その後の幼虫たち

 先日唯一成虫になった子ですが、「あれこんな小さかったっけ?」と思うサイズでした。

 女王バチ一匹で途中まで育てていた、その後は私が変な食べもんをあげた、まあ色々あるでしょうけど、女王バチに比べると一回りくらい小さく見えます。


 蜂の仲間は総じて女王が大きい。蟻もそう。ワーカーはみんな小さい。なのでこれが普通サイズなのかもしれません。だからと言って油断してはいけない。相手は毒針持つアシナガバチです。


 最初の一日こそボトボト床に落ちて大丈夫かと心配したものの、まる1日以上たつと足もしっかりして巣の上をちょこまかしていました。幼虫から栄養のある分泌物を貰って元気になったような気がする。


 世話をしているのか幼虫の上を歩くのですが、特定の2匹の上でしか立ち止まらず、他の3匹は素通りです。実際、3匹は小さい上に全く餌を食べなくなってしまい、翌日2匹が動かなくなってしまいました。



 唯一の成虫は巣の中で息絶えてしまった幼虫がのこっても、掃除をしようともせず見向きもせず、このままだと腐敗してしまう為ピンセットでつまみだします。

 うう、なんか寂しい……


 幼虫のお腹はなんか黒いな、と思いました。考えてみれば最後の脱皮まで糞しないんですから、半生分の排せつ物お腹に持ってることになりますよね。透けて黒く見えるのも頷けます。それにしてもうち一匹はやたらお腹が黒かったので気になりました。

 つまんでいた最中、なんだか皮が変な部分がありそこから体液が漏れてしまい、死因はそれもあったのかもしれません。

 不衛生とか病気とか、あっもしかしてヤマトのり……???


 ごみ箱に捨てることはせず、庭の蟻に弔ってもらいました。



 残された3匹の内1匹は、一番小さいのから2番目の子でしたが、何も食べてくれないにもかかわらず何とか生きています。もしかして成虫から私の見ていない最中になんかもらってんのかな。



 大きい2匹もとうとう、何も食べてくれなくなりました。でも成虫が分泌液よこせと口を刺激するから出すものは出す。そのせいか縮んだ気がします。

 未完成の巣からあふれんばかりだった長さなのに、なんかコンパクトにちょうどいい所で収まっちゃってるなという感じ。


 成虫も本来であれば虫を狩ったときに、固形物は無理だけど体液などを飲むそうです。それがないから幼虫の栄養しか頼れず、幼虫の体力をとっちゃうのかも……と推測もしてみたので、モッコクハマキを一匹ピンセットで目の前にぶら下げてみました。


 悲しいかな敵とみなされたのか、ちぇい、ちぇいと攻撃してきたかと思うと、ぺいと捨てられてしまいました。ちがうでしょー……

 その後、生きているからいけないのかと思い、さばいてる途中のをぶら下げてみました。

 触覚でこちょちょとやったので、おっこのまま調理してくれるかと思った直後、嫌だったのか後ずさってくしくしとお手入れに入ってしまいました。そんな変なもんあげてないんだけどなぁ。


 もうだめかもしれない。幼虫もこの2匹かなり大きいのに全然繭を作る気配がないし、縮むし、食べないし……


 でもいまさら外に放したって巣の状態や幼虫の体力が元に戻るわけでなし。可哀そうですがこのまま最期まで見ているだけしかできなさそうです。

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