『フルゴル・エクエスは、たった一組で異世界を滅ぼせると言われる最強のホムンクルス部隊! 低レベルの神の使徒や神程度なら余裕で屠ることができる』って自慢げに言ってるけど結局は他人の褌で相撲を取ってるだけ

【ロゼッタ視点】


「久しぶり、美華ちゃん」


 夢を見た。多分、夢だと思う。

 でも、これは多分事実で、信じられないことなのだと思う。


 私は薗部美華で、目の前には湊屋千佳さんがいる。

 ずっと会いたかった親友に、やっと会えた。


「思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを?」


「違うと思うよ? まだ覚めてないから。……でも、会えてよかったよ、千佳さん」


 抱き合った時の熱は本物だった。だけど、多分、これは夢なんだと思う。

 薗部美華という人間はもういない。今の私はロゼッタ=フューリタン――乙女ゲームの悪役令嬢なんだから。


「……一体どういうことなの?」


「う〜ん。私にもよく分からない。もう一度美華ちゃんに会いたいって思っていたら、夢が繋がった? みたいな感じかな」


 私はこれまでに起きたことを千佳さんに語って聞かせた。

 悪役令嬢に転生していたことを。新しい人生のことを。多くの仲間に恵まれたことを。たくさんたくさん。

 まだ話し足りない、どれだけ話しても足りない。本当は、千佳さんともっともっと話していたい。


「なるほど、美華ちゃんも大変だったね。……というか、それって本当に乙女ゲームを基にした世界なの?」


「さあ、どうなんだろうね? 変態執事のイセルガは居なかったし」


「というか、そんな執事が出てきたら全年齢対象にならないよ。発売禁止? でも、楽しくやっているようでよかったよ。だって、新しい人生のことを話している美華ちゃん、嬉しそうな顔をしていたから」


 破滅してもいいと思いながら、破滅に怯えながら、二つの感情を持ちながら生きてきた私も、本当はみんなと一緒に居られる時間が好きだったのかもしれない。


「伝えないといけないことがある。……美華ちゃんを突き落とした犯人は逮捕された。犯人は美華ちゃんと同じ学部の生徒。『グループ活動をやっていた時に意見が合わなかった、そのイライラで気づいたら突き落としてしまっていた。本当に取り返しのつかないことをしてしまった』って後悔していたけど……本当にそんなことで、一時の感情に流されてとんでもないことをしてくれたわ! 嫌なことがあるなら面と向かって言えばいいのに」


「……まあ、起きちゃったことは取り返しがつかないし。……ただ、両親や千佳さんを悲しませてしまったことは申し訳ないと思っているわ」


「本当に美華ちゃんは、優しいわよね。……暗い話はここまで。楽しい話をしましょう。そうだ、乙女ゲーム。……結局、どこまで行ったの?」


「ヴァングレイルート、シャートルート、ジルフォンドルート……ロゼッタをどう殺すかの周回をしていたせいで、全然進めないまま終わったわ」


「あのドツボにハマったか……もしかして、美華ちゃんってドS? だから、ロゼッタに転生したとか?」


「あはは……かもしれないね」


「なら、隠しキャラのことは知らないのか……」


「隠しキャラっていたの?」


「……やっぱり知らなかったか。四人の攻略対象を攻略すると、二人の攻略対象が明かされるよ……だけど、他の乙女ゲームとは違って男じゃないんだ」


「……まさか、百合? えっ、どういうこと?」


「そう思うよね。私的には大歓迎なんだけど。その攻略対象のことは美華ちゃんもよく知っていると思うよ。――ノエリア=フォートレスとロゼッタ=フューリタン」


「……そういうことか。だから、ステータスにはノエリア様の名前が」


「もしかして、心当たりがあった? 中でもロゼッタルートは最難関なんだけど、一度撃沈させると、凄いのよ。一途で……あの百合は本当に最高よ。貴いの一言に尽きるわぁ」


「おーい、千佳さん、戻ってきてー」


「……えっと、どこまで話したっけ? 四人の攻略対象を攻略するとハーレムルートになるんだけど。ノエリアとロゼッタも攻略するという、まあ物凄い難易度高いんだけど、それを成功させるとスーパーハーレムルートになるって訳。まあ、私も流石にここまではいってないけどね。攻略サイトにも詳細は書かれてないし」


「……そっか。みんなが幸せになるって展開もちゃんと用意してくれていたんだ」


 そうよね。それが一番だわ。誰かの破滅で生まれる幸せなんて、いいものの筈がない。


「ところで、私ってフィードルートをやっていないんだけど、フィードってどんな攻略対象なの?」


「フィードか……黒髪黒目の長身のイケメンで令嬢達を引き寄せる独特の色香を醸し出している魔性の伯爵って感じかな? でも、結構奥手な感じで自分の気持ちを表に出さない感じ?」


「歴史好きとか、そういう設定はないの?」


「そんな設定は無かったと思うけど……」


 なんだろう、この違和感。初めて図書館で出会った時に感じた、壮年というより老成したような落ち着き……乙女ゲームに出てきたフィードとどこか違う。これは、異世界になって拡大解釈されたから……そう判断して本当にいいのかな? そもそも、この世界は本当に乙女ゲーム『The LOVE STORY of Primula』の要素を受け継いだ世界だと言えるのか。もしかしたら、そう思い込んでいるだけで、よく似た全く別の世界だという可能性もある。


「そっちのフィードってどんな感じなの?」


「魔性の色香を醸し出している時もあるんだけど、どちらかといえば壮年というより老成したような落ち着きって感じかな。いつも分厚い歴史書を読んでいる。……そういえば、一度だけ奇妙な質問をしてきたことがあった。『永劫回帰という言葉はご存知ですか?』って。私、なんだか薄ら寒いものを感じて、結局答えられなかったけど」


「永劫回帰……そんな単語、乙女ゲームには出てこなかったわ。……美華ちゃん、フィードに気をつけて。もしかしたら……」


 ……ん? 千佳さん、どうしたのかな?


「乙女ゲーム『The LOVE STORY of Primula』はとっくの昔に終わっていたのかもしれない。……始まる前から」







★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★







 目を覚ますと寮のベッドの上だった。

 やっぱり夢だった。だけど、夢の中で本当に私は千佳さんと再会していたんだと思う。


「……乙女ゲームの終わり、か」


 嫌な予感がする。根本的なものが崩れ去る予感が。

 知らなきゃ良かったと思うかもしれない。後悔するかもしれない。

 私の幸せが、みんなの幸せが、根底から崩れるかもしれない。……もしかしたら、その幸せは蜃気楼のようなものだったのかもしれない。


「夢と知りせば 覚めざらましを……か」


 もし、本当のことを知ったら、本当に終わってしまうのかもしれない。

 だけど、いつまでも知らないままでいられるのか分からない。


 ならば、覚悟を決めておかないといけないんだと思う。

 運命は私達に決断の機会すら与えてくれないのかもしれないのだから……。



 異世界生活五十五日目 場所エリシェラ学園


「本当に行ってしまうのか?」


「まあ、今日すぐにという訳ではありませんが。明日からまた旅を再開しようと思います。あっ、非常勤講師の件についてはセリスティア学園長がよろしければ今後も続けさせていただきます。……まあ、本当に非常勤になりそうですが」


「草子殿には草子殿の目的がある。引き止めるのも野暮というものだろう。……旅の検討を祈るのと同時に、今後ともよろしく頼む。能因先生」


 とりあえず、これで雇用主に断りを入れることはできた。

 ロゼッタ達は、まあ明日の朝に伝えればいいか。


 さて、白崎達の泊まっている宿に行って武器の分配をするか。

 もう、セリスティア学園長との契約は終わって、今は宿に泊まっているらしいからね。……えっと、宿屋 白樺亭? 同人誌なのだろうか? もしかして、武者小路実篤とか志賀直哉とかが泊まってる!?


 宿屋 白樺亭は、貴族街の一角にあるらしい。

 ロゼッタ様が好意で予約を取り、費用を出してくれたようだ。……ありがたやー? 一応仲間? 同行者なので、お礼を言っといた方がいい?


 貴族街を宿屋 白樺亭に向かって進んでいたんだけど、途中で邪魔が入った。

 仮面をつけたタキシードの男? もしかして、マイアーレが言っていたアノニマスって奴?


『はじめまして。ワタクシ、アノニマスと申します。本日はご用があって参りました。もし、機動要塞エレシュキガルの中で超古代文明マルドゥークについての情報を掴んだのであれば、速やかに譲渡していただきたい』


 ……とりあえず、【看破】を使ってみるか。


-----------------------------------------------

NAME:ロンド=スコールト AGE:39歳

LEVEL:66 NEXT:9000EXP

HP:2000/2000

MP:1000/1000

STR:1800

DEX:2000

INT:600

CON:900

APP:35

POW:900

LUCK:15


JOB:黎明結社メンバー、伯爵家執事、武闘家モンク


TITLE:【伯爵家執事】


SKILL

【マーシャルアーツ】LEVEL:60

→格闘術が上手くなるよ!

【徒手空拳】LEVEL:60

→徒手空拳が上手くなるよ!

【近接格闘術】LEVEL:60

→近接格闘術が上手くなるよ!

【因果耐性】LEVEL:40

→因果干渉に対する耐性を得るよ!

【礼儀作法】LEVEL:50

→礼儀作法を習得するよ!

【クライヴァルト語】LEVEL:55

→クライヴァルト語を習得するよ!

【ヴァパリア黎明結社共通語】LEVEL:100

→ヴァパリア黎明結社共通語を習得するよ!


ITEM

・アノニマスの仮面

→アノニマスを模した仮面だよ!

・マジックカード(汎用)×3

→TCG風ソーシャルゲーム『FANTASY CARDs』を基にした汎用カードだよ!

・執事服

→執事服だよ!

・黎明結社のペンダント

→ヴァパリア黎明結社のシンボルである六芒星に十字架を合わせた意匠のペンダントだよ!


NOTICE

・通知一件

→未使用のポイントが後6900あります。

-----------------------------------------------


 ……あの、ちゃんと名前が出ているんですけど、ロンド=スコールトって。

 というか、執事な上に武闘家モンクなの? もしかして、セ●ス・チャンだったりするの!?


「……嫌だと言ったら?」


『否とは言わせません。もし、所持しているのにも拘らず渡さないというのであれば、容赦は致しません』


 この人何言ってるの? レベル66って骸骨戦士スケルトン・ウォリアーにすら敵わないし、マジックカードとやらも豚貴族……誰だっけ? マイアーレ様に似て非なる人に渡したものだということであれば高が知れている。


『貴方の相手はワタクシではございません。ヴァパリア黎明結社の精鋭――フルゴル・エクエス、後はよろしくお願いいたします』


 いたします、じゃねえよ。結局お前が戦う訳じゃないじゃん。

 鎧を纏った騎士という訳ではない。寧ろ軽装。青を基調とした衣装に、仮面? 三人一組みたいだし、オ●フォ的な感じ?

 とりあえず、【看破】!


-----------------------------------------------

NAME:フルゴル・エクエス AGE:-歳

LEVEL:999 NEXT:-EXP

HP:99999/99999

MP:∞

STR:999999

DEX:999999

INT:999999

CON:999999

APP:999999

POW:999999

LUCK:999999


JOB:ホムンクルス


TITLE:【破滅を呼ぶ使徒】、【スリーマンセルの暴力】、【無限の魔力を有する者】、【量産型最終兵器】、【鉄壁の無効スキル使い】


SKILL

【二刀流理】LEVEL:999

→二刀流の真髄を極めるよ! 【二刀流】の上位互換だよ!

【連携】LEVEL:999

→連携が上手くなるよ!

【全属性魔法】LEVEL:999

→全属性の魔法を使えるようになるよ!

【回復魔法】LEVEL:999

→回復魔法を使えるようになるよ!

【物理無効】LEVEL:999

→物理を無効にするよ! 【物理耐性】の上位互換だよ!

【衝撃無効】LEVEL:999

→衝撃を無効にするよ! 【衝撃耐性】の上位互換だよ!

【魔法無効】LEVEL:999

→魔法を無効にするよ! 【魔法耐性】の上位互換だよ!

【状態異常無効】LEVEL:999

→全ての状態異常を無効にするよ! 【状態異常耐性】の上位互換だよ!

【即死無効】LEVEL:999

→即死を無効にするよ! 【即死耐性】の上位互換だよ!

【因果無効】LEVEL:999

→因果干渉を無効にするよ! 【因果耐性】の上位互換だよ!

【気配察知】LEVEL:999

→気配察知が上手くなるよ!

【魔力察知】LEVEL:999

→魔力察知が上手くなるよ!

【熱源察知】LEVEL:999

→熱源察知が上手くなるよ!

【振動察知】LEVEL:999

→振動察知が上手くなるよ!

【無限の魔力】LEVEL:999

→無限の魔力を得るよ!

【分解のオーラ】LEVEL:999

→オーラに触れたものを分解するよ!

【瞬間移動】LEVEL:999

→瞬間移動が上手くなるよ!

【擬似限界突破】LEVEL:999

→擬似的に限界突破するよ!


ITEM

・双剣

→量産された双剣だよ!

・戦闘装備

→戦闘用の装備だよ!

・仮面

→仮面だよ!

-----------------------------------------------


『フルゴル・エクエスは、たった一組で異世界を滅ぼせると言われる最強のホムンクルス部隊! 低レベルの神の使徒や神程度なら余裕で屠ることができる。さて、どうなされますか? クフフ』


「お前が強い訳じゃないのに偉そうだな。他人の褌で相撲? まあ、別にいいけど」


 マジか。耐性完璧じゃないか。耐性じゃなくて無効だし。

 〝DIES IRÆ〟だと三人一斉に仕留め切るのは無理だろうし……ん? そういえば、魔術っ【魔法無効】を突破できるんじゃね?


(〝PROMINENCE〟)


 プロミネンスを発生させて攻撃する【火魔術】を使っても効果無しか……やはり、現実はそう甘くは無かった。


『バカめ。【魔法無効】を持っているフルゴル・エクエスに、魔法など通用しないわ!』


「あのさっきから外野がうるさいんですけど。アンタから先に仕留めてやろっか!? というか、魔法じゃないし、魔術だし!!」


 って言ってても意味ないか。とりあえず、プラーナで削るか? 【接触吸魔】と【接触吸勢】で吸いにいくか? 【プラズマブレス】や【纏雷】を使うか?


 どっちにしろ長期戦になりそうだな。それに、【回復魔法】と【無限の魔力】のコンボが厄介だ。

 インフィニットなら、凍結させて完全に動きを止めてからフルボッコにするんだろうけど。というか、こんな強敵相手によく生き残れたな。まあ、ステータスだけ見れば一部の異常値を除いてLEVEL:10000のインフィニットの方が上だけど。


 なんか一発で片付けられるものがあったらな。……そのまま一発屋にはなりたくないけど。

 ……そういえば、あらゆる耐性を無視して即死させるって魔法があったな。〈あらゆ●生あるものの目指すとこ●は死である-The g●al of all life is de●th-〉……そもそもこれはスキルだし、この世界にはその類の魔法はないらしいけど、【魔術文化学概論】で新たな魔法を作れるなら……。


 その手があった。だけど、リキャストが100時間でしかも広範囲……殺したいのはフルゴル・エクエスだけなんだよね。


 ……よし、決まった。構想は纏まった。

 ただ、これがどんな形で完成するかはやってみなければ分からない。ここまでのことをやって代償がないってのは流石にありえないからね。


「〝全てのものに寿命はあり、全てのものに終わりはある。終わらせるものよ、死の神よ、そなたの力を貸してくれ。アジャラカモクレン、テケレッツのパー。死の因果より逃れしものよ。アジャラカモクレン、テケレッツのパー。今こそ汝の灯火を吹き消さん〟――〝死が確定する十三分-The god of death keeps ridicule of life for 13 minutes-〟」


『ふっ、何をするかと思えば魔法か? そんなものはフルゴル・エクエスに通用せん。いい加減諦めろ!』


「残念だったな。諦めるのを諦め給え。……【魔法無効】? 【即死無効】? 【因果無効】? そんな無効は無効ごと殺してやる。さあ、始めよう。死の十三分を――」


 俺の背後に死神の幻影が現れ、嗤うのと同時に立ち消える。

 そして代わりに現れたのは、十三分のカウントタイマー。


「生憎と【即死魔法】は死の支配者オーバーロードに使われまくったんでよく覚えているよ。〝心臓を潰せ、死神の手〟――〝心臓圧砕デス・プロビデンス〟」


 死神の幻影が現れて、フルゴル・エクエスの心臓を潰して即死させた。残り一体……てか、ホムンクルスなのに心臓あるの!?


「〝命を刈り取れ、死神の鎌〟――〝死の大鎌カラミティ・ハーツ〟」


 よし、撃破。死神の幻影に首を刈り取られて即死。残り一体。時間もまだ充分ある。


「〝心臓を潰せ、死神の手〟――〝心臓圧砕デス・プロビデンス〟」


 よし、最後のフルゴル・エクエスを撃破。耐性貫通即死攻撃って、まじヤベエな。


『まさか、フルゴル・エクエスが――最強のホムンクルス部隊が、こんなあっさりと!』


「まだやるの? とっととお縄になってくれない?」


『まっ、まだだ! ワタクシには、まだ三枚のカードがある』


『ランク:SRスーパーレア 『見習い魔女アラディア』……『見習い魔女のアラディアはドジだが素質を持っておる。いずれは優秀な魔女になるじゃろう。――老魔女ヴァルプルギス』』


『ランク:SSRダブルスーパーレア 『老魔女ヴァルプルギス』……『伝説のサバトの名を持つ大魔女、優秀な異端審問官でも容易に手が出せぬ強敵だ。――異端審問官ラッファード』』


『ランク:SSSRトリプルスーパーレア 『魔導女神ヘロディアス』……『夜に騎行する女たちが従う女神が従う異端の女神だ。あの女神がいる限り魔女は滅びぬ。――異端審問官ラッファード』』


 あっ、まだ戦う気なの? というか、遂に神が出てきたんですけど。……カードだけど。

 というか、神でもレベル400? もう、帰ってもらっていいですか? 【即死魔法】を使う気すら湧かない。


 皮の袋からエルダーワンドを取り出す。そのまま刀剣に変形。


「【魔法剣・闇纏ヤミマトイ】」


 刀剣に変化させたエルダーワンドに闇を纏わせ、そのまま洋館に乗り込む。


Envelopperオンブルベ avecアベック les ténèbresテネーブル/Croissantクロワサン deドゥ luneリュンヌ envoyéアンヴォワイェ


 【魔法剣】で【飛斬撃】を食らわせて終了。これで本当に終わり? またフルゴル・エクエス出てきたり……しないよね? リキャストタイムが12時間なんだよ!!


『まさか、三体のカードが……全滅』


「さてと、もういい? 何も隠してない?」


『斯くなる上は!』


 あ〜、接近戦か。もう手札ないんだね。

 さてと、心配なさそうだしこのまま沈めるか。


「〝痛みを理解したまえ〟――〝ダイレクト・ペイン〟」


 よし、アノニマスというか、ロンド=スコールト撃破。まあ、気を失ってるだけど命に別状はないけど。

 さてと……これって宣戦布告と捉えていいんだよね?


 本当にロゼッタには申し訳なく思っている。思っているよ、本当だよ。ホントダヨ。……うん、言えば言うほど嘘っぽくなる。

 でも、仕掛けられたのに泣き寝入りをする訳にはいかないしね。コイツの主人を潰さないと……後々のためにも。


 とりあえず、宿屋 白樺亭に行く前に連絡を入れないとね。……えっと、念話玉ってどこに入れたっけ?

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