文学少年(変態さん)は世界最恐!? 〜明らかにハズレの【書誌学】、【異食】、にーとと意味不明な【魔術文化学概論】を押し付けられて異世界召喚された筈なのに気づいたら厄災扱いされていました〜
最強の剣士さんも最強の狙撃手さんも早々に終了して傲慢不遜な超帝国最強の大将軍様は一体どこに向かっているんだろうか?
最強の剣士さんも最強の狙撃手さんも早々に終了して傲慢不遜な超帝国最強の大将軍様は一体どこに向かっているんだろうか?
異世界生活五十五日目 場所コンラッセン大平原
「顕現し、我が掌中に収まれ、雷切丸」
インフィニットの言の葉に従い、
立花道雪の雷切? ……えっと、異世界ファンタジーですよね??
神速にすら至った一閃――初速、終速の概念のない。音すら存在しないほど削ぎ落とされた0から100への急激な緩急を旨とする《比翼》の剣ですら霞むほどの一太刀。
無駄な動きも、不要な力も、エネルギーロスも、何一つ存在しない研ぎ澄まされた一撃。……もしかして、迷●皇に匹敵する剣? ぶっちゃけ《比翼》と迷●皇の剣ってどっちが上なのかは分からないけど。
……他に領主ガ●フォードって物凄い早業を見せる剣士もいたな。一体誰が一番の凄腕なのか?
斬り終わりしか存在しない。これぞ、まさしく【究極挙動】。それ以外に形容し難し。
「ほう。俺の太刀について来られるか。表側の住人ではないと思っていたが、なかなかやるな」
「傲慢不遜に褒められても嬉しくないですよ、大将軍様」
「……加護が封じられている。【因果耐性】か。……何故、ヴァパリア黎明結社のスキルを持っているのか。まあ、お前がヴァパリア黎明結社の関係者である可能性は低いそうだ。まあいい、死ね」
うん、単刀直入な殺害予告をどうもありがとう。でもね、死にたくないから死んでやらないよ!!
「〝時空を歪め癒えることなき傷を世界に刻め〟――〝スペースタイム・コラプシス〟」
ちっ、勘の鋭い奴め。時空間歪曲を避けやがったな。
「時空間を歪曲させる魔法か。【属性魔法乱反射】の弱点を突いてきたか。……だが、そんな殺す気がない魔法では俺を殺せんぞ」
「生憎と殺さず生け捕りにして情報を吐かせたいもので。まあ、死んだら死んだですけど」
「ほざけ。そんな風に余裕風吹かせていられるのも今のうちだ」
ん? 雷切丸を自ら砕いた? なんで? もう、最強の剣士は終了なの??
「顕現し、我が敵を仕留めよ、PGMウルティマラティオ・ヘカートⅢ」
あの? 聞き間違いじゃないよね? PGM ヘカートⅡじゃなくて、Ⅲ? シノ●さんもびっくりだよ!?
「知らないようだな。世界線が違うからか? まあいい、冥土の土産に教えてやろう。これは、第三次世界大戦の際に宇宙船の装甲を貫通するべくPGM ヘカートⅡを元に製作された
うわ、マジかよ。何、第三次世界大戦って。というか、宇宙戦争? ミリタリーとかじゃなくてSFなの! まあ、実際にあったことなんだろうけど。インフィニットの前世では。
剣の動きと同じだ。ボルトアクション方式にも関わらず、引き金を引くまでが一瞬に見える。
それに弾速も桁違いだ。やはり、
「【物理無効】も持っているのか。とすると、【魔法無効】も持っているのだろう。何故だか【看破】できなかったことを踏まえると恐らく俺よりも格上……だが、裏の世界には俺よりも格上が巨万といる。格上を殺せなくては、裏側の者達と渡り合うことはできん!」
マジかよ。PGMウルティマラティオ・ヘカートⅢまで砕きやがった。
まさか、最強の狙撃手さんも終了? 一体どこに向かってるの!?
「安心しろ、次で終わらせてやる。――果てしなき碧落の彼方より、大翼広げて顕現せよ。金烏覆い尽くす神威を恣に振りかざせ――〈
金属の塊? いや、違うか。ノリ的には
……本当にシング●ンだったよ。
「第二の特殊武装――ビームサーベル」
うわ、マジかよ。SFぶっ混んできやがった。
コイツ、ガチで異世界カオスをカオスにする勢じゃねえか!!
「伸びろ如意棒!」
「――くだらん!」
あっさり躱された!? なんてね。俺の如意棒はしつこいんだよ!!
「第四の特殊武装――ジズズウィング」
ん? 大量の羽を飛ばしやがった? 一体何を始めるつもりだ?
「祥瑞装――
くそ、消えやがった。ワープか。飛雷●の術かよ!! ……もしくは、〈
ちっ、これじゃあ防御が間に合わない! そうだ、アレを使えば。上手くいってくれ!!
よし、上手くいった。やはり、プラーナに変化させるとエルダーワンドは元の形態に戻る。
そのまま接近してきたインフィニットに向かって――。
「【浸透気術】……決まった!」
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NAME:インフィニット=ショットシェル AGE:18歳
LEVEL:10000 NEXT:15000000EXP
HP:990000/1000000
MP:1000000/1000000
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まあ、あんまり減らせていないけど。というか、硬くね! お前どんだけ硬いんだよ!
しかも、
「形勢が悪い。今日のところはお前に勝ちを譲ってやる。だが、次はないと思え。俺の道を邪魔するならば、誰が相手でも容赦はしない」
「その言葉、そっくりそのまま返しますよ! 俺が地球に帰るのを邪魔するのならば、例え誰が相手だろうと叩き潰す」
とりあえず、今回のところは勝ちを譲ってくれたようだ。……まあ、正直ヤバイと思っていたんだよね、【三体操作】。多分、空気中にある水分を自由自在に操るとかそういう感じだから。
次までに対策を考えておかないとな。まあ、次は向こうもこっちの対策を立ててくると思うけど。
◆
白崎達と合流した。なんだか、みんな絶望的な表情だけど、どうしたの?
ん? 一人だけ絶望が薄めの人がいる?
「……草子君。【究極挙動】、奪えちゃった」
「なんですと!!」
「どういうことよ、華代。【完全掌握】だと格上のスキルは奪えないんでしょ!!」
朝倉、ご丁寧に解説ありがとう。……確か、俺の記憶だとそうだった筈だけど。
「そうだと思っていたんだけど、何度失敗しても諦めなかったら最後の最後で手に入れることができたみたい。多分、【完全掌握】は格上を掌握できないんじゃなくて、格上であるほど掌握しにくくなるスキルなんだと思う」
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【完全掌握 極】LEVEL:1
→ 相手の状態から手に入るありとあらゆる情報を元に相手の動きを読み、戦場を掌握するよ! 相手の一挙手一投足を観察し、その根底を解き明かすことで会得することもできるよ! レベルの差がある場合は一つに焦点を絞れば部分的に掌握できる可能性もあるよ! 【完全掌握】の上位互換だよ!
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「……白崎さん。【完全掌握】が上位互換している。でも、なんで?」
「……分からないよ。戦いには参加できないけど、何もできないのは、このまま置いていかれるのが嫌だったから、必死で【完全掌握】を使い続けて……気づいたら」
やはり白崎は主人公だな。限界を超えて強くなる。
これなら勇者も夢じゃないと思う。というか、もう勇者か。
「さてと、邪魔者も居なくなったし……とりあえず、機動要塞エレシュキガルを止める?」
「あの、草子君? そんな簡単に止められるものなんですか?」
「ご心配には及びません。【物理無効】と【衝撃無効】と【属性魔法無効】の三つがあるようですが、それ以外なら効果があるようなので。〝時空を歪め癒えることなき傷を世界に刻め〟――〝スペースタイム・コラプシス〟」
よし、成功。足を全部吹き飛ばしたらバランスを崩し、そのまま動きが止まった。
「さて、行きますか? 一応何が待ち受けているか分からないので、武装だけはしっかりとしておいてください」
◆
機動要塞の中は小さな迷路になっていた。
といっても、そこまで広い訳ではないし、【全マップ探査】のスキルがあるので右手法を使う必要はない。
賢●のパズルの解●ない迷路のように、迷宮内パズルは存在しないようだ……ただ。
『『『侵入者ヲ発見。制圧シークエンスヲ開始シマス』』』
「「「侵入者発見。可及的速やかに排除します」」」
無機質な声で制圧宣言をする
「……えっと、レベルは使徒天使が1000〜1100? ゴーレムが500〜600? 使徒天使は【全属性耐性】しか持ってないから、打撃で攻めれば問題なし? ゴーレムは額に彫られている
「「「「「「「「「「簡単に言うけど、無理よ!!」」」」」」」」」」
「……でも、無理だって言ってても強くなれない。願いを叶えられない。……戦わないと!」
白崎達は臨戦態勢を取った。まあ弱点は教えたし、ゴーレムくらいはなんとかなるだろう。……問題は使徒天使の方か。
「魂が無ければ動かねえんじゃねえの?」
「「「可及的速やかに排除します」」」
「あっ、オートモードにすればいいってことね。乙女ゲームもオートモードが切れると大変らしいな、なんて。……なるほど。今時天使にもAIを搭載か。……いや、超古代文明の負の遺産だから昔からあったって話か。怖や怖や。んじゃ、怖いついでに死んどくれ」
(〝世界を構成する有象無象よ、元素となって、新たな世界を作る糧となれ〟――〝エレメント・スキャター〟)
使徒天使に杖を向けて、【無詠唱魔法】で元素分解魔法を発動する。
うん、思ったほど強くないよね。まあ、戦闘力は神の使徒に勝るとも劣らないんだろうけど。
朝倉、北岡、柴田、岸田、八房の前衛組は
「「「「「〝万象を滅却する波動よ! 相反する相剋の力によりて顕現し、その力を思う存分揮い給え! 灰は灰に塵は塵に戻りて万物須らく円環の輪へと還る。今こそその輪を外れ、滅びの道を進み給え〟――〝
リーファ、白崎、北岡、高津、常盤の後衛組は〝
「セリスティア先生に教えてもらったわ。……だけど、今の私達は撃てて一発……やっぱりダメよね」
「まあ、あの魔法をバカスカ撃たれたらそれはそれで怖いんだけど。……というか、【全属性耐性】を貫通できるのか。ふむふむ。……とりあえず、魔力尽きたならこの
「……いいの? こんな貴重なものを」
「消費期限があるものでね。サイクルさせるのが重要なのだよ」
まさか、ここまで強くなっているとは思わなかった。そろそろ俺がお払い箱にされる日も近いのかな。
って、そんなことを言っている場合じゃなかった……しっかし、相変わらずスゲーな、
……あっ、朝倉の武器見てて思い出したけど、そういえば武器の分配するの忘れてたわ。帰ったら今度こそやらないとな。
使徒天使と
また何体か出てきたが、その度に撃破……うん、レベルアップ祭りだ。ハピで止まらせる方並みに
中枢制御室に向かうと、そこは本当に古代文明かと思うほど近未来的な空間だった。
無菌室を彷彿とさせる白一色の部屋には、一つのモニターらしきものが存在しているのみ。
……コロ●タイト無かったのか。
突然モニターが点灯した。そこには妖精のような少女の映像が映し出されている。……あの、もしかしてア●ラちゃんパターンなの!? マルドゥークだけに?
【――まさか、ここまで侵入者を通してしまうとは驚きだなぁ♪ まあ、ここまで来ちゃったんなら仕方ない。お客様は歓迎しないとね。ようこそ、皆様。ワタシは、機動要塞エレシュキガルの中枢を司るAI的ヒロイン、エレシちゃんでーす♪】
なんか、痛い人出てきた。なんなの、このバカそうなAI。目だけだからAiってつけられたお調子者と同レベルなの?
【もう敵対する気はないから安心してね。ワタシ、単独だと戦えないから。だから、マジでその消し去ってやろう的な目を向けないでぇぇ〜】
本当に知性を感じさせないAIだな。ア●ラちゃんは、ツンデレだけどやることはしっかりやるAIだったぞ!
「とりあえず、コイツ止めてくれない?」
【いいよ♪ ……というか、既に止まっているんですけど。要するに要塞のシステムそのものをダウンさせればいいってことだね。ちなみに、それだとワタシも消えちゃうけど……】
「いいぞ! そのまま全部消せ!!」
【……このお兄さん怖いよ! お姉さん達、助けて〜!!】
コイツ、俺は説得できないと判断して白崎達に助けを求めやがった。
チッ、悪知恵だけは回る。
「消されたくなければ価値を示せ。俺は男女平等主義者だからな。基本的に本以外には靡かない」
【……本には靡くんだ。……ワタシの価値? もしかしたら、お兄さんの要望に応えられるかもしれないよ♪】
「……要望か。お前は、〈
【流石に無理だよぉ……ワタシはあくまでこの中枢制御のために作られたAIだから。でも、お兄さんは読みがイイね。ワタシは、超理論コンピュータキスカヌに繋がる遺跡に関する情報を持っているよ! といっても、三分の一だけど】
「……三分の一?」
【ワタシ達を作ったマルドゥークの文明人……この世界からは“叡慧”のマルドゥークって呼ばれていたみたいだけど。この人達は最終的に同士討ちを始めちゃったんだぁ……あはは。まあ、資源的な問題? その際にワタシ達を作ったグループは、他に飛空戦艦エンリルと海洋母艦ナンムを作った……まあ、幾度の戦争でワタシ達はボロボロ。兵器も使い物にならなくなったんだけどね】
「……つまり、私達が恐れていた機動要塞は、完全では無かったということですか」
まあ、ロゼッタが絶望するのも仕方ないよね。自分の破滅に繋がると思っていたものが、完全体ですら無かったんだから。
【それでね。別々に保存されることになったんだけど、ワタシだけは何故かこの一帯を彷徨うようにプログラムを書き込まれてね。で、指定された動きを反復的にしていたという訳。多分、超理論コンピュータキスカヌに繋がる鍵として、ワタシを利用しようとしたんじゃないかな?】
……名前も完全にメソポタミアだな。しかし、傍迷惑な話だ。目に見えるように置いたせいで多くの者達が殺された……うん、食糧のために作られた三大魔獣的な? 良かれと思ってが取り返しのつかないことを起こしてますよ!!
「つまり、他の二つの兵器を見つけ、そこから隠された遺跡を見つけ出し、その情報を合体させるとYGGDRASILLへの扉が開くと……面倒な話だなぁ」
【まあ、YGGDRASILL……ああ、超理論コンピュータキスカヌね。アナタ達がYGGDRASILLと呼ぶものは貴重なシステムだからね♪ 世界の叡智にアクセスできるコンピュータだし。もし、ワタシを連れていってくれるなら、そこまでナビゲートしてあげるよ♪】
「それがお前が生存するための提案か。……で、どうやってお前を運べばいい? もしかして、スマホの中に入れるとか?」
スマホを皮の袋から出してみる。
【見たことない機械だね……うん、入れるよ。アプリ? にしてダウンロードして貰えばいいかな?】
問題ないようだ。というか、スマホ起動すると毎回コイツが出てくるの? 絶対五月蠅くなること請け合いだ!!
【ダウンロード完了! ……ふむふむ、随分偏ってるね】
「文句があるなら消すぞ。それと、読書中に出てきて講釈垂れ始めたら、消すから」
【……うん。冗談通じなさそうだからね。それじゃあ、改めて。エレシちゃんでーす♪ よろしくね♪】
「能因草子だ。それじゃあ、消される日までよろしく」
うん、用が済んだら消そう。絶対消そう。
「ところで、超古代文明マルドゥークはなんで滅んだの?」
【さあ? あんな奴らどうでもいいと思ってたから、考えたこともなかったな。同士討ちで死んだんじゃない?】
うん、バカそうな上に辛辣なようだ。多分日和見属性も付きそうだな。普通に裏切りそうだ。……もしかして、日和見菌なの?
「それじゃあ、機動要塞エレシュキガルのシステムを止めて」
【りょーかい♪】
さてと、これで機動要塞襲来の一件は解決だな。
最後の最後にYGGDRASILLに繋がる情報も手に入れられたし、やっぱりついてるのかな?
◆
【三人称視点】
学園の某所――静寂に包まれた倉庫で二つの人影が対峙していた。
「機動要塞エレシュキガルが壊滅したようだな」
「はい、ご主人様。能因草子とその一行は、機動要塞エレシュキガルの内部に潜入し、完全に機能を停止させたようです」
「奴らが何か情報を掴んだ可能性は?」
「さあ……ただ、彼らが超古代文明マルドゥークに関する情報を何かしら掴んだ可能性はあります」
「そうか……目的を終えた奴らは恐らくこの国を出発する。それまでに何かしらの手を打たねばな。俺に与えられている最高戦力を投入する。最悪の場合に備えてお前にも動いてもらうぞ、ロンド」
「畏まりました」
「「全ては、ヴァパリア黎明結社のために」」
ロンドが去ったことを確認し、ご主人様と呼ばれた男は殉教者のような微笑を浮かべた。
「全ては、この世界をいずれ来る破滅から救うために。そのための
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