
→調理した時に保有経験値が増加するよ!
ITEM
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NAME:テンペストヴォラティル
LEVEL:999999
HP:3600000/3600000
MP:0/0
STR:3000000
DEX:2600000
INT:0
CON:100000
APP:120
POW:100000
LUCK:0
SKILL
【フルバースト・ヴェロシティ】LEVEL:90000
→風を利用して加速するよ!
【エアリアル・クラック】LEVEL:90000
→破壊をもたらす風を操るよ!
【テンペストストーム】LEVEL:90000
→竜巻を発生させて自在に操作するよ!
【サモン・マッハ】LEVEL:90000
→マッハを召喚するよ!
【ゲイル・ハンマー】LEVEL:90000
→突風のハンマーを振りかざすよ!
【ストーム・メイル】LEVEL:90000
→風の鎧を纏うよ!
【調理時経験値上昇】LEVEL:90000
→調理した時に保有経験値が増加するよ!
ITEM
-----------------------------------------------
-----------------------------------------------
NAME:クラブスパイダー
LEVEL:99999
HP:270000/270000
MP:0/0
STR:100000
DEX:10000
INT:0
CON:6000000
APP:-50
POW:6000000
LUCK:0
SKILL
【スパイダーウェイヴ】LEVEL:60000
→蜘蛛の糸を張り巡らせて巣を作るよ! 粘着性の糸は強力だよ!
【オレイミスリル・ストリングス・ディスコネクト】LEVEL:60000
→オレイミスリル製の糸を操って相手を引き裂くよ!
【ポイズン・バブルラッシュ】LEVEL:60000
→猛毒の泡を吐くよ!
【バブル・ボンバー】LEVEL:60000
→爆発性の泡を吐くよ!
【調理時経験値上昇】LEVEL:60000
→調理した時に保有経験値が増加するよ!
ITEM
-----------------------------------------------
「これはまた……癖の強そうな魔獣ばかりだな」
「そうですかね? 全部味を確かめてみましたが美味しかったですよ? 折角ですし、ここには調理室もありますので実食してみてはいかがでしょうか?」
三体の魔獣を【殺気圏ノ王】で倒し、血抜き等の下拵えを終えてから調理室に運び込む。
研究の発表会は食事会に変わり、三人の凄腕料理人による豪華な軽食(というには少々ボリューミーだが)に舌鼓を打った。
「ところで、この魔獣はどうするのだ?」
「セリスティア学園長。明日発表しますが、この三体を含めた食べられる魔獣を地下大迷宮millefeuilleの雑魚敵として配置する予定でいます。だから、地下大迷宮millefeuilleにも関わる研究発表なのですよ」
「そうか……地下大迷宮millefeuille、草子殿の力作の迷宮がどのようなものになるのか、また一つ楽しみが増えたな」
…………もう既に攻略者が出ている、なんて言えないよな。まあ、全部素通りしてラスボスを倒すっていう反則じみた方法で攻略している訳だけど……そもそも、二律背反天使アンチノミーを含めて下層の敵は挑戦者が
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