文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
沢山の魔法の種類があるのは用途に分けて使うためなのかもしれない。
沢山の魔法の種類があるのは用途に分けて使うためなのかもしれない。
異世界生活七十日目 場所サイフィドルの町
昨晩は謎のファッションショーが展開され、かなり騒がしくなっていた。
なんで女子はお洒落が好きなのだろう。
俺の渡した装備に着替えた後、次々と女子達が俺の方に来ては感想を聞いてくるのが正直面倒だった。
うん、それ絶対ハーレム主人公の仕事だ。モブキャラの俺が担当するものじゃなくね!!
謎過ぎる仕事を終えた後、みんなを集めて今後の予定を説明した。
俺達は水の街アクアレーティアに向かい、そこでヴィッツィーニファミリーを倒し、奴隷を解放する。その後、首都レントゥーエレに向かい褒賞を受け取る……と、まあこんな感じになる。
首都レントゥーエレでは、アレク=アルドヴァンデ首相や
今のところヴァパリア黎明結社の影は見えないが、警戒しておいた方がいいだろう。アイツらは神出鬼没だし。
翌朝、俺はサイフィドルの町に〝
方向こそ変わったが、魔獣自体に変化は見られない。更にしっかりと整備された街道が続いていたため、大きな戦闘もなく水の街アクアレーティアに到着した。
しかも、小さな戦闘は全て白崎達だけで鎮火されてしまっている……うん、今日辺りに追放されそうだな。
水の街アクアレーティアはその名の通り、海に面した港町だ。主な産業は水産資源の売買でかなり潤沢な富を築き上げているらしい。
入街税を全員分支払ったところで、俺は冒険者ギルドで合流することを告げ白崎達と分かれた。
とりあえず、まずは情報を集めなくてはいけないからね。白崎達には冒険者ギルドでヴィッツィーニファミリーに関する情報を集めてもらう予定だ。
そして、俺の方なんだが――。
「貴様、何者だ! どのような要件でアクアレーティア伯爵邸を訪れた!!」
手っ取り早く情報を集めようとアクアレーティア伯爵邸に乗り込むことにした。
そして、現在進行形で軽装備の女性に睨まれております。
名前はシャリナ=マリエーナというらしい……うん、本人さんには名前を調べたことを悟られないようにしよう。更にあらぬ疑いを掛けられそうだ。
「共和政府のアレクって奴の部下を名乗る変なピエロからヴィッツィーニファミリーを討伐するという依頼を受けまして。とりあえず情報が欲しい……ということで、アクアレーティア伯爵邸に行けば何か情報をもらえるかと思いまして」
嘘を吐いても仕方ないので本当のことを話した。
「……怪しいな。あの強欲な独裁者が金を支払ってヴィッツィーニファミリーを捕まえる依頼を出すとは考えられないし、そんなピエロの話、聞いたことはない。出鱈目を言うと罪が増えるぞ」
うん、信用されていないっぽい。まあ、こうなることはなんとなく分かっていたんだけど。
「まあ、そりゃ信用できないとは思いますけど。本当なんですよ。そうしか言いようがありません」
「強情な奴だな。……おい、嘘を見抜く魔道具を持ってこい! これではっきりする筈だ」
シャリナは部下の衛兵に命じて一つのベルを持ってきた。もしかして、あの伝説の嘘を言うとチリンチリンと鳴る魔道具ですか!
「よし。お前、さっき言った『アレクの部下らしき変なピエロからヴィッツィーニファミリーを討伐するという依頼を受け、そのための情報を得るためにアクアレーティア伯爵邸に来た』というのは本当か?」
「本当です」
嘘ではないようだ。音は鳴らない。
「本当のようだな」
「のようですね。ということで、アクアレーティア伯爵に謁見させてくださいませんか?」
「……いや、それとこれとは話が別だ。今から伯爵に許可をもらってくる。安心しろ、どのようなことになってもヴィッツィーニファミリーに関する情報は渡そう」
交渉成立のようだ。
俺はその後、衛兵の一人に連れられて屋敷の応接室に案内された。
もし、アクアレーティア伯爵に謁見が叶わなければシャリナから情報を得ることができるのだろう。まあ、俺としてはどうでもいいんだけど。
数十分後、部屋に入ってきたのは銀髪碧眼の初老の男だった……つまり、伯爵への謁見が許されたってことか。
「はじめまして、アクアレーティアの統治を任されている、ヨハン=アクアレーティアだ」
「ご丁寧にありがとうございます。能因草子……役職はエリシェラ学園の客員教授をやっています」
出だしはこんな感じだ。まあ、最初は自己紹介からというのが基本だからね。
「エリシェラ学園といいますと、自由諸侯同盟ヴルヴォタットに唯一存在する魔法学園ですか? あの国はどうでしたか? 忌々しいこの国とは違い自由の気風があったでしょう?」
自由諸侯同盟ヴルヴォタットは、アレクのような独裁政権ではなく貴族を主体とした共同統治によって成り立っていた。
完全民主制ではないものの税は安く、国民の生活も安定していた。
そんな自由諸侯同盟ヴルヴォタットをアルドヴァンデ共和国の国民が羨むのは当然のことかもしれない。同じように革命に直面しながらもあちらは忌まわしい支配を脱出して自由を謳歌しているのに、こちらは未だにアレクの支配下に置かれている。
「まあ、いい国ではありましたよ。色々と出会いもありましたし。正直出発地点があの国だったのは幸運だったと思っています。宗教に染まったミンティス教国は危険そうですし、超帝国からは喧嘩を売られましたし、魔族の国からスタートだったらハードモード過ぎるし……と。……そんなことより、貴方が考えないといけないのは、今後の話だと思いますよ。アレクの支配が終わった時、この国を導いていくのは、貴方のような貴族なのですから」
ヨハンの表情が目に見えて変わった。
「……どういうことだ?」
「そのまんまの意味ですよ。そもそもの話、今回の一件は明らかにおかしいです。他国からでもアレクが強欲だという話は聞きます。信憑性の薄い噂話では大量殺戮を行っているとも。そんな方がわざわざ半ば自分のポケットマネーになっている血税を支払い、俺にヴィッツィーニファミリーを討伐させようとしている……考えられますか?」
「確かに、シャリナ二級魔法兵から話を聞いた時、そこがずっと引っ掛かっていた」
「俺はこう考えます。アレクの目的は別にあると。そのために、ヴィッツィーニファミリーの討伐という理由を作り上げないといけなかった。……アレクの目的は俺達を自分の
「……それが本当だとしたら……アレクは国民の命を犠牲にして力をつけていることになる。……アイツは国民から税を搾り取るだけではなく、未来ある若者の命すらも奪っていたということか」
「俺には、アレクを殺さなければならない理由があります。それについては詳しく話せませんが、暴君とはいえトップを殺す以上、混乱は避けられません。アフターケアも考えずにポンっとアレクの首を吹っ飛ばせたらどれほどいいものか。……そこが問題なんですよ」
「つまり、私にアレク亡き後、国を統治してもらいたいと。……そもそも、それほどまでに強力なアレクを倒すことはできるのか?」
「……まあ、なんとかなると思いますよ。……後、ヨハン様お一人にこの国を統治しろとは言いません。貴族の中には貴方様と同じようにこの国の未来を憂いている多くの貴族がいるのではないでしょうか? その方々と力を合わせるもよし、再び国を一つにしたいというのであれば自由諸侯同盟ヴルヴォタットと共に一つの国を作るもよし。……まあ、俺はただの一般市民なので、そういう政治的な話は専門外ですが。知り合いにフューリタン公爵家令嬢やエリファス大公家の長男次男とかいますので、そういう方々と話せる場をセッティングするくらいしか俺にはできませんね」
「……大貴族に知り合いがいる時点で、最早一般市民とはいえないのでは。……ん? 確か、君は能因草子と言ったな」
「……はい、俺は能因草子ですよ」
「―そうか! 冒険者が噂をしていた、虹ランクに匹敵する【まつろわぬ孤高の旅人】!! 超帝国の大将軍とすら引き分けたという伝説のお方。まさか、貴方が!?」
色々と誇張されているっぽい。確かに【まつろわぬ孤高の旅人】の称号は持っているし、
「まあ、色々と誇張されていますけど、俺は確かに能因草子です」
「それなら色々と合点が行く……伝説のお方が我らに救いをお与えにいらしてくれた! あの宰相を倒す話も机上の空論ではなくなる」
なんか勝手にヒートアップしているんだけど……大丈夫?
「真面目に今後のことを考えなければならないようだな。と、その前にまずはヴィッツィーニファミリーだったな。かの組織については私もあまり情報を掴めていない。それに、貴族の中には奴らのお得意様もいるからな。……先に言っておくが、私は違うぞ。色々な理由から私達はずっと辛酸を舐めさせられてきたのだ。だが、秘密裏に行った調査でヴィッツィーニファミリーの本拠地が地下にあることが分かっている。問題はその入り口だが、残念ながら今は可能性が高いという場所をいくつかピックアップできているという感じで、一箇所に絞り込めてはいない」
後ほど、ピックアップした地点を記した地図を用意してくれるようだ。
「……しかし、困りましたね。奴隷を解放するとなると、当然ながら様々なことにお金が必要になります。それらを我が街で負担するのは厳しそうです」
ヨハンも奴隷解放が生み出す莫大な損失の存在を理解しているのだろう。
奴隷というシステムは悪いものだ。という考えは誰もが持ち合わせているが、実際にそれが行われないのは大き過ぎる
助けること自体はしたいけど、責任は取りたくない……私財を投じてまで苦しんでいる者達を助けたいという熱意を持つ者がいないからこそ、これまで非合法の奴隷という問題が無視され続けたのである。
「少し前に三百人の奴隷を解放したことがありますが、その際には金剛金貨二十枚が掛かりました。それに加えて、全員が自分の力で生活を送れるように最低限の戦闘力や技術を教えたので、労力的にもかなり辛いことを実感しています」
「……経験者談だと、いかに奴隷解放という行為が大変なものかが改めてよく分かるな。感謝されることはあっても実物の報酬はない。民衆は当然の行為だと言い、評価することはない。寧ろ、そのことに血税が使われたと知れば非難の言葉を投げかけるだろう。民衆は不利益を被ることを嫌い、自らが何一つ苦なく利益を求める……強欲な種族だ。今、その時苦しんでいる者がいることを知りながら平然と暮らし、助けるものが現れれば仕事が減った、食料が減ったという理由で迫害する。同じように生を受けたのにな。……本当は民衆も何が正しいかを知っている。しっかりと説得すれば分かり合えない訳ではないだろうが、それにも労力が伴う。全てのバランスを取り、ポケットマネーから解放された奴隷に最低限の生活を保障し、技術を教える……それが、どれほどハードルの高いことなのか真の意味で理解できるのは、それを実際に行った者だけだろう。どれだけ頑張ったとしても結局外からは『奴隷を解放した英雄』や『奴隷を解放し仕事と食事を奪った悪人』と一言で片付けられてしまうからね」
結局、それが全てなのだと思う。魔王を倒し世界を救ったとしても『魔王を倒し世界を救った伝説の勇者』として賞賛されるだけだ。
感謝はされるだろうが結局はそれだけで、それまでの冒険に掛かった費用を負担することはない。
宿屋の店主も他の宿泊客と区別はせず、きっちり宿代は取る。
世界という装置は基本的に善意では動かない。究極的には損得勘定の積み重ねで、ほんの僅かにいる善意ある人間が汚れ仕事を請け負うことで成り立っている。
「ですが、俺は自分でやることの責任はしっかり取りたい人間ですからね。やるからにはアフターケアまでバッチリとやりたいと思っています。まあ、自己満足なんですけどね」
「……草子殿が三百人の奴隷を解放した時も、ほんの些細な理由だったんだろうな。それが、結果的に三百人を助けることに繋がった、と。……だが、今回は数が多い。三百人は優に超えるだろう。そこまでのお金を草子殿一人に支払わせる訳にはいかない。アクアレーティアの領主の意地があるからな」
「まあ、その辺りは解決してから決めていきましょう。まずはヴィッツィーニファミリーを潰さないことには始まりませんから」
「そうだな」
とりあえず、今後のことはヴィッツィーニファミリーを潰してからということにして、俺はシャリナから地図を受け取り、冒険者ギルドに向かった。
「よっ、そっちはどうだった?」
「……う〜ん、まあまあってところね。いくつか目ぼしい場所はあるんだけど、確実にここだって場所はないみたい」
聖達の方も俺と似たようなもので、
こちらの地図を基にして調べると、可能性が高そうな場所が四箇所浮かび上がってきた。
「アクアレーティアの領主の伯爵様に許可を貰ってきたからいつでも襲撃を仕掛けられるけど、どうする? 俺としては真っ昼間に仕掛けるよりも夜襲を仕掛けた方がいいと思うんだけど」
「私も同意致しますわ」
「僕も草子さんの意見に賛成です」
ロゼッタとレーゲンを筆頭に他のメンバーからも同意の意思が表示される。
「……本当にやるのね?」
ミュラはかなり心配そうだ。まあ、巨大な犯罪組織を潰そうって話だからね。そりゃ、不安にもなるよ。
「ミュラさん、問題はないですよ。なんたって俺達には伝説の
「ミュラさん、負ける筈がありませんよ。私達には、どんな凶悪な敵も軽口混じりに倒していく草子君がついているのですから」
ん? 白崎がいるから心配することはないってのが普通じゃない? なんで、モブキャラの俺がいるから問題ないんだ?
◆
その夜、装備を整えた俺達は四班に分かれて行動を開始した。
まずは、それぞれのグループで四箇所に向かう。地下への入口があった場合は降り、無かった場合は他の三箇所に行くという感じだ。
それ以外の可能性が高い地点については後日に回すことにした。
それぞれのグループのメンバーは
-----------------------------------------------
Aチーム
・能因草子
Bチーム
・高野聖
・ロゼッタ
・イセルガ
・岸田美咲
・八房花凛
・進藤臨
・志島恵
Cチーム
・リーファ
・アイリス
・レーゲン
・高津寧々
・久嶋康弘
・一薫
Dチーム
・白崎華代
・朝倉涼音
・北岡胡桃
・柴田八枝
・常盤愛蘭
・大門龍次郎
・柊眞由美
・ミュラ
-----------------------------------------------
とこんな感じになった。何故か白崎と聖とリーファが俺と一緒に行きたいと言い出したので間を取って俺一人で行動するということにした感じだ。
まあ、俺だけの方が色々と都合がいいし。
今回のヴィッツィーニファミリーの掃討だが、俺はそこまで苦戦を強いられることにはならないと思う。
聖達は、あの迷宮での戦いを経て更なる力を得た。武器や防具も完璧に近い。
今すぐにでも
そんな彼女達が遅れをとる筈がない。
「……BINGOか」
俺の向かった先には、小さな掘っ建て小屋があり、【智慧ヲ窮メシ者】の情報によると下へと続いていた。
「「貴様、何者だ!!」」
そして、その小屋を二人のカタギではない目つきをした男達が守っている。
うん、ここ以外に考えられないな。
「要件はヴィッツィーニファミリーを壊滅させることだ。死にたく無かったら大人しくお縄につきな」
「ククク、コイツ頭膿んでるのか? 二対一だ、たたんじまえ!!」
「【魔法剣・
刀剣に変化させたエルダーワンドに闇を纏わせる。
「
闇を纏わせた斬撃を飛ばす。たったそれだけで見張りの男は死んだ。
「んじゃ、遠慮なくいきますか」
地下に入る……【智慧ヲ窮メシ者】の情報によると地下は三階まであるようだ。
一階にはオークションに使うのか大きな会場を含む、複数の部屋があり、二階に組織の事務所らしきものが、三階に奴隷を収容する部屋らしきものがある。
「んじゃ、面倒なんで一番下まで掘り進めますか。
地面に向かって円を描くようにエルダーワンドを動かしてから中心を突き、出現した魔法陣から飛び出した巨大な切っ先が床を砕く……惜しい、二階が限界だった。
「何者だ!! 見張りはどうした!!」
数十人の男達がこちらを見るなり武器を持っている者は武器を構え、魔法の使い手は魔法の詠唱を開始した。
「〝極寒の世界の冷気よ! 死よりも冷たき愛で凍えさせておくれ! 魂を慄わす愛で包み込んでおくれ〟――〝
だが、彼らが攻撃をすることは無かった。地上に灼熱と極寒――ニ対の地獄が顕現したからだ。
灼熱によって身体を燃やされ、或いは極寒の中で体力を奪われ、全ての者達が命を散らした。
「久々に使ったけど相変わらず威力高えな。まあ、破壊力で見れば〝
奴隷として何人もの人々が捕まっている場所で隕石を落としたら本末転倒だ。
敵を倒すにも手段を選ばなければならない。そういう状況下で〝
「では、虐殺の続きを始めますか」
何者かと敵対した場合、相手を殺さずにと考えるのは愚行でしかない。
全てを救うなどということは何人にもできないことだと俺は思う。
慈悲を掛ければ、その慈悲に付け込み復讐が行われる。平氏の事実上の滅亡がそのいい例だ。やるからには徹底的にやらなければならない。
魔法剣を解き、エルダーワンドを皮の袋に放り込む。
さあ、第二段階の始まりだ!
「居たぞ! 相手はたった一人、しかも武器を持っていない! 全員でたたんじまえ!!」
「「「「「「〝凍てつく氷よ、槍となって貫け〟――〝
「「「〝凍てつく氷よ、弾丸となれ〟――〝
「「〝凍てつく氷よ、矢となれ〟――〝
氷槍六本に、無数の氷弾と氷矢か。全部初級魔法……流石に舐めてない?
「【黒雷拡散放射迎撃砲】」
手に宿した【黒雷】を【雷操作】で拡散するように放ち、全ての氷槍を撃ち落とすと同時に術者の男達を跡形もなく消し飛ばす。
(〝全ての魔法を粉砕せよ〟――〝マジカル・デモリッション〟)
突き出した俺の右手人差し指の先から鈍色の魔法陣が生まれ、無数の氷弾と氷矢を消し去った。
正確に言い直すと、魔法を形作っていた魔力に戻したんだけど。
「ファミリーってことはボスだよね? どこにいるんだろう? やっぱりでかい部屋?」
【智慧ヲ窮メシ者】で調べたらそれらしい部屋が一つ見つかった。ということで早速向かう。
あっ、Bチーム、Cチーム、Dチームは全員地下アジトの中に入ったっぽいです。どうやら全部入り口だったらしい……まあ、入り口が一つだって誰も言及していないんだけど。
みんなが一階を制圧している間に俺は二階を制圧するか。
「居たぞ! ボスの部屋には通さねえ! お前にはここで死んでもらうぜ!!」
総勢二十五名? どうやらここがラストバトルの会場のようだ。
抜刀する者、魔法の詠唱をする者、槍を構えて突撃する者……本当に多種多様だな。
んじゃ、とりあえず。
「〝時を止めよ〟――〝
魔法を唱えると俺以外の時間が止まった。
そういえば、どこかの
あれに【即死魔法】を組み合わせられたら確かに厄介だ。
まあ、【即死魔法】を使わなくても銃で連続射撃を行うだけで十分厄介だけど。そういえば、弾丸が着弾した相手の時間を止める魔法ってのもありかな?
いや、いっそのこと時間停止の効果のあるエネルギー体を弾丸の形にして打ち出すというのも手だな。……ん? これって結構便利じゃない? 〝
まあ、今度考えればいいか。まずはヴィッツィーニファミリーのボスだ。
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